Next: , Previous: Execute mode, Up: Invoking libtool


4.4 インストールモード

インストールモードでは,libtoolはmode-argsのほとんどの要素 を,cpで始まるインストールコマンドやBSD互換のinstallプロ グラムとして解釈します.

mode-argsの残りは,特別扱いされます.

-inst-prefix inst-prefix-dir
最終的なprefixではなく一時的な保存領域にインストールするとき,こ の引数は一時的なパスを反映するために使用し,それはautomakeDESTDIRを使用する方法とほとんど同じです.例えば,prefix/usr/localinst-prefix-dir/tmpの場合,オブジェ クトは/tmp/usr/local/にインストールされます.インストールされた オブジェクトがlibtoolライブラリの場合,ライブラリの内部フィールドは inst-prefix-dirではなくprefixだけに反映されます.
          # Directory that this library needs to be installed in:
          libdir='/usr/local/lib'

以下ではありません.

          # Directory that this library needs to be installed in:
          libdir='/tmp/usr/local/lib'

inst-prefixは,インストールされたオブジェクトがインストール時に 再リンクする必要がある場合にも,それがprefixではなく inst-prefix-dir/prefixのライブラリと再リンクするのを確実に するためにも使用されます.

実際は,このオプションはlibtoolで直接呼び出すときに使用することが本当 の目的ではありません.それはlibtool --mode=installlibtool --mode=relinkを呼び出すとき自動的に使用されます. libtoolは元々のlibtool --mode=installコマンドで与えられたインス トール先のパスを解析し,libtool --mode=linkで確定した予測される インストールパスと比較することで,これを行ないます.

このため,エンドユーザは変更する必要はなく,automake形式の make install DESTDIR=/tmpでJust Work(tm) (うまく動作します)にな ります.

残りのmode-argsは,cpinstallコマンドの引数として 解釈されます.

コマンドが実行され,特権の不要な必要なインストール後のコマンドも完全に 実行されます.