Vine Linux 2.xでのトラブル対策と、ごく若干のTips

Jun Nishii

2001/01/21
このページは Vine-users-ML 等でレポートがあったものや, Vine@vinelinux.org までご連絡をいただいた報告をまとめたもの ですが、間違い等が含まれている可能性もあります。 間違い・修正点等見付けた場合には、Vine@vinelinux.org までレポート をいただければ修正をいたします。御協力よろしくお願い致します。 なお,情報をいただきましたすべての方に感謝いたします.

1. インストール時のトラブル

2. インストール後のトラブル/システム設定

3. 各種サーバのトラブル/設定

4. アプリケーションのトラブル/設定

5. その他


1. インストール時のトラブル

1.1 Q. Trident Cyber を搭載したマシンへのインストール(Vine Linux 2.0).

Trident Cyber を搭載したマシンへのインストール時に文字化けをして行えな い場合は、ブートディスクから起動する際,boot プロンプトが表示された時に,以 下のように入力してください.

boot: vmlinuz initrd=initrd.img nokon text lang=en
インストール時には日本語やGUIの表示はできませんが、英語メッセージ にしたがってインストールをすすめることができます。これでも,メッセー ジをうまく表示できない場合には以下を試してみてください.

ブートディスク内のファイルSYSLINUX.CFG中で "lang=ja"となっている部 分を"lang=en"に書き換えます。(ブートディスク内のファイルは Windows マシンから参照できます。) また、ブートディスクから起動する際には、boot プロンプトが表示され たときに、text と入力してください。

boot: text

注意) いずれの場合ににも、インストール後には、

/etc/sysconfig/i18n
の内容を以下のように修正してください。

Vine Linux 2.1の場合は

LANG="ja_JP.eucJP"
LC_ALL="ja_JP.eucJP"
LANGUAGE="ja"
Vine Linux 2.0の場合は
LANG="ja_JP.ujis"
LC_ALL="ja_JP.ujis"
LANGUAGE="ja"

1.2 Q. VAIO ノートに内蔵CD-ROMからインストールできない (Vine Linux 2.x)

ブートディスク起動時に以下のように入力してください.

boot: text ide2=0x180,0x386

1.3 Q. VAIO Note PCG-N505A/BP へのインストールについて (Vine Linux 2.1)

以下のような手順でインストール作業を行ってください.

インストール後の設定や注意事項について.

1.4 Q. ブートディスク起動時に「=」を入力できません!

「boot: 」の後に文字列を入力する場面では,日本語キーボード(キートップ にひらがなが印刷されているもの)を使用されていても,英語キーボードとし て扱われます. この場合「=」を入力するには「^」(「¥」キーの左隣にある,キートップに ひらがなの「へ」と印刷されているキー)を押してください.

1.5 Q. Promise ULTRA ATA 66 Controller で kernel をブートできない (Vine Linux 2.0)

Promise ULTRA ATA 66 Controller を利用しているとき、以下のような症状で ブートできないことがあります。

  1. boot 時に、kernel panic が出て起動しない。
  2. フロッピーブート後、/sbin/lilo が有効にならない。

このときには、ブートディスク等で起動した後、lilo を VinePlus-2.0 にあ る lilo-0.21-10.i386.rpm にアップデートしてください。 Vine-2.0CR を購入した人は、「DISK 3:VinePlus」に入っています。

# rpm -Uvh lilo-0.21-10.i386.rpm
さらに、/etc/lilo.conf を確認後、/sbin/lilo を実行してください。
# /sbin/lilo

2. インストール後のトラブル/システム設定

2.1 Q. Vine Linux 1.x と 2.x のデュアル・ブート環境でのswap領域の共有。

A. Vine Linux 1.x と Vine Linux 2.x をデュアル・ブートにしている環境 で、swap 領域を共有したい場合は以下の設定を行ってください。 (この設定を行わないと、Vine Linux 1.x からはswap領域の使用ができなくな ります) ルート権限で以下を実行してください。

