次: , 前: Lisp Libraries, 上: Building


21.9 lisp対話バッファ

Emacsが動き始めたときに選択されるバッファ`*scratch*'は、 Emacs内でLisp式を対話的に評価するためのものです。

`*scratch*'バッファを使うもっとも簡単な方法は、 Lisp式を挿入してから各式の末尾でC-jと打つことです。 このコマンドは、ポイントの直前のLisp式を読み取り、 それを評価し、その値を表示形式でポイントのまえに挿入します。 この結果は、評価した式とその値の完全なtypescript 1です。

`*scratch*'バッファのメジャーモードは lisp対話(lisp interaction)モードであり、 C-jのバインディングを除けば emacs-lispモードと同じです。

この機能が存在する理由を説明しましょう。 Emacsが実行を開始すると何かしらバッファが必要です。 しかし、ファイルを訪問するたびに新たにバッファが作られるので、 このバッファはファイルを編集するのには適しません。 最初のバッファをLispインタープリタのtypescriptにするというのが 作者が考えついたもっともよい方法でした。 M-x lisp-interaction-modeと打つと、 カレントバッファはlisp対話(lisp interaction)モードになります。

Emacs Lisp式を対話的に評価する別の方法は、 下位emacs-lispモードを使うことです。 このモードは、シェル(shell)モード(see Shell Mode)に似た インターフェイスでEmacs Lisp式を評価できます。 M-x ielmと打てば、 下位emacs-lispモードを使う`*ielm*'バッファが作られます。


脚注

[1] 【訳注】 入力と出力をすべて記録した対話記録