Linux を個人で使用している人は Linux の管理者でもあります。Vine Linuxを運用するにあたり、必要なコマンド等を簡単に紹介します。以下のコマンドはターミナル上で実行します。コマンドの引数やオプションの詳細はオンラインマニュアル等を参照して下さい。
Linuxでは様々なプロセスが実行されています。psコマンドは自分が起動したプロセスの一覧を表示します。もし、全てのプロセスを表示したい場合は、ps augxwを実行して下さい。目的のプロセスを見付けるには grepコマンドを用いると便利です。
$ ps augxw | grep kterm root 29976 0.0 0.7 3204 1832 ? S 09:54 0:00 kterm root 29977 0.0 0.6 3108 1736 ? S 09:54 0:00 kterm |
実行中のプロセスの状態を逐次見たい場合はtopコマンドを用います。
CPUやデバイスなどシステムの状態はディレクトリ /procに書かれます。catコマンドなどを使って次のファイルを見て下さい。
[注] 「/proc」は仮想ファイルシステムと呼ばれ、ハードディスクなどの物理的なリソースは消費しません。
$ cat /proc/cpuinfo CPUの情報 $ cat /proc/meminfo メモリの情報 $ cat /proc/swaps スワップ領域の情報 $ cat /proc/ioports I/Oポートの情報 $ cat /proc/interrupts 割込み(IRQ)の情報 $ cat /proc/modules カーネルモジュールの情報 $ cat /proc/sound サウンドの情報 |
システムの一般的な設定ファイルはディレクトリ/etcに置かれます。システムのバックアップやアップグレードを行う場合には、/etcを保存しておくことをお勧めします。/etcに置かれているファイルはシステム管理用のアプリケーションによって書き込まれたりします。修正を加えるには書き方をマニュアル等でよく調べてから行ってください。
conf.module hosts passwd resolv.conf |
システムのハードウェアに関する設定はディレクトリ/etc/sysconfig/にも書かれています。これらのファイルはシステム管理用のアプリケーションによって書き込まれますので、書き換えないようにしてください。何が書かれているかを知っておくことはよいことなので、一度見てみましょう。標準では作成されないファイルもあります。
ファイル名 書かれている内容 dmtype ディスプレイマネージャの種類 hwconf 接続されているハードウェア (kudzuによって生成される) i18n 言語の指定 (LANGに"ja_JP.eucJP"が設定されている) ime 日本語入力の方法 (かな漢字サーバ名、Canna/Wnnの指定) ipchains IPマスカレードの設定 iptables パケットフィルタリングの設定 keyboard キーボードの種類 mouse マウスの種類 network ホスト名、ゲートウェイの指定 network-scripts/ ネットワークカードの設定 static-routes ネットワークの静的なルート指定 soundcard サウンドカードの設定 pcmcia PCMCIAカードの設定 |
ディレクトリやファイルを管理するシステム全体をファイルシステムと言います。ディスクの使用状況を見るには、dfコマンドを使います。
$ df ファイルシステム 1k-ブロック 使用中 空き 使用% マウント場所 /dev/hda1 1492311 955030 460171 67% / /dev/hda5 1981000 1246384 632204 66% /export /dev/hda6 995115 163100 780609 17% /home |
CD-ROM をマウントするには mount コマンドを使います。
# mount /mnt/cdrom |
オートマウント autofsが起動されている場合には、/misc/cdにアクセスするだけで自動的にマウントされます。
マウントを解除するにはumountコマンドを使います。CD-ROMをマウントした場合は、umountするまではCD-ROMを取り出すことはできません。
# umount /mnt/cdrom |
ファイルシステムが壊れた場合は、fsckコマンドである程度修復することができます。マウントしているファイルシステムに対しては行わないで下さい。
# fsck /dev/hda7 |
ネットワークに接続されている場合、しばしば不通になることがあります。そのときにはネットワークの状態を調べる必要があります。ifconfigコマンドはIPアドレスやネットマスクの表示や設定を行えます。
# /sbin/ifconfig -a eth0 リンク方法:イーサーネット ハードウェアアドレス 00:02:2D:49:64:4A inetアドレス:192.168.0.1 ブロードキャスト:192.168.0.255 マスク:255.255.255.0 UP BROADCAST RUNNING MTU:1500 Metric:1 RX packets:711620 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 TX packets:317441 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 衝突(Collisions):0 TXキュー長:100 RX bytes:376843112 (359.3 Mb) TX bytes:116872928 (111.4 Mb) 割り込み:3 ベースアドレス:0x100 lo リンク方法:ローカルループバック inetアドレス:127.0.0.1マスク:255.0.0.0 UP LOOPBACK RUNNING MTU:3924 Metric:1 RX packets:336146 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0 TX packets:336146 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 衝突(Collisions):0 TXキュー長:0 RX bytes:128810518 (122.8 Mb) TX bytes:128810518 (122.8 Mb) |
eht0がetherのデバイスを示します。また、「inetアドレス」がIPアドレスを示します。
設定に問題が無い場合は通信経路を調べる必要があります。netstatコマンドではルーティング(経路)を知ることができます。
$ netstat -nr カーネルIP経路テーブル 送信先サイト ゲートウェイ ネットマスク フラグ MSS Window irtt インターフェース 192.168.0.0 * 255.255.255.0 U 0 0 0 eth0 127.0.0.0 * 255.0.0.0 U 0 0 0 lo default 192.168.0.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 eth0 |
pingコマンドは相手のホストまで、きちんと通信が行えるか調べることができます。応答時間が帰ってくれば繋がっています。止めるには Ctrl-cを押します。
$ ping vinelinux.org PING vinelinux.org (210.81.181.125) 送信元 192.168.0.1 : 56(84) bytes of data. 64 バイト応答 送信元 rh.vinelinux.org (210.81.181.125): icmp_seq=0 ttl=245 時間=13.343ミリ秒 64 バイト応答 送信元 rh.vinelinux.org (210.81.181.125): icmp_seq=1 ttl=245 時間=15.611ミリ秒 --- vinelinux.org ping 統計 --- 送信パケット数 2, 受信パケット数 2, パケット損失 0% Round-Trip 最小/平均/最大/mdev = 13.343/14.477/15.611/1.134ミリ秒 |
tracerouteコマンドを用いると途中の経路まで分かります。
# traceroute vinelinux.org traceroute to vinelinux.org (210.81.181.125), 30 hops max, 38 byte packets 1 .... : 12 rh.vinelinux.org (210.81.181.125) 15.281 ms 49.446 ms 20.517 ms |
pingやtracerouteを実行したときに、時間がかかる場合は、ネームサーバの設定がおかしい可能性があります。/etc/resolv.confの nameserver にネームサーバのIPアドレスが設定されているか確認してください。