Vine Linux の各リリースバージョンが公開されてから発見された不具合はアップデートパッケージとして配布されています。これらはセキュリティ上の問題もありますので、必ずアップデートしてください。また、インストールCDに含まれないパッケージは Devel,Plus,Extras と分類し提供されています。必要なパッケージは同様にインストールすることができます。ここでは、もっとも一般的で簡単な apt によるアップデートの手順を示します。aptの詳細については、項8.2を参照してください。
まず apt 情報データベースを更新します。
# apt-get update 取得:1 http://updates.vinelinux.org 3.0/i386 release [2526B] 2526B を 0s 秒で取得しました (3768B/s) ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/main pkglist ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/main release ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/devel pkglist ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/devel release 取得:1 http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/plus pkglist [367kB] ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/plus release 取得:2 http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/extras pkglist [81.2kB] ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/extras release ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/updates pkglist ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/updates release ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/main srclist ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/devel srclist 取得:3 http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/plus srclist [172kB] 取得:4 http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/extras srclist [36.4kB] ヒット http://updates.vinelinux.org 3.0/i386/updates srclist 657kB を 5s 秒で取得しました (117kB/s) パッケージリストを読みこんでいます... 完了 依存情報ツリーを作成しています... 完了 |
アップデートを行います。通常は現在インストールされているパッケージすべてがアップグレードされます。kernel だけは明示的に指定する必要があります。
# apt-get upgrade パッケージリストを読みこんでいます... 完了 依存情報ツリーを作成しています... 完了 以下のパッケージがアップグレードされます: apache apache-devel apache-manual mod_ssl 4 個のアップグレードパッケージ, 0 個の新規パッケージ, 0 個の削除/リプレースパッケージ, 0 個の保留パッケージがあります。 取得パッケージ: 30MB のアーカイブを取得します。インストール後は 0.5MB が使用されます。 続行しますか? [Y/n] |
アップグレードされるパッケージが提示され [Y/n] と聞いて来ますので、単純にリターンキーをおすか Y を押すことでアップグレードが行われます。
![]() | パッケージの分類について |
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Devel,Extrasについては、3.0で新しく追加された分類です。また、3.0ではMainにもインストールCDに含まれないパッケージが存在します。 |
インストーラで設定した内容を変更したい場合やうまく設定ができずスキップした項目はインストール後でも設定ができます。 これらの設定はシステム管理になりますのでroot権限が必要です。root権限を得るには、ユーザ名rootでログインするか、 suコマンドを使います。suコマンドの詳細については、 suのマニュアルページを参照してください。
コンソール画面で設定を行う場合は、フレームバッファを有効にしてください。 ウィンドウ画面の場合は、GNOME 端末(gnome-terminal)などのターミナルエミュレータを使用してください。
![]() | コンソール画面での設定について | ||
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フレームバッファを使用するのは、日本語が表示できるようにするためです。通常のコンソールでは、文字化けします。 フレームバッファが利用できない場合など英語で設定を行いたい場合には、コマンドの前にengを付けて実行してください。 engとコマンドの間には、空白が必要です。 例えば、項12.1.2.1のセットアップメニューを英語で表示するには次の様にします。
engは、'LANG=C LANGUAGE=C LC_ALL=C'と言う様に環境変数を設定するalias(別名)となっており、 Vine Linuxのデフォルトでは、~/.bashrcで次の様に設定されています。
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システムの設定を行う便利なコマンドが用意されています。コマンドラインで setupと入力すると、次のメニューが現れます。
