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27.5 ウィンドウの巡回順序

つぎのウィンドウを選択するためにコマンドC-x oother-window)を 使うと、スクリーン上のすべてのウィンドウをある巡回順序で巡ります。 ウィンドウのある構成において、この順序は変わりません。 これをウィンドウの巡回順序(cyclic ordering of windows)と呼びます。

この順番は一般に上から下、左から右になります。 しかし、ウィンドウを分割した順番に依存して、 下や右が最初になることもあります。

最初に上下に分割してつぎに左右に分割すると、 順番は、フレームの上側で左から右、フレームのその下では左から右 といった具合になります。 最初に左右に分割すると、 順番は、フレームの左側で上から下といった具合になります。 一般に、ウィンドウ木のあるレベルで分割された各兄弟の中では、 順番は、左から右、あるいは、上から下になります。

— Function: next-window &optional window minibuf all-frames

この関数は、ウィンドウの巡回順序においてwindowのつぎの ウィンドウを返す。 これは、windowが選択されているときに C-x oが選択するであろうウィンドウである。 windowが唯一の可視ウィンドウであると、 この関数はwindowを返す。 windowを省略すると、デフォルトは選択されているウィンドウである。

引数minibufの値は、ミニバッファを ウィンドウの順序に含めるかどうかを決定する。 minibufnilであると、 ミニバッファが活性であるときにはミニバッファを含める。 これはC-x oのふるまいである。 (ミニバッファが使われているあいだは、 ミニバッファ用ウィンドウは活性である。 see Minibuffers。)

minibuftであると、 ミニバッファが活性でなくても巡回順序にミニバッファ用ウィンドウを含める。

minibuftでもnilでもないと、 活性であってもミニバッファ用ウィンドウを含めない。

引数all-framesは、どのフレームを対象にするかを指定する。 可能な値とその意味を以下に示す。

nil
windowのフレームのすべてのウィンドウに加えて、 ミニバッファがどこに置かれていようと 当該フレームが使っているミニバッファを対象にする。
t
既存のすべてのフレームのすべてのウィンドウを対象にする。
visible
すべての可視フレームのすべてのウィンドウを対象にする。 (結果が有用であるためには、可視フレームにwindowがあること)
0
すべての可視フレームやアイコンになっているフレームの すべてのウィンドウを対象にする。
その他
windowのフレームだけのウィンドウを正確に対象にする。

つぎの例では、2つのウィンドウがあり、 どちらもバッファ‘windows.texi’を表示していると仮定する。

          (selected-window)
                #<window 56 on windows.texi>
          (next-window (selected-window))
                #<window 52 on windows.texi>
          (next-window (next-window (selected-window)))
                #<window 56 on windows.texi>
— Function: previous-window &optional window minibuf all-frames

この関数は、ウィンドウの巡回順序においてwindowのまえの ウィンドウを返す。 他の引数は、next-windowと同様に、 どのようなウィンドウを巡回に含めるかを指定する。

— コマンド: other-window count

この関数は、ウィンドウの巡回順序においてcount番目うしろの ウィンドウを選択する。 countが負であると、巡回順序において −count番目まえのウィンドウに戻る。 この関数はnilを返す。

対話的に呼び出すと、countは数値前置引数である。

— Function: walk-windows proc &optional minibuf all-frames

この関数は、各ウィンドウごとに当該ウィンドウを唯一の引数として procを呼び出してすべてのウィンドウを巡る。

省略可能な引数minibufall-framesは、 走査するウィンドウの集まりを指定する。 詳しくは上記のnext-windowを参照。