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20.1.3 makeinfoのオプション

makeinfoコマンドはいくつかのオプションをとります.最もよく使用さ れるオプションは,列を補充する値を設定するためのものと,脚注スタイルを指 定するために使用するものです.それぞれのコマンド行のオプションは, `--' を前に置いた単語,または,`-'を前に置いた文字です.長いオ プション名は,唯一に決まる程長い場合は省略可能です.

例えば以下のシェルコマンドで,それそれの段の文字列を68文字で補充する bison.texinfoに対するInfoファイルを作成するために,以下のようなシェ ルコマンドを使用することが可能でしょう.

     makeinfo --fill-column=68 bison.texinfo

二つ以上のオプションを,以下のように続けて書くことが可能です.

     makeinfo --no-split --fill-column=70 ...

これは,Infoファイルを,一つのおそらく大変長いファイルにまとめ,一段の文 字数を70文字に設定します.

オプションは,以下のとおりです.

-D var
変数varを定義します.これは,Texinfoファイルでの@set varと同じです(see set clear value).
--commands-in-node-names
ノード名で@コマンドを許可します.おそらくTeXで実装できないの で推奨しません.また,makeinfoも非常に遅くなります.また,このオ プションは`--no-validate'が使用されているときも無視されます.詳細は, See Pointer Validation.
--docbook
InfoではなくDocBook出力を生成します.
--enable-encoding
`@documentencoding'を元に,Infoやプレーンテキスト出力にアクセント 付の文字と特殊文字を出力します.
--error-limit=limit
-e limit
終了までにmakeinfoが報告するエラーの数の最大値を設定します(続けて も意味が無いでしょう).デフォルトは100です
--fill-column=width
-f width
一段の最大文字数を指定します.これは行の右端です.おそらくこの幅で補充す るでしょう.(補充とは,段を補充し,指定した数と同じまたはそれより短い長 さにするため,行を切ったり繋げたりする処理です.行は単語で切られます.) デフォルト値は72です.`--html'では無視されます.
--footnote-style=style
-s style
脚注の形式をstyleに設定します.ノードの終りの形式のための `end',またはノードを分ける形式の`separate'のいずれかです.こ のオプションで設定した値は,Texinfoファイルで@footnotestyleコマ ンド(see Footnotes)で設定した値に優先します.脚注形式が `separate'のとき,makeinfoは現在のノードで見つかった脚注を含 む新しいノードを作成します.脚注形式が`end'のとき,makeinfo は現在のノードの終りに脚注の参照を置きます.`--html'では無視されま す.
--force
-F
通常,入力ファイルにエラーがある場合,出力ファイルは作成されません.この オプションを用いると,出力ファイルが提供されます.
--help
-h
利用可能なオプションをリストアップした使用方法のメッセージを出力し,正し く終了します.
--html
Infoではなく,HTML出力物を生成します.See makeinfo html. デフォルト で,HTML出力はソースのノードごとに一つの出力ファイルに分割し,トップレベ ルのInfoファイルの名前を用いたサブディレクトリに分割した出力を書き込みま す.
-I dir
@includeコマンドを使用してインクルードしているファイルを見つける ためのディレクトリ検索リストに,dirを追加します.デフォルトで, makeinfoはカレントディレクトリのみを探します.dirが与えられ ていない場合,カレントディレクトリ.が追加されます.dirでは, 通常のパスの分離文字(Unixの`:',MS-DOS/MS-Windowsの`;')で分割 されている複数のディレクトリのリストが可能だということに注意してください.
--ifhtml
--ifinfo
--ifplaintext
--iftex
--ifxml
指定されたフォーマットに対し,該当する出力フォーマットを生成していない場 合でも`@ifformat'と`@format'コマンドを処理します. 例えば,--iftexが指定されている場合,`@iftex'と `@tex'ブロックが読み込まれます.これは,出力を後処理するとき役に立 つはずです.
--macro-expand=file
-E file
指名されたファイルに,全てのマクロを展開したTexinfoソースを出力します. 通常,マクロの展開の結果はmakeinfo内部で使用された後に削除されま す.このオプションは,@macroをサポートしていない古いバージョンの texinfo.texを使用している場合,texi2dviで使用されます.
--no-headers
Info出力に対し,出力にメニューやノードの分離行を含めません.この結果は, (例えば)添付することなく電子メールで送付したり,(INSTALLファイル のように)配布物に含めたりすることが可能な,単純なプレーンテキストファイ ルになります.

