ここでは、グループごとに変数名とその意味を説明します。変数名の後の括弧 ()にはその変数の属性が書かれています。属性の略号は次のような意味になっ ています。
参照可能です。
変更可能です。
root権限でのみ変更可能です。
未実装などのため、無効です。
基本的な設定や全体的な設定、あるいは他のグループに属さない設定を行なう 変数です。
ppxpdデーモンのバージョンです。
現在の年月日です。
現在時刻です。
PPPのフレームタイプの一覧です。
ラベル名です。ppxpコマンドの起動時に指定された設定スクリプトのファイル 名が設定されます。この変数はppxpdデーモンの動作に影響しません。
PPPの動作モードです。
パッシブピアとして動作します。ピアからPPPフレームが流れて来るまでPPP フレームを流しません。
アクティブピアとして動作します。こちらからPPPフレームを流し始めます。
ダミーのPPPフレーム(キックフレーム)を流してactiveモードをエミュレート します。キックフレームの送出タイミングは変数LCP.KICKで指定します。
ラインデバイスの設定です。
デバイスのスペシャルファイル名(例 /dev/ttyS0)をそのまま指定します。
tcp:/<ホスト名>:<ポート番号> (例 tcp:/remote:7777)と指定します。
pty:<プログラム名> [<プログラム引数>...] (例 pty:/usr/bin/rlogin remote)と指定します。
チャットスクリプトのファイル名を指定します。一般的にPAPやCHAPを使った 認証方式の場合はチャット機能は不要です。変数CHATに何も設定しないか、も しくはnoneを設定しておくとチャット機能は働きません。
コントロールプロトコル共通の設定とLCPの設定を行ないます。
ピアにエンコードしてもらいたいキャラクタコード(0〜0x20)をビットフラグ 形式で指定します。例えば、シリアルライン上でソフトウェアフロー制御 (XON/XOFF)を行なう場合、スタート(0x11)とストップ(0x13)用のキャラクタが 予約されてしまい、もし、ピアから送られて来たフレームの中にこれらのコー ドが入っていると、食われてしまいます。それを防ぐためにピアがそれらのコー ドを出す前にエンコード(0x7Dと0x20でXORされたコードの2バイトになる)して もらうのです。例えば、0x11と0x13をエンコードしてもらいたければ 0x00A0000(0x11ビットと0x13ビットが1)を指定します。
送出時にエンコードしたいキャラクタコード(0x20〜)を16進数で指定します。
キックフレームの送出タイミングを指定します。
ログ関連の設定を行ないます。詳しくは ログを 御覧ください。
PPxPではログをsyslog、あるいは指定したファイルに出力します。この出力先 を設定するのが変数LOG.FILEです。
認証および証明に関する設定を行ないます。
利用可能な認証プロトコルを指定します。以下のいずれかを指定するか、複数 を列挙します。認証側では、「許可するプロトコル」という意味になり、証明 側では「利用できるプロトコル」という意味になります。ですから、証明側、 つまりクライアント側では全て列挙しておいても問題ないでしょう。
最も一般的な認証方式です。生パスワードを交換する方式なのですが、ほと んどのPPP実装系が対応しています。
生パスワードを交換しない方式ですが、サーバー側のセキュリティを弱める 可能性があること、対応していないPPP実装系が存在することなどによりPAP の座を奪えない状況になっています。CHAP/MSと区別するためにCHAP/MD5とい う表現も使えるようになっています。
Microsoft社が提唱する方式で、Windows系OSが対応しています。標準のCHAP との違いは、パスワードのエンコード方法にMD4とDESを使っているという点 と、パスワードを変更する機能を持っているという点です。ただし、PPxPで はパスワード変更機能は実装されていません。
サーバーとして利用する場合に認証を行う方法を指定します。クライアントと して利用する場合は設定しないでください。
PPxPのpasswdファイルに登録されているユーザーの範囲内で認証を行います。
UNIXシステムのログインパスワード(/etc/passwdファイル)を使って認証しま す。一般的なUNIXシステムではパスワードが不可逆エンコードされています ので、この方法で利用できる認証プロトコルはPAPのみです。
server_host上で動作しているRADIUSサーバーを利用して認証を行います。
