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本節では、1つの単語やバッファのある部分の綴りを検査するコマンドを説明します。 これらのコマンドは、Emacsの一部ではない綴り検査プログラム (スペルチェッカ)ispellを 使って動作します。
ispell-word
)。
ispell-complete-word
)。
フライスペル(flyspell)モードは、 Emacsで編集しているときに全自動で綴り検査をする方法です。 単語を変更したり挿入したりするたびにその単語を検査します。 認識できない単語をみつけると、その単語を強調表示します。 これはユーザーの編集には干渉しませんが、 ある単語が強調表示されたら、その単語へ移動して訂正できます。 カレントバッファでこのモードをオン/オフするには、 M-x flyspell-modeと打ちます。
フライスペル(flyspell)モードが ある単語を綴りまちがいであると強調表示したときには、 その単語をMouse-2でクリックできます。 すると、訂正候補やどんな操作を行えるか表示されます。 単語を手動で編集して好きなように訂正してもかまいません。
Emacsの他の綴り検査機能は、明示的にコマンドを実行したときに 単語の検査を行います。 バッファ全体やその一部分の綴りを検査する機能は、 Emacsセッション以外で作成した綴り誤りを含むかもしれないテキストには有益です。
ポイントの周りかポイントのつぎにある単語の綴りを検査し、
場合によっては訂正するには、
M-$(ispell-word
)コマンドを使います。
単語が正しくないときには、
その単語についてどうするかのさまざまな選択肢を提示します。
カレントバッファ全体を検査するには、M-x ispell-bufferを使います。 カレントリージョンだけを検査するには、M-x ispell-regionを使います。 書きかけの電子メイルメッセージの綴りを検査するには、 M-x ispell-messageを使います。 これは、バッファ全体を検査しますが、 字下げしてある部分や他のメッセージからの引用と思われる部分は検査しません。
これらのコマンドは、正しくない単語に出会うたびに、どうするか聞いてきます。 通常、検査した単語に似ている『近い』単語をいくつか含めた 選択肢一覧を表示します。 そうしたら、文字を打たなくてはなりません。 以下に有効な返答をあげます。
query-replace
を実行する。
テキスト(text)モードやその関連したモードでは
M-<TAB>キーにバインドしてあるコマンド
ispell-complete-word
は、
綴り訂正に基づいた補完一覧を提示します。
単語の始めの部分を挿入してからM-<TAB>と打つと、
補完一覧ウィンドウを表示します。
補完一覧から1つを選ぶには、
候補のうえでMouse-2をクリックするか、
カーソルを補完ウィンドウの単語の箇所に移動してから
<RET>と打ちます。
See Text Mode。
一度綴り検査を行うと、ispellプロセスは(何かすることを待って) 動き続けます。 ですから、つぎに綴り検査コマンドを使うと、 より早く実行を完了します。 ispellプロセスを取り除きたいときには、 M-x ispell-kill-ispellを使います。 ispellプロセスは綴り訂正をしているとき以外には何もしないので、 通常はこのコマンドを使う必要はありません。
ispellは2つの辞書を使います。
標準辞書と個人辞書です。
変数ispell-dictionary
は、使用すべき標準辞書のファイル名を指定します。
この値がnil
ならば、デフォルトの辞書を使います。
M-x ispell-change-dictionaryコマンドはこの変数を設定して、
設定した辞書を使うようにispellサブプロセスを再起動します。