12.1 cmpのオプション
以下は,gnu cmpが受け入れるオプションすべての概要です.ほ
とんどのオプションは二つの等価な名前があり,一つは`-'を前置する単一
文字でもう一つは`--'を前置する長い名前です.複数の(引数を取らない)
単一文字のオプションを,単一のコマンドラインの単語に組み合わせることが可
能です.-blは-b -lと等価です.
- -b
- --print-bytes
-
差異のあるバイトを出力します.制御文字は`^'にアルファベットを続けて
表示し,ハイビットセットがあるものについては(“メタ(meta)”を意味する)
`M-'をバイトに前置します.
- --help
-
使用方の概要を出力し終了します.
- -i skip
- --ignore-initial=skip
-
入力ファイルの最初のskipバイトにある差異を無視します.skipバ
イトより小さいファイルは,空のファイルとして扱います.skipが
from-skip:to-skipの形式の場合,最初の入力ファイルの
最初のfrom-skipバイトと,二番目のものの最初のto-skipバイトを
読み飛ばします.
- -l
- --verbose
-
(10進数)のバイト数とすべての差異のあるバイトの(8進数)値を出力します.
- -n count
- --bytes=count
-
入力されたバイトの最大countを比較します.
- -s
- --quiet
- --silent
-
何も出力しません.ファイルが異なっているかどうかを示す終了ステータスのみ
返します.
- -v
- --version
-
バージョン情報を出力し終了します.
上記の表では,バイトを数えるオペランドは通常10進数ですが,8進数に対して
は`0'を,16進数に対しては`0x'を前置してもかまいません.
バイトを数えるとき,複数数えるための接尾子指定を後置することが可能です.
この場合,省略された整数は1として理解されます.サイズを示す文字だけのと
きや`iB'が続くものは,1024倍を使用して指定します.`B'が続くサ
イズを示す文字は,その代わりに1000倍を指定します.例えば,-n 4M
と-n 4MiBは-n 4194304と等価ですが,-n 4MBは
-n 4000000と等価です.この表記方法は,10進数に対する
SI prefixesと,
IEC 60027-2 prefixes for binary multiplesへの上位互換性のためです.
以下の接尾子が定義されています.1Y
のような大きいサイズは計算の制
限のため,コンピュータによっては拒否されるかもしれません.
- `kB'
-
キロバイト:10^3 = 1000.
- `k'
- `K'
- `KiB'
-
キビバイト:2^10 = 1024.`K'は特殊です.SIのプレフィクスは
`k',IEC 60027-2のプレフィクスは`Ki'ですが,伝統的なものと
posixでは,`k'を`KiB'の意味で使用します.
- `MB'
-
メガバイト:10^6 = 1,000,000.
- `M'
- `MiB'
-
メビバイト:2^20 = 1,048,576.
- `GB'
-
ギガバイト:10^9 = 1,000,000,000.
- `G'
- `GiB'
-
ギビバイト:2^30 = 1,073,741,824.
- `TB'
-
テラバイト:10^12 = 1,000,000,000,000.
- `T'
- `TiB'
-
テビバイト:2^40 = 1,099,511,627,776.
- `PB'
-
ペタバイト:10^15 = 1,000,000,000,000,000.
- `P'
- `PiB'
-
ペビバイト:2^50 = 1,125,899,906,842,624.
- `EB'
-
エクサバイト:10^18 = 1,000,000,000,000,000,000.
- `E'
- `EiB'
-
エクシビバイト:2^60 = 1,152,921,504,606,846,976.
- `ZB'
-
ゼータバイト:10^21 = 1,000,000,000,000,000,000,000.
- `Z'
- `ZiB'
-
2^70 = 1,180,591,620,717,411,303,424.(`Zi'はIEC 60027-2への
gnu拡張です.)
- `YB'
-
ヨットバイト:10^24 = 1,000,000,000,000,000,000,000,000.
- `Y'
- `YiB'
-
2^80 = 1,208,925,819,614,629,174,706,176.(`Yi'はIEC 60027-2
へのgnu拡張です.)