5 ノードの選択
このセクションでは,現在のウィンドウで閲覧する新しいノードを選択するため
の,数多くのInfoコマンドを詳述します.
最も基本的なノードコマンドは,`n',`p',`u'と`l'です.
ノードを選択するコマンドは,`--vi-keys'の効果があるときは異なったマッ
ピングがなされていることに注意してください.これらのキーバインドは
“vi-like operation”を基にして設計されています.
ノードを見ているとき,ノードのトップ行は,next,previous,そしてupノード
の場所を記述する,Infoポインタ(pointers)も含んでいます.以下のコマ
ンドを使用するとき,ファイルのノード構造に相対的に移動するため,Infoはこ
の行を使用します.
- <n> (
next-node
)- C-<NEXT> (on DOS/Windows only)
- C-x <n>, vi-like operation
-
`Next'ノードを選択します.
<NEXT>キーは<PgDn>キーとして知られているキーボードもあります.
- <p> (
prev-node
)- C-<PREVIOUS> (on DOS/Windows only)
-
`Prev'のノードを選択します.
<PREVIOUS>キーは<PgUp>キーとして知られているキーボードもあります.
- <u> (
up-node
)- C-<UP> (an arrow key on DOS/Windows only)
- C-x <u>, vi-like operation
-
`Up'ノードを選択します.
`l'コマンド – この名前は"last"を意味します – を使用することで,こ
のウィンドウで既に見たノードを簡単に選択することが可能で,このウィンドウ
で閲覧したノードの履歴から,実際に前に戻ります.おそらく関係する記述を読
むために他のノードへの参照をたどり,移動を開始したのと同じ場所を再び読み
たいときこれは役に立つでしょう.
`l'を押したとき,それぞれのノードは履歴を削除します.このため,ウィ
ンドウで最初に訪れたノードに戻ったとき,ウィンドウのすべての履歴が削除さ
れます.
- <l> (
history-node
)- <C-<CENTER>> (on DOS/Windows only)
- <'>, vi-like operation
-
このウィンドウのノードの履歴から,最も最近選択したノードを引き出します.
二つの追加のコマンドで,最も一般的に選択されるノードの選択が簡単になりま
す.それらは`t'と`d'です.
- <t> (
top-node
)- <M-t>, vi-like operation
-
現在のInfoファイルで,ノード`Top'を選択します.
- <d> (
dir-node
)- <M-d>, vi-like operation
-
ディレクトリノード(すなわち,ノード`(dir)')を選択します.
現在のウィンドウで,異なるノードの選択を結果がすぐさま得られるその他のコ
マンドもあり,それらは以下のものです.
- <<> (
first-node
)- <g>, vi-like operation
-
このファイルで最初に現われるノードを選択します.このノードは,`Top'
が最も多くなっていますが,そうである必要はありません.数字の引数N
を用いた場合,(最初のノードを1として)N番目のノードを選択します.ゼ
ロの引数は1の引数と同じです.
- <>> (
last-node
)- <G>, vi-like operation
-
このファイルの最後に現われるノードを選択します.数字の引数Nを用い
た場合,(最初のノードを1として)N番目のノードを選択します.ゼロの引
数は引数が無いものと同じで,すなわち,最後のノードを選択します.
- <]> (
global-next-node
) -
ノード構造を進める,または下に移動します.現在見ているノードに
`Next'ポインタがある場合,そのノードが選択されます.それ以外の場合,
このノードにメニューがある場合は最初のメニュー項目が選択されます.
`Next'とメニューが無い場合,このノードの`Up'ノードで同じ処理を
試みます.
- <[> (
global-prev-node
) -
ノード構造を戻る,または上に移動します.現在見ているノードに`Prev'
ポインタがある場合,そのノードが選択されます.それ以外の場合,`Up'
ポインタがある場合はそのノードが選択され,メニューがある場合は,メニュー
の最後の項目が選択されます.
ファイル全体を,<SPC>と<DEL>で単純にスクロールしている間,
global-next-node
とglobal-prev-node
で同じ動作を行なうことが
可能です.詳細は,See scroll-behavior
.
