Make One Linuxオンラインマニュアル
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2.事前準備

重要なファイルのバックアップ&削除

重要なファイルを他のメディアへバックアップして、全て削除します。具体的には次のファイルをバックアップ&削除しておくことをお薦めします。

  • 不要なアカウント
  • バックアップファイル
  • ウェブブラウザ等のキャッシュ、履歴、クッキー

上記のファイル以外にも、個人情報の流出に繋がりかねないファイルは極力削除しておいてください。1CD/DVD Linuxは持ち運びが楽な分、紛失、盗難に遭いやすいです。どうしても削除できないファイルがある場合はexclude-file.listに該当するファイルを列挙しておいてください。(exclude-file.listについては次項をご参照ください)

設定ファイルの編集

設定ファイルの編集をします。Make One Linuxの設定ファイルには次のようなものがあります。

  • exclude-file.list
  • include-module.list
  • isolinux.cfg
  • molmake.conf

各設定ファイルの意味、編集方法は次の通りです。

  • exclude-file.list
  • 作成する1CD/DVD Linuxには含めたくないファイル、ディレクトリを記述します。作成するISO9660イメージファイルがCD/DVDディスクメディアの容量に収まらなくなるおそれがある場合は、このファイルに不要なファイルを指定してください。次のように各ファイルをフルパスで一行ごとに列挙してください。

    /opt、/usr/local、/usr/srcを削除する場合
    /opt
    /usr/local
    /usr/src
    
  • include-module.list
  • 初期RAMディスク(initrd.img)に組み込んでおくカーネルモジュールを記述します。起動に必要なモジュールは自動的に組み込まれるのでここで指定する必要はありません。次のように各モジュールを一行ごとに列挙してください。

    foo.koとbar.koを組み込む場合
    foo
    bar
    
  • isolinux.cfg
  • Make One LinuxはISOLINUXをブートローダとして使用しています。isolinux.cfgはそのISOLINUXの設定ファイルです。このファイルの書式はISOLINUXのマニュアルが詳しいのでそちらをご覧ください。

  • make-device.list
  • initramfs内の/dev以下に保存されるファイルを作成する際に使用される設定ファイルです。

    ディレクトリを作成する場合
    書式:d <アクセス権> <ユーザ> <グループ> <ディレクトリ名>

    d 755 root root pts
    

    ブロックデバイスファイルを作成する場合
    書式:b <アクセス権> <ユーザー> <グループ> <メジャーNo.> <マイナーNo.> <連番開始番号> <連番終了番号> <ファイル名> [nozero]

    b 640 root root 1  	0   1 16 ram nozero
    

    キャラクタデバイスファイルを作成する場合
    書式:c <アクセス権> <ユーザー> <グループ> <メジャーNo.> <マイナーNo.> <連番開始番号> <連番終了番号> <ファイル名> [nozero])

    c 640 root root 1  	1   1 1  mem
    

    シンボリックリンクを作成する場合
    書式:l <ファイル名> <参照先>

    l ram ram1
    

    nozeroを指定した場合は0の連番がファイル名に付かなくなります。また、連番をつけたくないデバイスの場合は連番開始、終了番号にそれぞれ1を指定してください。

  • molmake.conf
  • molmakeコマンドの設定ファイルです。このファイルは次のような内容になっています(この内容はMake One Linux 0.7.0のものです)。

    ## === Make One Linux 0.7.0 Setup Configuration File === ##
    
    #
    # Configuration files in @CONFIG_ROOT@/molmake.conf.d will overwrite
    # this file's settings. If your settings are not applied, check this
    # directory.
    #
    
    #===================================
    # Release Version
    #===================================
    KERNEL_RELEASE="$(uname -r)"
    MOL_VERSION="@MOL_VERSION@"
    
    #===================================
    # Build Root Directories
    #===================================
    BUILD_ROOT="/tmp/molmake"
    ISODIR="/tmp/molmake"
    INITRAM_ROOTDIR="${BUILD_ROOT}/initram-rootdir"
    MODULE_ROOTDIR="${BUILD_ROOT}/module-rootdir"
    ISO_ROOTDIR="${BUILD_ROOT}/iso-rootdir"
    
