第6章 グラフの調整

ここでは,グラフの見た目などを調整する際の次の基本的な操作について解説します.

  1. フィギュアを設定する

  2. レジェンドを設定する

  3. 軸を設定する

  4. 文字列の記述方法

1. フィギュアを設定する

フィギュアのプロパティ設定は,プロパティダイアログの利用やマウス操作によって行うことができます.

1.1. マウス操作によるフィギュアの移動およびサイズ変更

フィギュアはマウス操作によって,自由に移動やリサイズを行うことができます.

フィギュアに対してマウス操作を行なうためには,まず,対象となるフィギュアの矩形領域の中の,他のオブジェクト (レジェンド,ラベル,スケールなど) が何も配置されていない領域をクリックして,フィギュアを選択する必要があります.

フィギュアが選択されると,そのフィギュアが選択されたことを示すアンカーポイントがフィギュアの矩形上に表示されます.

1.1.1. 平行移動

移動させたいフィギュアをマウスでドラッグして,好きな場所でマウスボタンを離すことにより,フィギュアを移動させることができます.

1.1.2. サイズ変更

サイズを変更したいフィギュアを選択し,表示された任意のアンカーポイントをドラッグします.好きな場所でマウスボタンを離すことにより,フィギュアのサイズを変更できます.

キーボードのシフトキーを押しながら,ドラッグすることでフィギュアの縦横比を保ったままサイズを変更できます.

1.1.3. グリッドに合わせる

マウス操作によってフィギュアの移動やリサイズを行う際,フィギュアをウインドウのグリッド線に合わせながら行うことが可能です.

グリッド線に合わせるかどうかを,次の 2通りの方法で設定可能です.

  • メニューバーから LayoutGridSnap to Grid (Alt-Shift-S) を選択する.

  • フィギュアの矩形領域の中の他のオブジェクトが何も配置されていない領域を右クリックしメニューを表示させ,Snap To Gridを選択する.

グリッド線に合わせた状態でフィギュアをマウスでドラッグすると,フィギュアの矩形領域の左下がグリッド線の格子点上に重なった状態で移動します.

1.2. プロパティダイアログを用いたフィギュアのプロパティ設定

次の 2通りの方法でフィギュアのプロパティダイアログを表示できます.

  • フィギュアの矩形領域の中の他のオブジェクトが何も配置されていない領域をダブルクリックする.

  • フィギュアの矩形領域の中の他のオブジェクトが何も配置されていない領域を右クリックしメニューを表示させ,Propertyを選択する.

フィギュアのプロパティダイアログは,Figure と Grid の 2つのタブから構成されています.

それぞれのタブでは,以下の項目を設定できます.

  • Figure タブでは,フィギュアの矩形領域やその周辺の配置などに関するプロパティ設定が可能です.

    1. フィギュアの矩形領域の左上隅の位置座標

    2. フィギュアの矩形領域の横幅および縦幅

    3. フィギュアの矩形領域から軸のスケールの数字までの距離

    4. 軸のスケールの数字から軸タイトルまでの距離

    5. フィギュア矩形領域の透明・不透明

    6. フィギュア矩形領域の色

    7. レジェンドの表示・非表示

  • Grid タブでは,フィギュアの矩形領域内部に描画されるグリッド線のプロパティ設定が可能です.

    1. グリッド線の表示位置を参照する軸

    2. グリッド線の表示・非表示

    3. グリッド線の位置の自動設定

    4. グリッド線の間隔

    5. グリッド線の基準値

    6. グリッド線の線幅

    7. グリッド線の色

    8. グリッド線の線種

2. レジェンドを設定する

レジェンドは描画されているデータの外観とそのデータ名を示したものです.新規にデータを読み込んだ際に自動的に作成され,データの追加・移動・変更の都度,自動的に内容が更新されます.

2.1. 表示位置の変更

レジェンドの表示位置を変更するには,マウスでドラッグして移動させます.

2.2. データ名の変更

レジェンド内のデータ名を変更するには,レジェンド内のデータ名をクリックし編集モードに切り替えて直接文字を入力します.

データ名の変更後,リターンキーを押すか,ウィンドウの異なる所をクリックしフォーカスをはずすことで編集を終了します.

文字列の記述方法については,項4. 「文字列の記述方法」 で解説します.

2.3. プロパティの設定

レジェンドに対して詳細な設定を施すには,レジェンドのプロパティダイアログを用います.

次の 2通りの方法でレジェンドのプロパティダイアログを表示できます.

  • レジェンド内のデータ名以外の部分をダブルクリックする.

  • レジェンド内のデータ名以外の部分を右クリックしメニューを表示させ,Propertyを選択する.

