Vine Linux では様々なユーザの好みに応えるため、いくつかのメールクライアント(メーラ、MUA)を提供しています。UNIX で標準的に用意されている mail コマンドをはじめ、グラフィカルで使いやすい Sylpheed、ウェブブラウザと統合されている Mozilla Mail などがあります。ここでは、その中でも定評のある Mew と Sylpheed について簡単に紹介します。Mew は emacs/xemacs 上で使用できるメーラです。Sylpheed は GUI で簡単に操作できるメーラです。
ここでは、基本的な設定方法を操作を紹介します。いずれのメーラもここに書き切れない程の機能を備えていますので、マニュアルや WWW ページ等も参照して下さい。
設定を行う前に、次の事を確認して下さい。
インターネットに接続できる → PPP の設定や LAN の設定
メール受信サーバ名(POP サーバ名) → プロバイダ等
メール送信サーバ名(SMTP サーバ名) → プロバイダ等
あなたのメールアドレス → プロバイダ等
メール用のパスワード → プロバイダ等
Mew は emacs や xemacs 上で動作する人気の高いメーラです。Mew の詳細や FAQ は http://www.mew.org/ を参照して下さい。
Mew の設定ファイルは ~/.mew.elです。~/.mew.el をエディタで開くと設定の雛型とともにコメントが書かれていますので必要な設定を上書きしてください。
たとえば、POPサーバ(受信用)とSMTPサーバ(送信用)の設定を変更する場合は、以下の様に修正してください。
;; ;; メールサーバの設定 ;; ;; POP サーバの設定 (setq mew-name "Taro Yamada") ;; (user-full-name) (1) (setq mew-user "taro") ;; (user-login-name) (2) (setq mew-mail-domain "taro.jp") (3) (setq mew-pop-user "taro") ;; (user-login-name) (4) (setq mew-pop-server "pop.taro.jp") ;; if not localhost (5) ;; (setq mew-pop-ssh-server "your POP server") ;; if not localhost ;; (setq mew-icon-directory "icon directory") ;; if using XEmacs/Emacs 21 ;; POP の認証方式の設定 ;; APOP は 'apop を、POP は 'pass (USER/PASS (生パスワード)) に設定 (setq mew-pop-auth 'pass) ;; POP サーバからメッセージを取得後、 ;; POP サーバにあるメッセージを削除するなら t ;; 残すなら nil に設定 ;; N日残すなら N に設定 (setq mew-pop-delete 7) ;; POP サーバからメッセージを取得するサイズの設定 (setq mew-pop-size (* 54 1024)) ;; 4K hdr + 50K bdy ;; SMTP サーバの設定 (setq mew-smtp-server "mail.taro.jp") ;; if not localhost (6) |
設定ができたら、保存して、エディタを終了して下さい。
設定が終了したら mew を使ってみます。emacs または xemacs を起動し、M-x mewと入力します。メールを受信するにはiと押して下さい。画面が黒くなったらメール用のパスワードを入力します。すると到着したメールの一覧が表示されます。
読みたいメールにカーソルを合わせてスペースキーを押すと、その内容を読むことができます。長い文章の場合、次のページを表示させるのもスペースキーです。最後まで読み終えてスペースキーを押すと、次のメールが表示されます。
mew を一時閉じておくには q を押します。完全に終了する場合は Q を押します。
電子メールを出してみましょう。到着したメールの一覧が表示されているところでwを押すと、
To: (相手のアドレスを書く) Subject: (題名を書く) From: (自分のメールアドレスが入っている) Fcc: +backup X-Mailer: Mew version 2.2 on Emacs 20.7 / Mule 4.1 (AOI) ---- (ここから本文を書く) |
宛先(To:)にはメールを送る相手のアドレスを入力します。題目(Subject:)には内容を表す簡潔な題を入力します。本文は ---- よりも下に書きます。ファイルをメールに挿入するには、 C-x iと入力します。ここで、下のミニバッファに「Insert file:˜/」と現れますので、/の後にファイル名を入力します。
本文を書き終えたらメールを送信します。まず、C-c C-cと入力します。 下のミニバッファに確認メッセージが現れますが、単にyと入力します。 こうするとメールが送信されます。
Vine Linux 2.1よりGUIで使いやすいメーラSylpheedが標準になりました。ウィンドウマネージャやデスクトップ環境からすぐに呼び出して使うことができます。Sylpheedの設定は起動後に行います。アイコンやメニューからSylpheedを選択するか、ターミナル上でsylpheedと入力し、起動して下さい。
$ sylpheed |
起動したら、まずはじめにメールサーバやメールアドレスの設定を行います。アカウント設定がない場合(新規インストール時)には、メールボックスの場所設定と新規アカウントを促すダイアログボックスが表示されます。Sylpheedは、複数のPOP3, IMAP4サーバからメールを取り寄せられます。
「基本」のところで以下の項目を指定すれば、メールを送受信することができます。さらに細かい設定ができますので、「受信」「送信」などの項目も参照して下さい。
このアカウントの名称 : 複数あるメールアドレスを区別するための名前です。アカウント名や接続先などで区別できる名前を付けて下さい。
個人情報 名前 : 氏名をローマ字で入力します。
個人情報 メールアドレス : このアカウントのメールアドレスを指定します。
個人情報 組織 : 学校名やプロバイダ名など所属を指定します。
サーバ情報 プロトコル : メールサーバとの接続方式を指定します。
サーバ情報 受信サーバ : メール受信用のPOP/IMAPサーバ名を指定します。
サーバ情報 SMTPサーバ : メール送信用のSMTPサーバを指定します。
サーバ情報 ユーザID : メールサーバ上でのユーザアカウント名(受信メールアカウント名)を指定します。
サーバ情報 パスワード : メールサーバ上でのユーザアカウントに対するパスワード(メール受信パスワード)を指定します。
メールを受信するには、メニューバーの「メッセージ」で「新着メールの受信」選択します。この場合、右下にある「現在のアカウント」で示されたところのメールを受信します。複数のメールアドレスを設定している場合は、「全アカウントから受信」を選択します。メールが受信されると、メールの一覧が表示されます。読みたいメールをクリックまたはダブルクリックして読んで下さい。
メールを送りたい場合は、メニューバーの「メッセージ」で「新規メッセージを作成」を選択して下さい。「宛先」には送る相手のメールアドレスを入力します。「件名」には用件の題目を簡潔に入力します。「Cc」には同じ内容を別の人にも同時に送りたい場合に、その人のメールアドレスを入力します。その下に、本文を書いて下さい。日本語を入力する場合は、Shift+スペースを押して、日本語モードにします。できあがったメールを送信するには、メニューバーの「メッセージ」で「送信」を選択します。
Sylpheedを終了させるには、メニューバーの「ファイル」から「終了」を選択して下さい。
Sylpheedの詳しい使い方については、Sylpheed ユーザサポートサイトのマニュアルやFAQを参照してください。