グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を導入すれば、マウスによる操作や複数のウィンドウが利用できるため大変便利です。 Vine Linux 3.0から、X Window System の実装の一つである X.Org Foundation のプロダクトを採用し、 標準のデスクトップ環境として GNOME を採用しています。詳しくは、 Vine Linuxのグラフィックス環境を参照してください。
また、インストールCDには含まれておりませんが、デスクトップ環境 KDEやウィンドウマネージャ Window Maker などの Vine Linux 向けパッケージが用意されています。 これらは、APT(Advanced Packaging Tool) などを用いてインストールすることができます。 詳細は、第8章や第9章を御覧ください。
X Window Systemの設定ができましたら、Xウィンドウを起動してみましょう。 コンソール画面からログインした場合、startxコマンドを入力するとX Window Systemが起動され、 デスクトップ環境 GNOME が起動します。
$ startx |
Window Makerやディスクトップ環境KDEを起動したい場合は、startxを実行する前に setwmコマンドでウィンドウマネージャを選択します。
$ setwm wmaker <= Window Makerを選択する場合 $ startx <= startxで起動すると Window Makerが使えます |
現在、設定されているウィンドウマネージャは、次のようにして知ることがで きます。
$ setwm status Current Window Manager is gnome |
また、どのようなウィンドウマネージャを選択できるかは、引数なしで単に setwmと入力すれば得られます。ただし、インストールされていないものを選択 すると、設定されません。
$ setwm kde <= kdeを選択する Not found startkde <= 見つからない場合は設定されません |
システムを起動したときからXウィンドウを使用したい場合は次に解説するディスプレイマネージャを用います。
コンソール画面からグラフィカルなログイン画面にするには、 ディスプレイマネージャを起動する必要があります。 Vine Linuxでは gdm というディスプレイマネージャを採用しています。 これはランレベル 5に移行するだけで起動されるように設定されています。
# /sbin/telinit 5 |
システムが起動したときに、自動的にランレベル 5へ移行して gdm を起動するには、 /etc/inittabの以下の部分を書き換えてください。
id:3:initdefault: ↓ id:5:initdefault: |
gdmからログインするには、まず画面の指示に従ってユーザ名を入力し、Enterキーを押します。 次にパスワードの入力画面が表示されますので、パスワード入力しEnterキーを押します。 パスワード入力の際には、入力した文字の代わりに * が表示されるので注意して入力してください。 ユーザ認証に成功すると、ウィンドウマネージャやデスクトップ環境が起動され、利用できる環境になります。
なお、ディスプレイマネージャgdmのログイン画面には、「言語」、「セッション」、「システム」というオプションメニューがあります。
以下のいずれかの方法により、ログイン画面を設定するためのツールが起動します。
GNOMEメニューのアプリケーション→ システム・ツール→ログイン画面の設定を実行
ターミナルエミュレータ等から、gdmsetupコマンドを実行
この際、rootユーザのパスワードを尋ねるダイアログが表示されますのでパスワードを入力してOKをクリックしてください。
ログイン画面の設定ツールは、一般、標準のグリータ、グラフィカル・グリータ、セキュリティ、XDMCPの5つのページで構成されています。 詳細については、設定ツールのヘルプを参照してください。
GNOMEからログアウトするには、アクションのログアウトを実行してください。 この際、デフォルトの設定であればアクションとして『ログアウト』、『シャットダウン』、 『コンピュータの再起動』の3つのラジオボタンが表示されるので『ログアウト』が選択されているのを確認してOKをクリックしてください。
なお、設定によりこのログアウトメニューを表示せずにログアウトさせる事も可能です。その場合は、 アプリケーションからデスクトップの設定、 拡張設定の順にたどり、 セッションを実行した時に表示されるウィンドウで『ログアウト時に確認する』のチェックを外してください。
xdm,wdm,kdm などの他のディスプレイマネージャを使う様に設定するには、setdmコマンドを使用します。 オプションなしでsetdmを実行した場合は、 使い方とともに選択肢が表示されますので使用したいディスプレイマネージャの番号を入力してEnterを押してください。
# /usr/sbin/setdm 使い方: setdm <ディスプレイマネージャ名> <ディスプレイマネージャ名>... wdm : WINGs ディスプレイマネージャ xdm : X ディスプレイマネージャ gdm : GNOME ディスプレイマネージャ ディスプレイマネージャを選択してください。 1) exit 2) wdm 3) xdm 4) gdm 番号を入力> |
なお、xdmはデフォルトでインストールされていますが、 wdm,kdmを使用するには Window Maker,KDE をそれぞれインストールする必要があります。