レジェンドのプロパティダイアログでは,次の項目を設定できます.

  1. レジェンドの表示位置を参照する軸

  2. レジェンドの表示・非表示

  3. レジェンドの表示位置

  4. フォントの種類

  5. フォントのスタイル

  6. フォントのサイズ

  7. フォントの文字色

  8. 境界線フレームの表示・非表示

  9. 境界線フレームの線の幅

  10. 境界線フレームの線の色

  11. レジェンドの背景の透明・不透明

  12. レジェンドの背景色

  13. レジェンド内の描画要素の横幅

3. 軸を設定する

フィギュアは,上下の X軸,左右の Y軸の計 4種類の軸を保持しています.描画されるデータはそれぞれ,いずれか 1つの X 軸,Y 軸に対応づけられます.

3.1. プロパティの設定

軸のプロパティダイアログを用いることにより,上下左右 4種類の軸に関する設定,表示フォントに関する設定を変更できます.

次の 2通りの方法で軸のプロパティダイアログを表示できます.

  • 軸の構成部品 (軸線,スケール,スケールの数字) をダブルクリックする.

  • 軸の構成部品を右クリックしメニューを表示させ,Propertyを選択する.

これらの操作により軸のプロパティダイアログが表示されます.

軸のプロパティダイアログには,共通の設定項目と上下左右の各軸に対する個別の設定項目があります.設定できる各項目は次の通りです.

  • 共通の設定項目

    1. タイトルとスケールの数字のフォントの種類

    2. タイトルとスケールの数字のフォントのスタイル

    3. タイトルとスケールの数字のフォントのサイズ

    4. タイトルとスケールの数字のフォントの色

    5. フレームの表示・非表示

    6. フレームの線の幅

    7. フレームの線の色

    8. 軸線の幅

    9. スケール線の幅

    10. スケール線の長さ

    11. スケール線の色

  • 各軸に対する個別の設定項目

    1. 軸の表示・非表示

    2. 軸タイトルの表示・非表示

    3. 軸タイトルの文字列

    4. スケールの最大値・最小値

    5. スケールの表示モード (Liner, Log)

    6. スケールの最大値・最小値の反転

    7. スケールの値の刻み幅とベース値を自動計算するかどうか

    8. スケールの刻み幅

    9. スケールのベース値

    10. スケールの表示・非表示

    11. スケールの表示方向 (Inner, Outer)

    12. スケールの数字の表示・非表示

    13. スケールの数字を整数値で表示するかどうか

    14. スケールの数字を科学表記 (少数と10のべき数との積で表示) するかどうか

    15. スケールの数字を科学表記する際の 10のべき数

3.2. マウス操作によるスケールの変更

プロパティダイアログで設定できる項目のうち,スケールの表示範囲の最大値・最小値の設定は,次の 2種類のマウス操作によっても行うことができます.

  • スケールの表示範囲の拡大・縮小

    軸のスケールの数字をクリックした状態で,軸の方向へスライドさせることにより,描画されているグラフが軸方向に拡大・縮小変形します.

  • スケールの表示範囲の平行移動

    軸のスケールをクリックした状態で,その軸の方向へスライドさせることにより,描画されているグラフが平行移動します.

4. 文字列の記述方法

各軸のタイトルやレジェンドのデータ名などで利用する文字列は,上付き・下付き文字をTeX に似た記述方法により表現できます.

この記述方法は 章 7. シンボルの配置 で解説するシンボルの文字列などにも同様に適用されます.

4.1. 上付き文字

上付きにしたい文字の直前にハット「^」を付与することで文字が上付きになります.

例えば, と記述した場合は, のようになります.

4.2. 下付き文字

下付きにしたい文字の直前にアンダーバー「_」を付与することで文字が下付きになります.

例えば, と記述した場合は, のようになります.

4.3. 上付き・下付きのグループ化

文字列を上付きや下付きにしたい場合,中括弧「{}」で囲むことで,括弧に囲まれた文字列をグループ化でき,まとめて上付き・下付きにできます.

例えば, と記述した場合は, のようになります.

また,この中括弧とハットやアンダーバーを組み合わせ,再帰的に記述することで多段の上付き・下付きの文字列も表現できます.

4.4. 特殊記号の表示

ハット「^」,アンダーバー「_」,中括弧「{}」は,上付き・下付きを表現するための特殊記号として扱われます.

これらの特殊記号をそのまま表示するには,バックスラッシュ(円記号)「¥」を直前に付与し,「¥^」や「¥_」と記述します.

また,バックスラッシュ(円記号)「¥」単体を表示させる場合も同様に「¥¥」と記述します.

Last updated: 2006/02/23