# /usr/sbin/setup ユーザ認証設定 キーボード設定 マウス設定 システムサービス設定 サウンドカード設定 タイムゾーン設定 X Window System 設定 |
カーソルで設定したい項目に合わせます。そして、Enterを押すと、その項目の 設定画面になります。終了する場合はTabキー押して「終了」に合わせて、 Enterを押してください。
カーソルの移動方法は、画面の下側にも表示されていますが、Tabキーを押すこ とによって、移動することができます。選択した項目は Enterを押すと実行され ます。
設定がうまくできない場合は、FAQも参照してください。また、Vine LinuxのWebページも見るとよいでしょう。
setupのメニューから「ユーザ認証設定」を選択するか、コマンドラインで次の ように入力すると、ユーザ認証の設定の設定が行えます。
# /usr/sbin/authconfig |
まず、パスワードファイルを用いる方法とNISを用いる方法を選択します。個人 で使用する場合やNISを用いない場合は、「Password File」をチェックします。 「NIS」はネットワーク環境でNISを利用する場合にチェックします。このときは、 NISドメインとNISサーバ名を指定してください。個人で使う場合は特にNISの設 定の必要はありません。
次に、シャドウパスワードとMD5パスワードを使用するかどうかを選択します。 シャドウパスワードとはパスワードを管理しているファイル /etc/passwdの他に /etc/shadowファイルを作成して、パスワードを他のユーザから見れないように するための機能です。なるべくシャドウパスワードを設定した方が良いでしょう。 また、MD5パスワードを設定するとパスワードに256文字までを使用することがで きます。パスワードを長くすることにより、パスワードが解読されにくくなりま すので、設定することをお勧めします。とりあえず、両方とも設定しておく方が 良いでしょう。
setupのメニューから「キーボード設定」を選択するか、コマンドラインで次の ように入力するとキーボードの種類を設定することができます。
# /usr/sbin/kbdconfig |
インストーラでもキーボードの設定を行いましたが、間違えて設定したり、買い 替えたりした場合は、もう一度設定し直すことになります。LiunxではCtrlキー を多用するため、キーボードの種類によってはCtrlキーが使いにくい場合があり ます。そのような場合には、左側のCtrlキーとCaps Lockキーを交換すると便利 です。Vine LinuxではCtrlキーとCaps Lockキーを交換したキーマップ(キーボー ドの配置)を標準で用意しています。
メニューが現れますので、カーソルキーを使ってキーマップを選択します。カタ カナがプリントされている日本語キーボードの場合、jp106かjp106_Ctrl_CAPSを 選択します。英字のみのキーボードの場合、usかus_Ctrl_CAPSを選択します。 Ctrl_CAPSがついている方は、CtrlキーとCaps Lockキーの入れ換えがされている キーマップです。選択して、「了解」を押すと新しいキーマップが設定されます。
setupのメニューから「マウス設定」を選択するか、コマンドラインで次のよう に入力するとマウスの種類を設定できます。
# /usr/sbin/mouseconfig |
マウスには、コネクタの形状によってPS/2マウス、シリアルマウス、USBマウス などがあります。最近はPS/2マウスかUSBマウスが多く使われています。また、 ボタンが2つのものや3つのもの、ホイールが付いているものなどあります。従っ て、マウスの種類に応じて設定しなければなりません。
メニューの中で、「(PS/2)」と付いているのがPS/2マウス用で、「(シリアル)」 と付いているのがシリアルマウス用です。通常、2ボタンの場合は「一般のマウ ス」、3ボタンの場合は「一般の3ボタンマウス」を選択します。ホイールマウス は2ボタンとして扱います。また、2ボタンマウスの場合、「3ボタンをエミュレー トしますか? 」にチェック[*]を入れてください。これをチェックすると、左右 のマウスを同時に押すと3番目のボタンの代わりになります。ホイールマウスの 場合はホイール部分を押すと2ボタンとして働きます。3ボタンマウスの場合はチェッ クしないでください。
setupのメニューから「システムサービス設定」を選択するか、コマンドライン で次のように入力すると様々なサービスを有効にするか無効にするかを設定する ことができます。
# /usr/sbin/ntsysv |
UNIXではさまざまなサービスが提供されています。例えば、かな漢字変換を行う CannaサーバやWnnサーバ、プリンタデーモン、カーネルデーモンなどがあります。 サービスの設定には各サービスについての知識が必要です。Vine Linuxでは、個 人で使用する場合は標準で設定がされていますので、特に変更する必要はありま せん。ネットワークで利用する場合は、NIS(YP)サーバや、DNSサーバなどを設定 する必要があります。
起動するサービスにチェックを付けてください。F1キーを押すと英語ですが、説 明を読むことができます。
「システムサービス設定」ではランレベルに応じたサービスを設定することがで きません。細かなサービスの設定には chkconfig コマンドを用います。サービ スの状態はオプション --list で知ることができます。この一覧はインストール されているパッケージにより異なります。
# /sbin/chkconfig --list canna 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off FreeWnn 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off keytable 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off crond 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off syslog 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off netfs 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off network 