マルティエン:
あっ、お前が来ることは聞いていたよ。そうでなくても、少しでも早く来てほしいと思ってたんだ。彼女から手紙を貰っただろう?それをくれるかい?
ふむ、そうか...。そうだ。聖櫃は この村の南西の方向のタノール峡谷の周り にある。探すにはかなり遠回りしなければならないんだ。苦労するかもしれないが...。実はそれよりもっと問題なのは、聖櫃に手を触れることができないということだ。トレジャー ハンターやメイジ達を雇って聖櫃を調査する度に、なぜか狂ったウェアウルフが現れては手当たり次第に殺され、山の下に投げられ...。最後に行った連中は、一人を除いては死体も見つからなかった。
「その一人とは?」
ソーサラーだった。学のあるやつだったよな...。むごたらしくも腹からあれやこれや出しながら、ここまで帰ってきて言ってたな。「聖櫃の守護者」と...。その言葉がそいつの遺言となった。
チェッ、せめて日の当たる所に埋めてくれだとか、1人残った一人娘を宜しくだとか...。そんなことでも言い残せばいいものを、どうでもいいようなことを言って倒れたんじゃ、後味が悪いじゃないか?!