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28.7.1 初期化ファイルの構文

ファイル.emacsにはLispの関数呼び出し式を書きます。 関数呼び出しは、関数名に続けて引数リストを並べ、全体を括弧で囲みます。 たとえば、(setq fill-column 60)は、 関数setqによって、変数fill-column(see Filling)に 60を設定します。

setqの2番目の引数は変数の新しい値を表す式です。 これは、定数でも、変数でも、関数呼び出し式でもかまいません。 .emacsファイルでは定数を使うことがもっとも多いでしょう。 定数にはつぎのものがあります。

数値:
数値は10進表記し、先頭にマイナス符号があってもよい。
文字列:
Lispの文字列の構文はCの文字列の構文とほぼ同じだが、多少違うところもある。 文字列定数の始まりと終りにはダブルクォートを使う。

文字列の中には、改行や特殊文字をそのまま入れることができる。 しかし、バックスラッシュで始まる形式、つまり、 改行は‘\n’、バックスペースは‘\b’、 復帰は‘\r’、タブは‘\t’、ページ送りは‘\f’(コントロールL)、 エスケープは‘\e’、バックスラッシュは‘\\’、 ダブルクォートは‘\"’、8進コードoooの文字は‘\ooo’で 表すことができ、そのほうが読みやすい。 バックスラッシュとダブルクォートの2つだけは、 文字列に含めるのに必ずこのような形で書き表す必要がある。

\C-’はコントロール文字を表すプレフィックスとして使用できる。 たとえば、‘\C-s’でASCIIのコントロールSを表す。 同様に、‘\M-’はメタ文字を表すプレフィックスとして使用できる。 たとえば、‘\M-a’でMeta-A、 ‘\M-\C-a’でControl-Meta-Aを表す。

文字:
Lispの文字定数は、‘?’に続けて文字または‘\’で始まる エスケープシーケンスを書いたもの。 たとえば、?x?\n?\)などは文字定数。 Lispでは文字と文字列は別ものなので注意すること。 ある場面では文字列が必要であり、別の場面では文字が必要である。
真:
tは「真」を表す。
偽:
nilは「偽」を表す。
その他のLispオブジェクト:
シングルクォートに続けてそのLispオブジェクトを書く。