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環境とは、 環境変数とその値の集合のことです。 環境変数は、 慣例として、 ユーザ名、 ユーザのホーム・ディレクトリ、 端末タイプ、 実行プログラムのサーチ・パスなどを記録します。 通常、 環境変数はシェル上で設定され、 ユーザの実行するすべてのプログラムによって継承されます。 デバッグ時には、 GDBを終了・再起動せずに環境を変更して、 ユーザ・プログラムを実行できると便利でしょう。
path
directoryPATH
(実行ファイルのサーチ・パス)
の先頭に追加します。
これは、
GDBとユーザ・プログラムの両方に対して有効です。
`:'
(コロン)
またはスペースで区切られた複数のディレクトリを指定することもできます。
環境変数PATH
の中に既にdirectoryが含まれている場合には、
directoryは環境変数PATH
の先頭に移動されます。
これにより、
directoryはより早く検索されることになります。
文字列`$cwd'によって、
GDBがパスを検索する時点における作業ディレクトリを参照することができます。
`.'
(ピリオド)
を使用すると、
path
コマンドを実行したディレクトリを参照することになります。
directory引数に`.'
(ピリオド)
が含まれていると、
GDBはまずそれを
(カレント・ディレクトリに)
置き換えてから、
サーチ・パスに追加します。
show paths
PATH
の値)を表示します。
show environment
[varname]environment
はenv
に省略可能です。
set environment
varname [=
] value例えば、 以下のコマンドは、 後にUNIXプログラムが実行されるときのユーザ名として`foo'をセットします (`='の前後のスペースは見やすくするためのもので、 実際には必要ありません)。
set env USER = foo
unset environment
varnameunset environment
は、
環境変数の値として空文字列をセットするのではなく、
環境変数そのものを環境から削除します。
注意: GDBは、
環境変数SHELL
により指定されるシェル
(環境変数SHELL
が設定されていない場合には/bin/sh
)
を使用してプログラムを実行します。
SHELL
環境変数の指定するシェルが初期化ファイルを実行するものである場合
(例えば、
C-shellの.cshrc、
BASHの.bashrc)、
初期化ファイルの中で設定された環境変数はユーザ・プログラムに影響を与えます。
環境変数の設定は、
.loginや.profileのように、
ユーザがシステム内に入るときに実行されるファイルに移したほうがよいでしょう。