HTML出力に対しても同様にメニューは削除されます.そして`--no-split' も指定している場合,それぞれのノードのトップへのナビゲーションリンクは含 めません(これらはデフォルトの状況での分割された出力に含められることもあ りません).See makeinfo html.

どちらの状況でも,デフォルトで標準出力に書き出します(-oで優先さ せることも可能です).

--no-ifhtml
--no-ifinfo
--no-ifplaintext
--no-iftex
--no-ifxml
指定されたフォーマットに対し,該当する出力フォーマットを生成している場合 でも`@ifformat'と`@format'コマンドを処理しません. 例えば,---no-ifhtmlが指定されている場合,`@ifhtml'と `@html'ブロックは読み込まれません.
--no-split
makeinfoでの分割ステージを抑制します.デフォルトで,大きな出力ファ イル(70kバイトより大きいサイズ)はより小さいサブファイルに分割されます. Info出力に対しそれぞれ約50kバイトになります.HTML出力に対し,それぞれの ファイルは一つのノードを含みます(see makeinfo html).
--no-pointer-validate
--no-validate
makeinfoのポインタの有効化のステージを抑制します.これは, @novalidateコマンドでも可能です(see Use TeX).通 常はTexinfoファイルが処理された後,相互参照が解決されていることを確かめ るなどのため,一貫性の調査が行われます.See Pointer Validation.
--no-warn
警告メッセージ(エラーメッセージではない)を抑制します.作成したファ イルにTexinfoの相互参照の例がある場合と,実際には存在しないノードの参照 がある場合にこうしたいもしれません.
--number-sections
印刷されたマニュアルでの,章,セクション,そして付録の番号を出力します.
--no-number-footnotes
自動的な脚注への番号付けを抑制します.デフォルトでmakeinfoは,単 一ノード内のそれぞれの脚注に順番に番号付けを行い,それぞれのノードの開始 時に現在の脚注番号を1にリセットします.
--output=file
-o file
出力を,Texinfoソースで見つかる@setfilenameコマンドで指定したファ イル名ではなく,fileに指定します(see setfilename).file が`-'の場合は出力は標準出力になり,`--no-split'が暗黙に指定さ れます.分割されれたHTML出力では,fileはすべてのHTMLファイルが書き 込まれるディレクトリの名前になります(see makeinfo html).
-P dir
@includeに対するディレクトリ検索リストの前にdirを追加しま す.dirが与えられない場合,カレントディレクトリ.が前に追加 されます.詳細は`-I'を参照してください.
--paragraph-indent=indent
-p indent
段落の字下げ形式をindentに設定します.このオプションで設定した値は, Texinfoファイルで@paragraphindentコマンドで設定した値に優先しま す(see paragraphindent).indentの値は,以下のように解釈されま す.
`asis'
段落の開始で,あらゆる字下げを保存します.
`0' or `none'
既存の字下げを削除します.
num
それぞれの段落を,num個の空白で字下げします.

--reference-limit=limit
-r limit
makeinfoが警告を報告せずに作成する,ノード参照数の値を設定します. ノードにこの数以上の参照がある場合,makeinfoは参照を作成しますが 警告を報告します.デフォルトは1000です.
--split-size=num
Infoファイルを最大num文字に保ちます.デフォルトは50,000文字です.
-U var
varを未定義にします.これは,Texinfoファイルでの@clear varと同じです(see set clear value).
--verbose
makeinfoに,行っていることのメッセージを表示させます.通常 makeinfoは,エラーや警告がある場合のみメッセージを出力します.
--version
-V
バージョンナンバーを出力し,正しく終了します.
--xml
InfoではなくXML出力を生成します.