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3.3 ヘルプの表示

helpコマンドを使うことで、 GDBコマンドに関するヘルプ情報をGDB自身に表示させることができます。

help
h
helpコマンド (省略形はh) を引数なしで実行することで、 コマンドのクラス名の簡単な一覧を表示させることができます。
          (gdb) help
          List of classes of commands:
          
          running -- Running the program
          stack -- Examining the stack
          data -- Examining data
          breakpoints -- Making program stop at certain points
          files -- Specifying and examining files
          status -- Status inquiries
          support -- Support facilities
          user-defined -- User-defined commands
          aliases -- Aliases of other commands
          obscure -- Obscure features
          
          Type "help" followed by a class name for a list of
          commands in that class.
          Type "help" followed by command name for full
          documentation.
          Command name abbreviations are allowed if unambiguous.
          (gdb)
     

help class
一般的なクラス名を引数に指定することで、 そのクラスに属するコマンドの一覧を表示させることができます。 statusクラスを指定した場合の表示例を以下に示します。
          (gdb) help status
          Status inquiries.
          
          List of commands:
          
          
          
          show -- Generic command for showing things set
           with "set"
          info -- Generic command for printing status
          
          Type "help" followed by command name for full
          documentation.
          Command name abbreviations are allowed if unambiguous.
          (gdb)
     

help command
helpの引数にコマンド名を指定することで、 そのコマンドの使用法に関する簡単な説明が表示されます。


complete args
complete argsコマンドにコマンド名の先頭の部分を指定すると、 コマンド名の補完候補の一覧を表示します。 argsには、 補完されるべきコマンド名の先頭の文字列を指定します。 例えば、
          complete i
     

は、以下のような結果を表示します。

          info
          inspect
          ignore
     

これは、 gnu Emacsでの使用を想定したものです。

helpコマンドに加えて、 GDBのinfoコマンドおよびshowコマンドを使用することで、 ユーザ・プログラムの状態やGDBの状態を問い合わせることができます。 どちらのコマンドも、 多くの観点からの問い合わせをサポートしています。 このマニュアルでは、 それぞれを適切と思われる箇所で紹介しています。 索引のinfoshowの部分に、 それぞれのサブ・コマンドの紹介されているページが示されています。 See Index

info
このコマンド (省略形はi) は、 ユーザ・プログラムの状態を表わす情報を表示するものです。 例えば、 info argsによってユーザ・プログラムに与えられた引数を、 info registersによって現在使用中のレジスタの一覧を、 info breakpointsによってユーザが設定したブレイクポイントの一覧を、 それぞれ表示することができます。 help infoによって、 infoコマンドのサブ・コマンドの完全な一覧が表示されます。


set
setコマンドによって、 ある式の評価結果を環境変数に割り当てることができます。 例えば、 GDBのプロンプト文字列を$記号に変更するには、 set prompt $を実行します。


show
infoコマンドとは異なり、 showコマンドはGDB自身の状態を表わす情報を表示するものです。 showコマンドで表示可能な状態はすべて、 対応するsetコマンドで変更可能です。 例えば、 数値の表示に使用する基数は set radixコマンドで制御できます。 現在どの基数が使用されているかを単に知るためには、 show radixコマンドを使用します。

変更可能なすべてのパラメータとそれらの現在の値を表示するためには、 showコマンドを引数なしで実行します。 また、 info setコマンドを使用することもできます。 どちらのコマンドも、 同じ情報を出力します。

以下に、 対応するsetコマンドを持たないという意味で例外的である、 3つのshowサブ・コマンドを示します。

show version
実行中のGDBのバージョンを表示します。 GDBに関する障害レポートには、 この情報を含める必要があります。 もしも異なるバージョンのGDBを複数使用しているのであれば、 ときには現在実行しているGDBのバージョンをはっきりさせたいこともあるでしょう。 GDBのバージョンが上がるにつれ、 新しいコマンドが導入され、 古いコマンドはサポートされなくなるかもしれません。 バージョン番号は、 GDBの起動の際にも表示されます。


show copying
GDBのコピー作成許可に関する情報が表示されます。


show warranty
gnuの『無保証 (NO WARRANTY)』声明文が表示されます。