Macintosh の標準マウスは,ADB / USB 用共に1ボタンマウスです.
ところが Linux で使用されている X ウィンドウシステム用の
ウィンドウマネージャやアプリケーションでは3ボタンマウスを
前提としたものがかなりの数にのぼります.
そのため,Macintosh の標準マウスでは,
非常に不便な思いをしつつ X を使用する羽目になります.
ADB 接続用の多ボタンマウスは今ではほとんど流通していませんが, USB 接続用のものは Mac で使用可能なものが何種類か販売されており, それらを購入することも解決策になります.
多ボタンマウスが用意できなかった場合,
キーボードの特定のキーを押してマウスの中ボタン右ボタンを
エミュレートすることが可能です.
マウスボタンのキーボードによるエミュレーションを設定するには
/proc/sys/dev/mac_hid/
以下のファイルに値を書き込むことによって行います.
この設定は全 X 上のみならずコンソールマウス (gpm) においても有効です.
この新しい設定方法を有効にするには
# echo "1" > /proc/sys/dev/mac_hid/mouse_button_emulation
と行います.これでキーボードによるマウスボタンの エミュレーションが有効になります. どのキーでエミュレーションを行うかを設定するには
# echo "99" > /proc/sys/dev/mac_hid/mouse_button2_keycode # echo "70" > /proc/sys/dev/mac_hid/mouse_button3_keycode
と値を書き込むことにより行います.
この例では F13 (SysRq) と F14 (Scroll Lock) を設定していますが,
この値は /usr/src/linux/include/linux/input.h で
定義されている値であることに注意して下さい.
Vine/ppc では /etc/sysctl.conf を介して システム起動時に値を設定していますので, この設定ファイル内のエントリを変更しておくとよいでしょう. Vine/ppc デフォルトでは以下の様に設定されています.
# Controls mouse-key emulation feature # (most pmacs have one-button mouse by default) dev.mac_hid.mouse_button_emulation = 1 # Set the middle/right button emulation keycode # Below we set F11 and F12 for middle and right mouse buttons respectively # (note that you have to use values as seen in <linux/input.h>) dev.mac_hid.mouse_button2_keycode = 87 dev.mac_hid.mouse_button3_keycode = 88