$ swapoff <swapシステムのあるデバイス名>
$ mkswap -c -v0 <swapシステムのあるデバイス名>
$ swapon <swapシステムのあるデバイス名>

2.2 Q. X Window 上で日本語の表示ができない

A. インストール時の選択パッケージにより、日本語フォントがインストールされ ない場合があります。日本語フォントがインストールされているかどうかは 以下を実行して確認してください。

# LANGUAGE=C rpm -q XFree86-jpfonts
Vine Linux 2.0 では、"XFree86-jpfonts-2.0-8", Vine Linux 2.1 では "XFree86-jpfonts-2.1-9" と表示されれば、日本語フォントは正常に インストールされています。

上記のようにインストールされているパッケージが表示されず、

package XFree86-jpfonts is not installed
と表示される場合には、日本語フォントを追加インストールしてください (2.0 では XFree86-jpfonts-2.1-2.noarch.rpm, 2.1 では XFree86-jpfonts-2.1-9.noarch.rpm) フォントは Vine Linux 2.xの CD-ROM や ftpサイトにあります。 Vine Linux 2.0 の、XFree86-jpfonts-2.0-8 には若干の不具合が あるので、できれば ftp サイトの Vine-2.0/updates/ より XFree86-jpfonts-2.1-2.noarch.rpm を入手してインストールしてください。

インストールするには、該当パッケージのあるディレクトリに移動後、以下を 実行します。

# rpm -ivh XFree86-jpfonts-2.1-9.noarch.rpm

2.3 Q. Vine Linux 1.x から 2.0 にアップグレードしたら、パラレルポート接続のプリンタが使えなくなった!

A. /etc/conf.modules に以下の行を加えてください。

alias parport_lowlevel parport_pc

2.4 Q. IDEハードディスクの転送速度をはやくしたい.

A. IDEハードディスクのアクセスにおいては,デフォルトではDMA転送を行わない 設定になっています(一部のハードディスクで問題がでる場合があるからで す).以下の手順でDMA転送を行えるように設定を行うと,転送速度が数倍にな り,各種アプリケーションの起動等が速くなる場合があります.

  1. rootになる。
  2. hdparm -t /dev/hda とうつ。今の転送速度が表示されます.
  3. hdparm -d1 /dev/hda とうつ。これで DMA転送が有効になります. ただし,一部のIDEコントローラでは不安定になったりフリーズする可能性もあります
  4. もう一回hdparm -t /dev/hda とうつ。速くなっているはず。
  5. このままでは再起動したときに設定が消えてしまうので /etc/rc.d/rc.localhdparm -d1 /dev/hda と書いてお く。ただしこれは,必ずhdparm -d1 /dev/hda で問題なくハードディス クが動作することを確認してから行ってください.

3. 各種サーバのトラブル/設定

3.1 Q. Samba が動作しません

A. /etc/hosts が以下のような書式になっているか見直してください。

127.0.0.1       localhost.localdomain localhost
192.168.0.1     hoge.fuga.org         hoge
ここで、2行目はあなたのマシンのIPアドレスとホスト名です。

