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4.7.1 出力変数のプリセット

Autoconfマクロが前もって設定する出力変数もあります.追加の出力変数を設定 するAutoconfマクロもあり,それは,それらのマクロの記述で言及されています. 出力変数の完全なリストは,See Output Variable Index. 以下はそれぞれ, それ以外のプリセットされたもののリストです.それらは全て大切な値です (see Setting Output Variables, AC_ARG_VAR).

— 変数: CFLAGS

Cコンパイラに対する,デバッグと最適化のオプションです. configureを実行するときに環境変数で設定されていない場合, AC_PROG_CCを呼び出すときにデフォルト値が設定されます(そうでない場 合は空になります).Cの特徴をテストするためのプログラムをコンパイルすると き,configureはこの変数を使用します.

— 変数: configure_input

configureによって自動的に生成されるファイルを告げ,入力ファイ ル名を与えるコメントです.AC_OUTPUTは,それが作成するすべての Makefileの最初に,この変数を含むコメント行を加えます.それ以外の ファイルは,それぞれの入力ファイルの最初のコメントで,この変数を参照すべ きです.例えば,入力シェルスクリプトの最初は以下のようにすべきです.

          #! /bin/sh
          # @configure_input@
     

またその行の存在で,ファイルを編集している人は,configureを使 用して処理する必要があることを思い出します.

— 変数: CPPFLAGS

ヘッダファイルを探すディレクトリ(`-Idir')と,Cプリプロセッサ とCコンパイラに対する,その他の雑多なオプションです.configure を実行するときに環境変数で設定されていない場合,デフォルト値は空になりま す. configureは,Cの特徴をテストするプログラムのコンパイルや プリプロセス時にこの変数を使用します.

— 変数: CXXFLAGS

C++コンパイラの,デバッグと最適化のオプションです.configure を実行するときに環境変数で設定されていない場合,AC_PROG_CXXを呼び 出したときにデフォルト値に設定されます(そうでない場合は空になります). configureは,C++の特徴をテストするプログラムのコンパイル時に, この変数を使用します.

— 変数: DEFS

Cコンパイラに渡す`-D'オプションです.AC_CONFIG_HEADERが呼び 出されている場合,configureは`@DEFS@'の代わりに `-DHAVE_CONFIG_H'に置換します(see Configuration Headers).この 変数は,configureがテストを実行している間は定義されず,出力ファ イルを作成するときだけ定義されます.前のテストの結果を調査する方法は, See Setting Output Variables.

— 変数: ECHO_C
— 変数: ECHO_N
— 変数: ECHO_T

質問と回答のメッセージの組に対して,echoに後置される改行を抑制す る方法は?これらの変数は,その方法を提供します.

          echo $ECHO_N "And the winner is... $ECHO_C"
          sleep 100000000000
          echo "${ECHO_T}dead."
     

古く一般的でないechoの実装では,これを達成する意味が無いものもあ り,その場合,ECHO_Tはタブをに設定されます.そうしたくないかもし れません.

— 変数: FCFLAGS

Fortranコンパイラに対するデバッグと最適化のオプションです. configureの実行時に環境変数で設定されていない場合, AC_PROG_FCの予備出し時デフォルト値が設定されます(またはそうなけれ ば空になります).configureは,Fortranの特徴を調査するプログラ ムをコンパイルするとき,この変数を使用します.

— 変数: FFLAGS

Fortran 77コンパイラの,デバッグと最適化オプションです. configureを実行するときに環境変数で設定されていない場合, AC_PROG_F77を呼び出したときデフォルト値に設定されます(そうでない 場合は空になります).configureは,Fortran 77の特徴をテストする プログラムのコンパイル時に,この変数を使用します.

— 変数: LDFLAGS

strip(`-s'),パス(-L),その他のあらゆる雑多なリンカに対す るオプションです.configureを実行するときに環境変数で設定され ていない場合,デフォルト値は空になります.configureは,C,C++, そしてFortranの特徴をテストするプログラムのリンク時に,この変数を使用し ます.

— 変数: LIBS

リンカに渡す`-l'オプションです.デフォルト値は空ですが,ライブラリ が見つかり,必要な関数を提供する場合,Autoconfマクロはこの変数に追加のラ イブラリを前置するかもしれません.Librariesを参照してください. configureは,C,C++,そしてFortranの特徴をテストするプログラム のリンク時に,この変数を使用します.

— 変数: builddir

`.'と厳密に等価です.対称性のために追加されました.

— 変数: abs_builddir

builddirの絶対パスです.

— 変数: top_builddir

現在のビルドツリーのトップレベルへの相対パスです.トップレベルのディレク トリは,ここではbuilddirと同じです.

— 変数: abs_top_builddir

top_builddirの絶対パスです.

— 変数: srcdir

Makefileに対するソースコードを含んでいるディレクトリへの相対パス です.

— 変数: abs_srcdir

srcdirの絶対パスです.

— 変数: top_srcdir

パッケージのためのソースコードのトップレベルのディレクトリへの相対パスで す.トップレベルのディレクトリは,ここではsrcdirと同じです.

— 変数: abs_top_srcdir

top_srcdirの絶対パスです.