ネットワークインターフェイスの設定を行ないます。
トンネルデバイスのインターフェイス名です。
圧縮プロトコルの設定を行ないます。
LQR(Line Quality Report)など、PPPの監視に関する設定を行ないます。
ダイアラー機能の設定を行ないます。
電話番号リストです。ダイアラーはこの変数に指定された電話番号を前から順 番に使います。同じ番号で繰り返したい場合は、電話番号の後ろに'/'をつけ て繰り返す回数を指定して下さい。例えば、12-3456を10回繰り返したければ、 「123456/10」となります。最後の'/'以降の数字をダイアル回数として処理し ますので、電話番号の一部として'/'を使いたい場合は、必ずダイアル回数を 指定するようにして下さい。例えば、「123456/02」という電話番号を指定し たければ「123456/02/1」を設定して下さい。
現在利用している、あるいはこれから使おうとしている電話番号が自動的に設 定されます。
ダイアル方式を指定します。ここで指定した文字列に"Dial"を補った文字列を モデム情報スクリプトから探して、それをダイアルコマンドとして利用します。 標準としてTone(プッシュ式:ATDT)かPulse(回転ダイアル式:ATDP)が用意され ています。また、何も指定しなければモデムのデフォルト(ATD)にしたがいま す。
リダイアルの間隔を秒単位で指定します。
モデムへのコマンド文字列の送出タイミングを指定します。ミリ秒単位です。
接続時や自動モードへの移行時にネットワークの設定を行うスクリプトを指定 します。一般的なダイアルアップ接続ではdrouteupスクリプトを指定します。
変数IP.UPとは逆に切断時や自動モードから抜ける時に呼び出されるスクリプ トを指定します。一般的なダイアルアップ接続ではdroutedownスクリプトを指 定します。
変数IP.UPとは異なり、接続時にのみ呼び出されるスクリプトを指定します。 自動モードでは呼び出されませんので、接続後に自動実行したいプログラムを 呼び出すようなスクリプトを指定すると良いでしょう。例えばキューをフラッ シュするためにsendmailコマンドを呼び出したり、時刻設定を行うために netdateコマンドを呼び出したりするためのスクリプトです。
主に変数IP.STARTで実行したプログラムを止めるようなスクリプトを指定しま す。
ローカルピアの仮IPアドレスを指定します。他のネットワークインターフェイ スのIPアドレスが初期値として入りますので、LAN上のホストならばそのIPア ドレス、スタンドアロンマシンならばループバックアドレスになっています。 また、IPアドレスの後に/を補ってマスクを指定することができます。マスク は10進数のアドレス表記でも、ビット数でも記述できます。IPアドレスをNAK された場合、このマスクの範囲で許可します。マスクとして255.255.255.255 (32)が指定された場合は、PPP上はピアに割り当てられたIPアドレスを使い、 アドレス変換を使ってローカルでは仮IPアドレスを使うようになります。なお、 IPCPが上がっている状態でこの変数を表示すると実際にIPCPで使っているIPア ドレスになり、変更することはできません。
ローカルピアのIPアドレスに関してIPCPを行う際にデフォルト値として変数 IP.LOCALを使うかどうかの設定です。プロバイダなどでユーザーが固有のIPア ドレスを持っていればyesにします。また、サーバーとして利用する場合もyes にします。
リモートピアの仮IPアドレスです。
ネームサーバーのIPアドレスを指定します。3個まで指定できます。
WindowsネームサーバーのIPアドレスを指定します。2個まで指定できます。
IP空間でのドメイン名を指定します。resolv.confファイルのsearchエントリ として扱われます。
resolv.confファイルの書き換え方法を指定します。
resolv.confファイルを書き換えません。
ピアから入手したネームサーバーのIPアドレスをresolv.confファイルに書き 込みます。ピアから入手できなかった場合、および3版目のアドレスは変数 IP.DNSで指定されているものを利用します。
変数IP.DNSで指定されているアドレスをresolv.confファイルに書き込みます。 ピアから入手したアドレスは利用しません。
DNSリレーサーバーを利用します。
代理ARP機能のスイッチです。一般的にはサーバーとして利用する場合にyesに します。
IPのヘッダ圧縮機能(VJ圧縮)です。TCPやUDPパケットのIPヘッダ部分を圧縮し ます。