次: Font Names, 前: Pointer Shapes, 上: Frames
Xサーバーは、アプリケーションプログラムのあいだでデータを 転送するためのセレクション(selection)の集まりを記録します。 さまざまなセレクションは、Emacsではシンボルで表した セレクション型(selection type)で区別されます。 Emacsを含むXクライアントは、任意の型のセレクションを読んだり設定できます。
この関数は、Xサーバーに『セレクション』を設定する。 これは2つの引数、セレクション型typeと それに割り当てる値dataを取る。 dataが
nil
であると、当該セレクションを削除することを意味する。 さもなければdataは、文字列、 整数(あるいは2つの数のコンスセルかリスト)、 オーバレイ、同じバッファを指す2つのマーカのコンスセルのいずれかである。 オーバレイやマーカの対は、 オーバレイのテキストやマーカのあいだのテキストを表す。引数dataは、ベクトルではない正しいセレクション値のベクトルでもよい。
可能な各typeには型に依存した独自のセレクション値がある。 typeの普通の値は
PRIMARY
かSECONDARY
である。 これらのシンボルは、Xウィンドウシステムの慣習に従って 大文字の名前である。 デフォルトはPRIMARY
である。
この関数は、Emacsや他のXクライアントが設定したセレクションを参照する。 これは2つの引数、typeとdata-typeを取る。 セレクション型typeのデフォルトは
PRIMARY
である。引数data-typeは、他のXクライアントから得た生データを Lispデータに変換するために使用するデータ変換の書式を指定する。 意味のある値は、
TEXT
、STRING
、CHARACTER_POSITION
、LINE_NUMBER
、COLUMN_NUMBER
、OWNER_OS
、HOST_NAME
、USER
、CLASS
、NAME
、ATOM
、INTEGER
である。 (これらのシンボルは、Xウィンドウシステムの慣習に従って 大文字の名前である。) data-typeのデフォルトはSTRING
である。
Xサーバーには、アプリケーションのあいだで移動するテキストや他のデータを 保存できる番号付きのカットバッファ(cut buffer)の集まりもあります。 カットバッファは廃れているとみなされますが、 それらを使っているXクライアント向けにEmacsはカットバッファを扱えます。
Emacsが連続したキルをキルリングで順に下向きに移動するのと同様に、 この関数は一連のカットバッファの値を順に下向きに移動してから 文字列stringを最初のカットバッファ(番号0)に保存する。
この変数は、セレクション、クリップボード、カットバッファを 読み書きするときに使うコーディングシステムを指定する。 see Coding Systems。 デフォルトは
compound-text
である。