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off random 0:off 1:on 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off xfs 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off reconfig 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off httpd 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off apmd 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off arpwatch 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off atd 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off autofs 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off named 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off bootparamd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off dhcpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off gated 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off gpm 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off inet 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off innd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off ipchains 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off pcmcia 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off ldirectord 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off kudzu 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off lpd 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off mars-nwe 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off mcserv 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off nfs 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off nfslock 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off nscd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off sshd 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off identd 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off portmap 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off postfix 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off postgresql 0:off 1:off 2:off 3:on 4:on 5:on 6:off proftpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off routed 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off rstatd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off rusersd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off rwhod 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off smb 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off squid 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off snmpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off usbmgr 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off xntpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off ypbind 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off yppasswdd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off ypserv 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off |
0〜6の数字はランレベル(Run Level)を示します。ランレベルについては次の 「ランレベルとは」を参照してください。onはそのランレベルでサービスが提供 されることを示し、offは提供されないことを示します。例えば、かな漢字サー バ cannaはランレベル 2,3,4,5で起動され、0,1,6では停止されます。
onになっているサービスをoffにするには、chkconfigでサービス名の後にoffを 付けて実行します。
# /sbin/chkconfig canna off # /sbin/chkconfig --list canna canna 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off |
逆に、offになっているサービスをonにするには、サービス名の後にonを付けて 実行します。
# /sbin/chkconfig canna on # /sbin/chkconfig --list canna canna 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off |
標準でonになるランレベルは各サービスによって決まっています。もし、 標準の設定を変更したい場合にはオプション --levelを付けて指定します。例え ば、ランレベル2,4でcannaをoffにするには次のようにします。
# /sbin/chkconfig --level 24 canna off # /sbin/chkconfig --list canna canna 0:off 1:off 2:off 3:on 4:off 5:on 6:off |
ここで、chkconfigコマンドでoffになっているサービスをonにしただけでは、す ぐにはそのサービスが利用できないことに注意して下さい。chkconfigコマンド で設定したサービスはランレベルを変更したり、再起動した場合に起動されます。 すぐにサービスを利用したい場合は次のように入力する必要があります。この例 ではcannaサーバを起動します。
# /sbin/service canna start |
サービスを停止する場合は stopとします。
# /sbin/service canna stop |
また、サービスを再起動する場合は restartとします。
![]() | 各サービスを制御するスクリプトについて | |
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各サービスの起動や停止などを担うスクリプトは、 実際には/etc/init.d以下にインストールされています。 serviceは、これらを実行するラッパーに過ぎません。 serviceを使わずにこれらのスクリプトを直接実行することも可能です。 例えば、Cannaサーバを停止するには、次の様にします。
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UNIXの特徴にランレベル(Run Level)という考えがあります。ランレベルとはシ ステムの状態のことです。Linuxでは以下のランレベル0から6までが定義されて おり、ランレベルを変更することによってシステムの状態を変えることができま す。
ランレベル 0 : システムの停止
ランレベル 1 : シングルユーザモード
ランレベル 2 : マルチユーザモード (NFSマウントなし)
ランレベル 3 : マルチユーザモード (通常 : コンソール画面)
ランレベル 4 : 未使用
ランレベル 5 : マルチユーザモード (通常 : ウィンドウ画面)
ランレベル 6 : システムの再起動
システムの停止や再起動はそれぞれランレベル0と6になっています。ランレベル 1のシングルユーザモードはrootユーザのみがログインできるモードです。主に システム管理を行う場合に利用します。ランレベル 2,3,5はマルチユーザモード で、一般ユーザも利用できるモードです。ランレベル 2のときはネットワークは 利用できません。ランレベル 3のときは、コンソールからのログインになります。 X Window Systemを利用するには自分でXを起動する必要があります。ランレベル 5のときは、X Window Systemが起動され、ログインするとウィンドウ画面がすぐ に使えます。
このランレベルは telinitコマンドを用いて変更します。ランレベル 5に変更するにはコマンドラインで次のように入力します。
# /sbin/telinit 5 |
サウンドカードをお持ちの場合は、サウンドカードの設定を行います。多くの PCIカードの場合、自動認識されますので、setupコマンドで「サウンドカード設 定」を選択するか、コマンドラインで次のように入力してください。
# /sbin/sndconfig |
自動認識させる場合は「了解」で先に進みます。成功すると自動認識されたカー ドの種類が表示されますので「了解」で進みます。サウンドカードのテストで、 人の声が聞こえたら成功です。次にシンセの設定が同様に行われますので「了解」 で進んでください。全て成功したら「了解」を押して終了してください。エラー が出たり、「取消」を押すとやり直しになります。
一部のPCIカードのサウンドカードやISAカードなどの場合には、自動認識しなかっ たりフリーズしてしまったりすることがあります。このような場合には、I/Oポー ト、IRQ、DMA、MPU I/Oの値を自分で設定する必要があります。Windowsでサウン ド機能が使える場合は、Windows上でのこれらの値を調べて、その値を使ってみ てください。
これらの値を調べたらsetupコマンドからは実行せずに、コマンドラインから以 下のように入力します。
# /sbin/sndconfig --noprobe |
「了解」を選択すると設定を開始します。環境変数DISPLAYが設定されていると、 そのように警告されますが構わず「了解」で進みます。カードの種類ではご使用 のサウンドカードを選択してください。次に、カードの設定画面に移るので、先 程調べた値をいくつか試してください。
もし、音が鳴らないなどサウンドカードの設定がうまくできない場合は、 /etc/modules.confのサウンドの設定の部分を削除してください。または、 modules.conf.bakを modules.confにします。
# mv /etc/modules.conf.bak /etc/modules.conf |
設定がうまくいっていないのにシステムを再起動すると、途中で起動できなくな る場合があります。
サウンドドライバはAdvanced Linux Sound Architecture - ALSAからも入手することができますので、参考にしてください。
