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編集中のテキストに印字文字を挿入するには、 単にその文字を打ちます。 こうすると、打鍵した文字がバッファのカーソル位置 (すなわちポイント位置。see Point)に挿入されます。 カーソルは右(前向き)に移動して、 それにあわせてカーソル以降のすべてのテキストも右(前向き)に移動します。 バッファ内のテキストが`FOOBAR'であって、 カーソルが`B'に重なっているとすると、 XXと打つとカーソルは`B'に重なったままで、 `FOOXXBAR'となります。
挿入したばかりのテキストを削除(delete)するには、 <DEL>キーを使います。 <DEL>キーはカーソルのまえの文字を削除します (カーソルが重なっている文字ではない。 その文字はカーソルのうしろにある)。 カーソルとカーソル以降のすべてのテキストは左(後向き)に移動します。 つまり、図形文字を1つ打った直後に<DEL>を打つと、 挿入を取り消したことになります。
行を終えて新たな行を打ち始めるには、<RET>を打ちます。 これにより、バッファに改行文字が挿入されます。 ポイントが行の途中にある場合、<RET>は行を分割します。 カーソルが行頭にあるときに<DEL>を打つと、 直前の改行文字が削除されて直前の行と連結されます。
自動詰め込み(auto-fill)モードと呼ばれる特別なマイナモードを オンにしておくと、行が長くなりすぎたときにEmacsが自動的に行を分割します。 自動詰め込み(auto-fill)モードの使い方は、See Filling。
既存のテキストを右に押しやるのではなく、 テキストを順次置き換える(上書きする)のが好みならば、 マイナモードの1つである上書き(overwrite)モードをオンにします。 See Minor Modes。
印字文字と<SPC>は直接挿入できますが、
それ以外の文字は編集コマンドとして機能して、それ自体を挿入しません。
コントロール文字や8進で0200を超える文字コードの文字を挿入したい場合には、
まずControl-q(quoted-insert
)と打って、
それらの文字をクォート(quote)
1
する必要があります。
(Control-qは、通常、C-qと略す。)
C-qの使い方には、つぎの2つがあります。
マルチバイト文字が使用可ならば、 8進コード0200から0377までは正しい文字ではありません。 この範囲のコードを指定すると、 C-qはISO Latin-n文字集合の利用を意図しているとみなして、 指定したコードを対応するEmacs文字コードに変換します。 See Enabling Multibyte。 言語環境の選択(see Language Environments)を介して、 ISO Latin文字集合を1つ選びます。
8進数のかわりに10進数や16進数を使うには、
変数read-quoted-char-radix
に10や16を設定します。
基数が10を超える場合には、aから始まるいくつかの英字は
文字コードの一部として数字の桁と同じように扱われます。
C-qに数引数を指定すると、 クォートした文字を何個挿入するかを指定します(see Arguments)。
カスタマイズ情報:
ほとんどのモードでは、
<DEL>はコマンドdelete-backward-char
を実行します。
<RET>はコマンドnewline
を実行します。
自己挿入の図形文字はコマンドself-insert
を実行します。
self-insert
は、これを起動した文字が何であってもその文字を挿入します。
いくつかのメジャーモードでは、
<DEL>を別のコマンドにバインドし直しています。