RAR 5.0 圧縮形式
WinRAR 5.0 では新しい RAR 圧縮形式が導入されています。
RAR 5.0 形式の新機能:
- 最大 1 GB の圧縮用辞書。
巨大なファイル、特に solid
モードで圧縮する際に、より大きな辞書を使うことで圧縮率を向上できることが多くなります。
- 理論的に RAR 4.x の AES-128 よりも強い AES-256 アルゴリズムを基にした暗号化。
- Reed-Solomon エラー修正コードを使用し、RAR 4.x
の復旧用記録と比較して複数の損傷に対してはるかに高い耐性を持った復旧用記録
- 復旧用ファイル操作の高速化。
RAR+REV の最大ファイル数は RAR 5.0 で 255 から 65535 になっています。
- 保存されるファイル時刻が RAR 4.x ではローカル時刻でしたが協定標準時 (UTC)
に変更され、複数のタイムゾーンをまたいだファイル交換がさらに簡単になります。
- ファイル情報向けの BLAKE2sp チェックサム
(オプション)。CRC32 チェックサムとは異なり、BLAKE2
では異なる二つのファイルで同一のチェックサム値になるということが実質的に不可能です。
この点から、BLAKE2 はファイル識別目的に利用することができます。
- オプションの迅速に取り出せる情報をに追加することでそのの内容を早く見られるようにできます。
- アルゴリズムでのマルチスレッド対応。
速度面での恩恵はあまり圧縮できないデータや BLAKE2
チェックサムを付加された巨大なファイルではさらに顕著になります。
- NTFS でのリパースポイントやシンボリックリンク、ハードリンクのサポート。
- 同一ファイルが複数ある場合に、
二つ目以降を最初のファイルへの参照として保存できる。
- 完全な Unicode 認識。ファイル名やコメントは UTF-8 形式で保存されます。
時代遅れ、あるいは効果の薄い RAR 4.x の機能の一部は RAR 5.0 形式に収められていません:
- テキスト圧縮や raw オーディオやトゥルーカラー圧縮、Itanium
実行形式の圧縮等の特別なアルゴリズムは RAR 5.0 圧縮形式では利用できません。
古いバージョンの RAR で採用されていた raw
オーディオやトゥルーカラー圧縮形式はほとんど利用されなくなっています。
テキスト圧縮は、現代のマルチコア CPU
では一般的な圧縮に比べてあまりに低い性能となっています。こういったアルゴリズムは
RAR 5.0 形式ではサポートされませんが、最新版の WinRAR
は上記のアルゴリズムを使っているものも含めて、あらゆる 4.x RAR をできるようになっています。現代のデータやハードウェアでも効果のある
Intel IA-32 実行形式や差分圧縮アルゴリズムは RAR 5.0 形式でも収録されています。
- 旧式のファイル.r00、ファイル.r01 形式のファイル名での作成はサポートされません。
この形式のファイル名の主な目的は MS-DOS ファイルシステムとの互換性でした。
しかし、これはファイルの拡張子がファイルの種類の定義や関連づけに利用されるようになっている
Windows のようなプラットフォームではあまり良い規則ではありませんでした。
WinRAR の旧版を含めた、古いアプリケーションでは RAR 5.0 形式のを認識することはできません。そのため、そのが古いソフトウェアでも確実にできるようにしたい場合には
RAR 4.x 圧縮形式を使った方がいいかもしれません。の名前とパラメータダイアログまたは
-ma
コマンドラインスイッチにより圧縮形式を指定することができます。
特別なテキスト、マルチメディア圧縮アルゴリズムや旧式のファイル命名規則が必要な場合にも
RAR 4.x が好ましいかもしれません。