3.2 Q. anonymous ftp ができません (Vine Linux 2.1)

A. Vine Linux 2.1 では,proftpd デーモンを起動するだけで anonymous ftp サー バとして使えるよう設定してありますが,外からの anonymous ftp ができな い場合の原因は以下が考えられます。

  1. Vine 2.1 から ftp サーバが ProFTPD に変更され、 これにともなって /etc/inetd.conf の設定が変更になった。
  2. インストールしただけでは FTP サーバは起動しないように設定されている

そこで、以下の順で設定の確認を行ってください。

  1. /etc/inetd.conf を確認 (upgrade した人だけ) Vine 2.1 の ProFTPD は、inetd を経由せずに単独でデーモンとして 駐するように設定してあります。クリーンインストールではなく、 以前の環境をアップグレードした人の場合、/etc/inetd.conf に ftp に 関する以前の設定が残っていることがありますので、エディタ等で 確認して下さい。(Vine 2.1 を新規にインストールした人は不要です) 以下のように、ftp の行の先頭に # が付いて無効化されていたら正常です。
        #ftp    stream  tcp     nowait  root    /usr/sbin/tcpd  in.ftpd -l -a
        #ftp    stream  tcp     nowait  root    /usr/sbin/tcpd  in.proftpd -l -a
    
     無効化されていなかった場合、先頭に # を付けて保存し、以下のコマンドを  実行して下さい。
        /etc/rc.d/init.d/inet restart
    
  2. ProFTPD を起動  ネットワークが起動している状態で、以下のコマンドを実行して下さい。
     /etc/rc.d/init.d/proftpd start
    
  3. マシン起動時に自動的に起動するよう設定

     Vine を起動した際に ProFTPD が自動的に起動するように設定する場合、 以下のコマンドを実行して下さい。

      /sbin/chkconfig --add proftpd
    

    ProFTPD は Vine 2.0 以前の wu-ftpd よりも様々な点で柔軟に設定ができ、 セキュリティ面にも優れている高機能な FTP サーバです。最初は戸惑いがある かも知れませんが、設定は Apache に似ていますので、わかりやすいでしょう。

4. アプリケーションのトラブル/設定

4.1 Q. fetchmail で取得したメールの日本語 Subject の文字化け(Vine Linux 2.x)

A. fetchmailのバージョンアップに伴い、mimedecode 設定が変更されたための症 状です。 fetchmailの設定ファイル /.fetchmailrcに、

no mimedecode
という行を追加してください。

4.2 Q. xemacs/emacs のフォントや背景色を変更したい

A. Vine Linux 2.x では color-mate を用いてフォント・背景色等を設定してい ます。emacs では Shift-<左マウス> でフォントの大きさの変更ができ ますが(変更後は一度ファイルを読み直してください)。細かいフォントや 色設定は color-mate のテーマファイルを修正すれば、いろいろと変更できま す。(color-mateが気に入らない人は、 /.emacs.elで、 .emacs-color.elを読み込んでいる部分を消去してください)

Vine Linux 2.x でのデフォルトの色設定ファイルは  /.emacs-color.el です。このファイル中、以下のような行で テーマ設定をしています。(例ではテーマはSunnyDay)

(setq color-mate:theme-file "SunnyDay")
;(setq color-mate:theme-file "SunnyDay-LCD")
;(setq color-mate:theme-file "GreenTea")
;(setq color-mate:theme-file "Maron")
";"で始まる行はコメント文です。コメントの位置を変えれば、 他のテーマも簡単に試せます。 テーマの内容を修正するには、
/usr/share/emacs/site-lisp/color-mate/SunnyDay.el
などを、適当な名前(MySunnyDay.el等)に変更してパス設定のしてあるディレクトリにおき(指定 方法は /.emacs-color.el参照)、内容を修正します。 そして上記テーマ設定を修正(MySunnyDay等)すればできあがりです。 色指定に関しては一部 /.Xdefaultsを修正する必要がある場合 もあります。

5. その他

5.1 Q. Memory File System (MFS) か ramdisk の作り方を教えてください

A. mke2fs で /dev/ram? にファイルシステムを作り、mount します。 mke2fs は再起動する度に行なわなければいけません。 /etc/rc.d などに起動時に mke2fs をして mount してくれるようにスクリ プトを書けば、毎回手動でする手間が省けます。 また、ramdisk の大きさは ix86 では lilo で ramdisk=SIZE でキロバイト 単位で指定します。デフォルトでは 4 MB です。ppc では bootX で同じよ うに指定すれば動きます。yaboot でも大丈夫でしょう