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2.1 GDBの起動

gdbというプログラムを実行することで、 GDBが起動されます。 ひとたび起動されると、 GDBは終了を指示されるまで、 端末からのコマンド入力を受け付けます。

あるいは、 最初からGDBのデバッグ環境を指定するために、 様々な引数やオプションを指定して gdbプログラムを実行することもできます。

ここで説明するコマンドライン・オプションは、 様々な状況に対応するために設計されたものです。 環境によっては、 ここで説明するオプションのいくつかは、 事実上使用できない場合もあります。

GDBの最も基本的な起動方法は、 デバッグされる実行プログラムの名前を引数に指定することです。

     gdb program

起動時に、 実行プログラム名とともに、 コア・ファイルの名前を指定することもできます。

     gdb program core

あるいは、 既に実行中のプロセスをデバッグする場合には、 そのプロセスIDを第2引数に指定することもできます。

     gdb program 1234

ここでは、 GDBはプロセスID 1234のプロセスにアタッチします (ただし、 1234という名前のファイルが存在しないというのが条件です。 GDBは、 まずコア・ファイルの存在を確認します)。

このような第2引数の利用が可能であるためには、 かなり完成されたオペレーティング・システムが必要になります。 ボード・コンピュータに接続して、 リモート・デバッガとしてGDBを使用する場合には、 そもそも「プロセス」という概念がないかもしれませんし、 多くの場合、 コア・ダンプというものもないでしょう。

gdbを起動すると、 GDBの無保証性を説明する文章が表示されますが、 -silentオプションを指定することで、 これを表示しないようにすることもできます。

     gdb -silent

コマンドライン・オプションを指定することで、 GDBの起動方法をさらに制御することができます。 GDB自身に、 使用可能なオプションを表示させることができます。

     gdb -help

のようにgdbプログラムを実行することで、 使用可能なオプションがすべて、 その使用方法についての簡単な説明付きで表示されます (短縮して、 `gdb -h'という形で実行しても同じ結果が得られます)。

ユーザの指定したすべてのオプションと引数は、 順番に処理されます。 `-x'オプションが指定されている場合は特別で、 順序の違いに意味がでてきます。