タイムゾーンはインストール時に「Asia/Tokyo」と設定していれば、変更は不要 です。もし何か誤りがある場合には、setupコマンドで「タイムゾーン設定」 を選択するか、コマンドラインで次のように入力してください。
# /usr/sbin/timeconfig |
「Asia/Tokyo」を選択して下さい。「ハードウェアクロックを世界標準時とみな します」は特にチェックする必要はありません。
インストール時にX Window Systemの設定はできましたでしょうか? インストールのときよりも高解像度の画面を設定することができる場合がありますので、ここで再び設定してみると良いでしょう。設定を行う前に、うまくいかなかったときのために、現在の設定を保存しておきます。
# cd /etc/X11/ # cp -p xorg.conf xorg.conf.org # cd |
setupコマンドで「X Window System設定」を選択するか、コマンドラインで次の ように入力してください。
# Xconfigurator |
「了解」を押すと、PCI機器の検出が行われ、自動検出されたエントリが表示さ れます。ここでは「了解」で先に進みます。次にモニタのセットアップになりま す。アルファベット1文字を入力すると、その文字ではじまるメーカの欄にジャ ンプします。該当のモニタが無くても似ているものを選べば、うまく表示できる ことが多いようです。それでも、うまくいかないときは、一番上の「カスタム」 を選択し、解像度と周波数の合っているものを選択してください。垂直周波数は モニタのマニュアルを参照してください。
次に、画面設定でビデオモードと色深度の自動検出をするかを選択します。「検 出」を選択すると、画面が数回点滅して自動検出が行われます。これに失敗した り、「検出しない」を選択した場合は、ビデオカードのメモリサイズ、クロック チップの設定、ビデオモードの選択を手動で行います。クロックチップの設定は 「クロックチップの設定をしない(推奨)」が良いでしょう。
この後、Xの起動テストを行います。「了解」を押すとXが起動されます。設定が うまくいくと「このメッセージが見えますか?」と表示されますので、「はい」 をマウスで選択します。また、ブート時にXを起動するか聞かれますので、起動 する場合は「はい」を、起動しない場合は「いいえ」をマウスでクリックします。 画面表示が十分ならば「はい」を選択すると、次にシステムを起動したときに gdmが起動されグラフィカルなログイン画面が現れます。うまく表示されない場 合は、10秒後に失敗しましたと表示され、再び選択画面に戻りますので、値を変 えてやってみてください。
イーサを使用したLANの設定は netconfig コマンドで行うことができます。電話回線を使用して、ダイアルアップでプロバイダ等に接続する場合は、オンラインマニュアルの「ダイアルアップ接続(PPxP)の設定」を参照してください。
# /usr/sbin/netconfig |
まず、IPの取得方法について確認してください。プロバイダ等から動的にIPアド レスが割り振られる(DHCPなど)場合は、「Use dynamic IP configuration (BOOTP/DHCP)」をチェックするだけで設定は終りです。この場合は、以下の項目 は空白のままにしておいてください。ここで、「動的」と言うのは、決まった IPアドレスをもらうのではなく、接続したときに決められる場合を言います。
固定のIPアドレスが割り振られている場合は、そのIPアドレスとネットマスク、 デフォルトデートウェイ、ネームサーバを指定します。以下では、IPアドレスが 192.168.100.32、ネットマスクが 255.255.255.0、デフォルトデートウェイが 192.168.100.1、ネームサーバが192.168.50.123の場合を示しています。
IP address: 192.168.100.32 Netmask: 255.255.255.0 Default gateway (IP): 192.168.100.1 Primary nameserver: 192.168.50.123 |
設定が完了したら、ネットワークの設定を有効にします。
# /sbin/service network {start|restart} |
OKが出れば成功です。ifconfigコマンドやnetstatコマンドで確認してみましょ う。以下の実行例は固定IPの場合です。
# /sbin/ifconfig [-a] eth0 リンク方法:イーサーネット ハードウェアアドレス 00:11:22:33:44:XX inetアドレス:192.168.100.32 ブロードキャスト:192.168.100.255 マスク:255.255.255.0 UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RXパケット:24313 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0 TXパケット:20639 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0 衝突(Collisions):1901 TXキュー長:100 割り込み:18 ベースアドレス:0xb000 # netstat -nr カーネルIP経路テーブル 受信先サイト ゲートウェイ ネットマスク フラグ MSS Window irtt インターフェース 192.168.100.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 eth0 127.0.0.0 0.0.0.0 255.0.0.0 U 0 0 0 lo 0.0.0.0 192.168.100.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 eth0 |
Vine2.5から、usbmgr に代わり murasaki によって USB の管理を行うようになりました。murasaki は、kernel 2.4 からサポートされたHotPlug機能を利用し、 HotPlug対応モジュールを自動ロード、アンロードします。
USB機器が認識され /etc/murasaki/murasaki.usbmap に必要なモジュールが見付かった場合、そのモジュールがロードされ USB機器を利用できるようになります。
