5.4. GUI環境での日本語入力

Xアプリケーションで日本語を入力するには日本語入力サーバ vje を用います。Vine Linuxでは標準で vje が起動されますので、Xアプリケーション上でShift-スペースキーを押すことによって日本語入力がすぐにできます。 [2]

ターミナル kterm や他の X アプリケーションでは、 Shift-スペースキー で日本語入力/変換機能を使用できます(もちろん日本語に対応しているアプリケーションのみですが)。ただし、エディタ emacs上では Ctrl-またはCtrl-で切替えになります。

FTP版での日本語入力

FTP版では、vjeの代わりにkinput2がインストールされます。通常は、Shift-スペースキーで日本語入力に切替えます。emacs上では、vjeの場合と同様です。

5.4.1. かな漢字変換サーバの変更

ディスプレイマネージャにwdmをお使いの場合には、かな漢字サーバはログイン画面のメニューから選び、vje やエディタemacs/xemacsでの漢字変換システムを切替えることができます。Vine Linux 3.1CRでは、かな漢字サーバとしてVJE-Delta とCanna (かんな)を選択できます。

wdmをお使いではない場合には、コンソールでsetime(Set IME)コマンドを使ってかな漢字変換システムを切替えます。setimeはVine Linux独自のコマンドです。

現在選択されている漢字変換システムは以下を実行すると表示されます。

$ setime status

利用するかな漢字変換サーバをCannaに変更したい場合には次のようにします。 なお、かな漢字変換サーバの変更後にはX Window System を再起動するようにして下さい。

$ setime canna

同様に VJE-Delta を使いたいときには以下を実行します。

$ setime vje

単にsetimeと入力すると使い方が表示されます。

5.4.2. 日本語の入力

X Window System上で動作する、日本語に対応しているアプリケーションでは(kterm,mozilla,gimp,tgif,tknamazuなど)、Ctrl-スペースキー をタイプすると日本語入力サーバ vje が起動し、日本語入力モードになります。(ただし、Emacs上ではCtrl-で切替えになります。)

5.4.2.1. VJE-Delta 3.0

Vine Linux 3.1CRの標準日本語入力/変換システムは、VJE-Delta 3.0 です。最低限、表 5.5. 「VJE-Delta 3.0のキーバインド」のキーバインドを覚えておけば大丈夫でしょう。

これら以外の機能やキーバインドの詳しい内容は、VJE-Delta ユーザーズマニュアルをご覧ください。

表 5.5. VJE-Delta 3.0のキーバインド

変換[Space]
中止[Ctrl]+[Y],[Esc]
確定[Enter]
[Ctrl]+[S],[←]
[Ctrl]+[D],[→]
文節伸[Ctrl]+[W],[Shift]+[→]
文節縮[Ctrl]+[Q],[Shift]+[←]
前候補[Ctrl]+[Z],[↑]
次候補[Ctrl]+[C],[↓]
コード変換[F5]

5.4.2.2. Canna (かんな)

Canna (かんな)のキーバインドは表 5.6. 「Canna のキーバインド」のようになっています。

表 5.6. Canna のキーバインド

変換スペース
中止Ctrl+g
確定Enter
Ctrl+f
Ctrl+b
文節伸Ctrl+o
文節縮Ctrl+i
前候補Ctrl+p
次候補Ctrl+n
入力/設定F1

emacs上では関数を呼び出すことによって、単語登録や記号、部首入力などを行うことができます。これらを止めるには Ctrl-gを押します。

表 5.7. emacs上でのCannaの利用

M-x canna-touroku-region範囲(リージョン; region)指定し、単語を登録する
M-x canna-kigou-mode記号入力
M-x canna-bushu-mode部首入力

ここで、単語の先頭の文字の上でShift-スペースキーを押してマークセット(Mark set)し、単語の最後の文字の次にカーソルを移動します。このマークとカーソルの間がリージョン(region)です。



[2] 一部のXアプリケーションは日本語入力に対応していません。