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E.3 独自の見出しの作成方法

Texinfoで提供される標準的な見出しを使用したり,独自のものを指定したりす ることが可能です.デフォルトではTexinfoにはフッタが無いので,指定した場 合,主なテキストに対して利用可能なページサイズがわずかに減少します.

Texinfoは見出しとフッタを指定する六つのコマンドを提供します.

Texinfoファイルの@end titlepageコマンド直後に,カスタムの見出し 指定を書いてください.前もって定義している見出しコマンドを,独自の指定を 定義する前に@headings offコマンドで中止する必要があります.

偶数と奇数の番号のページの両方の全てのヘッダに,章の名前を左側に,ページ 番号を真中に,日付を右側に置くようにTeXに伝える方法は以下のようになり ます.

     @headings off
     @everyheading @thischapter @| @thispage @| @today{}

真中の部分と左の部分,そして右の部分と真中の部分を,部分同士の間に ‘@|’を挿入して分離する必要があります.そうしない場合,指定コマンド は,一つのテキストの終りの部分と次の始めの部分の位置を伝えることができま せん.

それぞれの部分には,テキストや@-コマンドを含めることが可能です.本体の ページの,通常の段落にある部分のようにテキストは印刷されます.@-コマン ドはページ番号,日付,章の名前,または何にでも,それ自身が置換されます.

六つの見出しとフッタのコマンドには以下のものがあります.

@everyheading left @| center @| right
@everyfooting left @| center @| right
`every'コマンドは,偶数と奇数の番号のページ両方の書式を指定します.これ らのコマンドは,それぞれの紙の片面に印刷されるドキュメントや,対称なヘッ ダとフッタにしたいドキュメントに対するものです.


@evenheading left @| center @| right
@oddheading left @| center @| right
@evenfooting left @| center @| right
@oddfooting left @| center @| right
`even'と`odd'コマンドは,偶数番号のページと奇数番号のページの書式を指定 します.これらのコマンドは,本と,それぞれの紙の両面に印刷されるマニュア ルに対するものです.

章とセクションの名前とページ番号を供給するため,‘@this...’シリー ズの@-コマンドを使用してください.見出しフッタの,左揃え,中央揃え,右 揃えの中や,@iftex@end iftexコマンドの間の部分以外の Texinfoファイルで,‘@this...’コマンドを使用することも可能です.

@this...’コマンドは以下のようになります.

@thispage
現在のページ番号を展開します.


@thischaptername
現在の章の名前を展開します.


@thischapter
現在の章の番号と名前を,書式`Chapter 1: Title'に展開します.


@thistitle
ドキュメントの名前を@settitleで指定されているものに展開します.


@thisfile
@includeファイルに対してのみです.現在の@includeファイル の名前に展開します.現在のTexinfoソースファイルが@includeファイ ルではない場合,このコマンドには効果がありません.@includeファイ ルではない場合,このコマンドは現在のTexinfoソースファイルの名前を提供 しません.( @includeファイルの詳細は,See Include Files.)

@today{}コマンドも使用可能で,それは現在の日付を`1 Jan 1900'の 書式で展開します. その他の@-コマンドとテキストは,ページの本体に書かれているかのようにヘッ ダとフッタに印刷されます.それは,特にドラフトを書いているとき,テキスト を組み入れることに役立ちます.

     @headings off
     @everyheading @emph{Draft!} @| @thispage @| @thischapter
     @everyfooting @| @| Version: 0.27: @today{}

余りに長いタイトルへの注意: それらは他のヘッダやフッタの部分に重なり,隠 してしまう可能性があります.