9.2. Synapticによるパッケージ管理の流れ

Synapticによるパッケージ管理の基本的な流れは、以下のようになります。

  1. パッケージリストの更新

  2. パッケージに加える変更を指定

  3. 指定された変更を適用

それでは、個々の手順に付いて説明していきます。

9.2.1. パッケージリストの更新

APTで管理されるパッケージが格納されているリモートホスト上のディレクトリをリポジトリと呼びます。 リポジトリ内のパッケージは、セキュリティやバグなどによる修正によって常に更新されています。

まずは、パッケージの最新バージョンが利用できるようにパッケージリストを更新しましょう。 その方法には、二通りあります。

注意まだリポジトリの設定が済んでいない場合
 

Vine Linuxインストール直後のAPTパッケージ管理システムは、 通常、更新/障害/セキュリティに発表されたパッケージを納める update リポジトリのみを参照しています。開発環境用パッケージを集めたdevel等、 他のリポジトリのパッケージを利用したい場合については、 パッケージリストの更新前にリポジトリの設定が必要です。 詳しくは、項9.6を参照してください。

9.2.2. パッケージに加える変更を指定

次に変更を加えたいパッケージを探して、パッケージに加える変更を指定します。 パッケージを見つけ出す具体的な手段については、 項9.4を参照してください。

目的のパッケージを見つけたら、マウスでクリックして選択します。パッケージの選択後、 メニューのパッケージに含まれる項目か、 パッケージを右クリックして表示されるポップアップメニューの項目から、 目的の変更を選びます。目的のパッケージの状態によって、 以下のいずれかの変更が可能です。

これらの変更を指定した際にパッケージの依存関係によって、 他のパッケージにも変更を加えるかを尋ねられることがあります。 影響を受けるパッケージの一覧が表示されますので確認の上、 変更を加えてもよい場合は、マークをクリックしてください。 影響を受ける全てのパッケージにも変更が指定されます。 ここでキャンセルをクリックした場合、 選択したパッケージへの変更も解除されます。

警告

パッケージに加える変更によっては、システムが利用不能になる場合もあります。 慎重に変更を指定してください。

変更を指定した状態を解除する場合は、 マークを外すを実行して下さい。 また、プロパティを実行するとパッケージの詳細が、 ダイアログとして表示されます。

なお、複数のパッケージに同時に変更を加える場合については、 上記の手順を繰り返してください。

9.2.3. 指定された変更を適用

それでは、実際に指定した変更を実行に移します。以下の方法のいずれかを実行してください。

すると変更の適用を確認するダイアログが表示されます。ダイアログにも書かれていますが、 変更されるパッケージのリストを確認できる最後のチャンスです。よく確認されることをお奨めします。

図 9-1. 変更の適用を確認するダイアログ

確認が済んで変更を中止したい場合には、キャンセルをクリックします。 特に問題がなければ、適用をクリックしてください。なお、この際、 『パッケージファイルのダウンロードのみ行なう』にチェックを入れると文字どおり、 パッケージのダウンロードのみが行なわれ、インストールなどは行なわれません。

この後、パッケージのダウンロード状況が表示されます。一つでもダウンロードに失敗した場合、 失敗を無視するかを確認されますが、安全のため適用を中止することをお奨めします。 再度、やり直してください。ダウンロードが正常に終了した場合、 インストールなどの進行状況を表すダイアログが表示されます。しばらく、 時間がかかる場合もありますので外の空気でも吸いましょう。

なお、インストールなどが完了した後に警告などが表示される場合もあります。 重要な情報が含まれている事が多いのでよく確認してください。 全ての作業が終わるとパッケージリストが、最新状態に更新されます。

注意変更を適用する前に
 

複数のパッケージに対して変更を指定した場合、 変更を適用する前に『マークされた変更』というフィルタを利用して、 変更の指定状況を確認すると良いでしょう。

詳細については、項9.4.1を参照してください。