インストール当初の設定では、対応モジュールが用意されていても利用できない機器が存在します。そういった機器を利用する場合、/etc/murasaki/murasaki.usbmap 等を編集します。場合によっては、モジュールの依存関係を解決するために /etc/murasaki/murasaki.depend などを修正する必要があるかもしれません。
murasaki は、モジュール定義のないデバイスを認識した場合、『モジュール名を書き換えて murasaki.usbmap 等の MAP ファイルに追加するように』とのメッセージを出力します。/var/log/messages の内容を頼りにモジュール名以外の12個の変数を調べ、対応するモジュール名を特定した上、適切な MAP ファイルにモジュール定義を追加してください。
例 12-1. モジュール定義が見付からなかった場合の出力例
Aug 6 19:30:23 localhost murasaki.usb[751]: device is added Aug 6 19:30:23 localhost murasaki.usb[751]: vendor:0x46d product:0x870 Dclass:0xff Dsubclass:0xff Dprotocol:0xff Iclass:0x0 Isubclass:0x0 Iprotocol:0x0 Aug 6 19:30:23 localhost murasaki.usb[751]: The device match nothing in mapfile Aug 6 19:30:23 localhost murasaki.usb[751]: Please change MODULE in following line to appropriate module name, add it to /etc/murasaki/murasaki.usbmap Aug 6 19:30:23 localhost murasaki.usb[751]: MODULE 0x0073 0x46d 0x870 0 0 0xff 0xff 0xff 0x0 0x0 0x0 0x00000000 (1) |
/etc/murasaki/murasaki.usbmap の各変数の意味に付いては、付録D を参照してください。
なお、murasaki は、USBデバイスのほか、Cardbus や IEEE1394 用のモジュール読み込みにも利用されています。murasakiの各設定ファイルの詳細については、/usr/share/doc/murasaki-*/README.eucJP を御覧下さい。
基本的に/etc/X11/xorg.confで設定されているので、必要な設定はありません。もしうまくいかない場合は、/etc/X11/xorg.confに以下のエントリーがあるか確認してください。インストーラ(anaconda)や Xconfigurator で X ウィンドウの設定を行っていれば存在するはずです。
Section "ServerLayout" Identifier "Anaconda Configured" Screen 0 "Screen0" 0 0 InputDevice "Mouse0" "CorePointer" InputDevice "Mouse9" "SendCoreEvents" InputDevice "Keyboard0" "CoreKeyboard" EndSection (中略) Section "InputDevice" Identifier "Mouse9" Driver "mouse" Option "Protocol" "IMPS/2" Option "Device" "/dev/input/mice" Option "ZAxisMapping" "4 5" Option "AlwaysCore" EndSection |
通常のFDDのデバイスは /dev/fd0ですが、USB FDDの場合には /dev/sdaなどになります(接続されている他の機器によって/dev/sdbなどに変わることがあります)。従って、mtoolsを用いる場合は、/etc/mtools.confを以下のように変更します。
#drive a: file="/dev/fd0" exclusive 1.44m mformat_only drive a: file="/dev/sda" exclusive 1.44m mformat_only |
この設定がうまくいっているか確認するには、mdirコマンド等でFDDにアクセスしてみると良いでしょう。うまくいかない場合はデバイス名を/dev/sdbなどに変えてみてください。(mdirコマンド等、mtoolsについては、オンラインマニュアル「ユーティリティ」の「Chapter 6. MS-DOSファイル操作 (mtools)」を参照してください。)
また、ext2やreiserfsフォーマットのFDDをマウントして使用する場合は、 /etc/fstabの/mnt/floppyのエントリを以下のように変更します。
#/dev/fd0 /mnt/floppy auto noauto,owner 0 0 /dev/sda /mnt/floppy auto noauto,user 0 0 |
設定後にmount ができるか確認しておきます。
# mount /mnt/floppy |
mount コマンドについては、mountのオンラインマニュアルを参照してください。
$ jman mount |
USBの機器を使用する場合はデバイス名が変わっている場合が多いので、設定ファ イルの修正が必要になります。USBの機器によって、使用する設定ファイルとデ バイス名が異なります。
デバイス名の中には/devディレクトリにあるusbではじまるファイル名 (/dev/usb*)のものもありますので、参考にしてください。
カードを挿したらマウスやモデムが動かなくなった、音が出なくなったなどの場 合には、IRQ が重複している可能性があります。PCMCIA のデフォルト設定では、 IRQ 3,5,12 など、他のデバイスで使用されるかもしれない IRQ も使ってしまう 設定になっていますので、これらの IRQ を使わせたくない場合は /etc/pcmcia/config.opts を編集しましょう。
PCMCIA のモジュールオプション設定ファイルは/etc/sysconfig/pcmciaです。 PCIC_OPTS や CORE_OPTS が必要な場合はこのファイルに書き込みましょう。 例えば、次の様に書きます。
PCMCIA=yes PCIC=i82365 PCIC_OPTS= CORE_OPTS= |