- <g> (
goto-node
)- C-x <g>, vi-like operation
-
ノード名を読み込みそれを選択します.ノード名を読み込んでいるとき,現在の
InfoセクションでロードされているInfoファイルに存在しているノードに対して
のみ補完が行われます(see completion).他のファイルに
存在するノードが必要な場合,そのInfoファイルに存在するノードを正確に入力
し,他のファイルのInfoファイルを含める必要があります.例えば以下のように
します.
g(emacs)Buffers
これでInfoファイルemacsで`Buffers'を探します.
- <O> (
goto-invocation
- <I>
-
プログラム名を読み込み,現在のInfoファイルで,プログラムの呼び出しとコマ
ンドラインオプションを記述しているノードを探します.デフォルトプログラム
名は現在のInfoファイル名から得られます.このコマンドは
`--show-options'コマンドラインオプションと同じですが,それは常にプ
ログラム名を指定することが可能です.これは,複数のプログラムを記述してい
るマニュアルに対して重要です.
他のInfoファイルのプログラムの呼び出しのノードを見つける必要がある場合,
`I'を呼び出す前に,そのファイルに移動する必要があります.例えば,
Emacsマニュアルを読んでいて,makeinfo
プログラムのコマンドラインオ
プションを見たい場合,g (texinfo) <RET>とし,その後でI
makeinfo <RET>を入力する必要があります.そのコマンドを説明している
Infoファイルを知らない場合,(`d'コマンドを使用して)`(dir)' ノー
ドへ行き,そこで`I'を呼び出してください.
- <G> (
menu-sequence
) -
メニュー項目の順番を読み込み,それをたどります.Infoは,カンマで分けられ
たメニュー項目を順番にプロンプトを出します.(カンマはノード名で許可され
ていないので,それらはメニュー項目のリストでのデリミタとして当然の選択で
す.)Infoは,ノード`(dir)'のメニューで最初の項目を調べます
(`(dir)'ノードが見つからない場合,Infoは`Top'を使用します).そ
のような項目が見つかった場合,Infoはそれが指し示すノードへ行き,そのノー
ドのメニュー項目の二番目の項目を調べる等のようにします.言い換えると,
`(dir)'ノードで開始する特定のInfoファイルの,メニュー階層を下ってい
く,完全なパスを指定することが可能です.これは,Infoのコマンドラインでメ
ニュー項目の順序を入力したのと同じ効果があります.Info command-line arguments processingを参照してください.例え
ば,以下のようにします.
G Texinfo,Overview,Reporting Bugs <RET>
これは,Texinfoマニュアルのノード`Reporting Bugs'を表示します.(メ
ニュー項目の全部,または大文字小文字を正確に区別して,メニュー項目を実際
に入力する必要はありません.しかし,正確にメニュー項目を入力した場合,見
つけるのが速くなります.)
入力したメニュー項目が見つからない場合,Infoは見つかった最後の項目で停止
し,エラーを報告します.
- C-x <k> (
kill-node
) -
ノードをキルします.デフォルトとして現在のノードを用いて,ノード名がエコー
エリアにプロンプトとして出力されます.キルする(Killing)とは,ノー
ドが見つかったウィンドウに対して記録してある,Infoに忘れさせることが難し
いノードの履歴のリストから,それを削除することを意味します.キルされたノー
ドを含んでいるウィンドウに別のノードが選択されます.
- C-x C-f (
view-file
) -
ファイル名を読み込み,ファイル全体を選択します.そのコマンドは,以下のよ
うにします.
C-x C-f
filename
これは以下の入力と同じです.
g(
filename)*
- C-x C-b (
list-visited-nodes
) -
現在訪問している全てのノードのメニューを含んでいるウィンドウを作成します.
このウィンドウが選択されたウィンドウになり,そこで標準的なInfoコマンドを
使用してもかまいません.
- C-x <b> (
select-visited-node
) -
訪問しているウィンドウで前回訪問したノードを選択します.`C-x C-b'に
`m'を続けたものに似ていますが,ウィンドウは作成されません.