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27.20 ナロイング

ナロイング(narrowing)とは、バッファのある部分だけに焦点を当て、 残りの部分を一時的に参照できなくすることです。 扱える部分のことを参照可能範囲と呼びます。 ナロイングを取り消して、バッファ全体を参照できるように戻すことを ワイドニング(widening)と呼びます。

ナロイングすると、他の部分に煩わされることなく、 1つのサブルーチンや段落などに集中できます。 また、置換コマンドやキーボードマクロの適用範囲を制限するのにも利用できます。

C-x n n
ポイントとマークのあいだにナロイングする(narrow-to-region)。
C-x n w
再度バッファ全体を参照可能にする(widen)。
C-x n p
現在のページにナロイングする(narrow-to-page)。
C-x n d
現在の関数定義にナロイングする(narrow-to-defun)。

バッファの一部分へナロイングすると、その部分だけしかないように見えます。 残りの部分は見えませんし、そこへポイントを移動することもできません (移動コマンドは参照可能範囲から外へ出られない)し、 見えない部分はどのようにしても変更できません。 しかし、その部分がなくなったわけではないので、 ファイルに保存すれば参照できないテキストも保存されます。 ナロイングしているあいだは、モード行に`Narrow'と表示されます。

主要なナロイングコマンドはC-x n nnarrow-to-region)です。 現在のリージョンだけが参照可能で、その前後のテキストは参照できないように カレントバッファに制限を課します。 ポイントとマークは変化しません。

別のやり方として、C-x n pnarrow-to-page)は現在のページ だけが見えるようにナロイングします。 ページの定義については、See PagesC-x n dnarrow-to-defun)はポイントを含む関数定義の範囲に ナロイングします(see Defuns)。

ナロイングを取り消すには、C-x n wでワイドニングします。 これによってバッファ中の全テキストが再度参照可能になります。

バッファ中のどの部分にナロイングしているかは、 コマンドC-x =で調べることができます。 See Position Info

ナロイングは、それについて知らないユーザーを簡単に混乱させますので、 narrow-to-regionは、通常、使用禁止コマンドになっています。 このコマンドを使おうとすると、Emacsは確認を求めてきて、 コマンドを使えるようにするかどうか問い合わせてきます。 コマンドを利用可能にすると、それ以後は確認は必要なくなります。 See Disabling