    #===================================
    # Live Data Directories
    #===================================
    LIVEDATA_ROOT="@LIVEDATA_ROOT@"
    EXEC_DATA="${LIVEDATA_ROOT}/exec"
    PATCH_DATA="${LIVEDATA_ROOT}/patch"
    REPLACE_DATA="${LIVEDATA_ROOT}/replace"
    ISOLINUX_DATA="${LIVEDATA_ROOT}/isolinux"
    INSTALLER_DATA="${LIVEDATA_ROOT}/installer"
    
    # additional variables for isolinux
    ISOLINUXBIN="@ISOLINUXBIN@"
    ISOLINUXCFG="${ISOLINUX_DATA}/isolinux.cfg"
    
    # additional variables for installer
    INSTALL2WIN="yes"
    INSTALL2LIN="yes"
    
    #===================================
    # List Files and Directories
    #===================================
    IN_MOD_LIST="${CONFIG_ROOT}/include-module.list"
    EX_FILE_LIST="${CONFIG_ROOT}/exclude-file.list"
    MK_DEV_LIST="${CONFIG_ROOT}/make-device.list"
    PATCH_LISTDIR="${CONFIG_ROOT}/patch_list"
    REPLACE_LISTDIR="${CONFIG_ROOT}/replace_list"
    MODULE_LISTDIR="${CONFIG_ROOT}/module_list"
    
    #===================================
    # Initial RAM
    #===================================
    MKDIR_ON_INITRAM="modules exec media mnt/floppy proc selinux net misc sys var/log tmp"
    MKLINK_ON_INITRAM=""
    MKFILE_ON_INITRAM=""
    CPYCMD_ON_INITRAM="init unionctl eject blkid"
    
    #===================================
    # Modules
    #===================================
    MODULE_FS="squashfs"
    #MODULE_FS="cloop" # not support cloop yet
    
    #===================================
    # ISO9660 Image File SUFFIX
    #===================================
    ISO_SUFFIX=
    
    #===================================
    # KERNEL and INITRAM
    #===================================
    KERNEL=/boot/vmlinuz-${KERNEL_RELEASE}
    INITRAM=${BUILD_ROOT}/initrd.img
    
    #===================================
    # Module List
    #===================================
    MODULE_LIST=" \
    	     cdrom.ko \
    	     usbcore.ko \
    	     ehci-hcd.ko \
    	     uhci-hcd.ko \
    	     ohci-hcd.ko \
    	     usbhid.ko \
    	     loop.ko \
    	     ide-cd.ko \
    		 ide-generic.ko \
    		 generic.ko \
    	     isofs.ko \
    	     nls_cp437.ko \
    	     nls_utf8.ko \
    	     fat.ko \
    	     vfat.ko \
    	     ntfs.ko \
    	     jbd.ko \
    	     ext3.ko \
    	     reiserfs.ko \
    	     squashfs.ko \
    		 unionfs.ko \
    		 aufs.ko \
    		 cloop.ko"
    
    SCSI_MODULE_LIST=" \
    	     scsi_mod.ko \
    	     sr_mod.ko \
    	     aha1740.ko \
    	     aha1542.ko \
    	     aha152x.ko \
    	     pas16.ko \
    	     psi240i.ko \
    	     qlogicfas.ko \
    	     qlogicfs.ko \
    	     seagate.ko \
    	     t128.ko \
    	     u14-34f.ko \
    	     wd7000.ko \
    	     aic7xxx.ko \
    	     BusLogic.ko \
    	     ncr53c8xx.ko \
    	     NCR53c406a.ko \
    	     initio.ko \
    	     mptscsih.ko \
    	     advansys.ko \
    	     atp870u.ko \
    	     dtc.ko \
    	     eata.ko \
    	     fdomain.ko \
    	     gdth.ko \
    	     megaraid.ko \
    	     pci2220i.ko \
    	     pci2000.ko \
    	     qlogicisp.ko \
    	     tmscsim.ko \
    	     ultrastor.ko \
    	     3w-xxxx.ko \
    	     ataraid.ko \
    	     silraid.ko \
    	     medley.ko \
    	     pdcraid.ko"
    
    STORAGE_MODULE_LIST=" \
    	     usb-storage.ko \
    	     sd_mod.ko \
    	     ieee1394.ko \
    	     ohci1394.ko \
    	     sbp2.ko"
    
    

    各設定項目の意味は次の通りです。

    KERNEL_RELEASE
    Make One Linuxで使用するLinuxカーネルバージョン名です。標準で現在起動中のバージョンが使用されます。

    MOL_VERSION
    Make One Linuxのバージョンです。

    BUILD_ROOT
    molmakeコマンド(molmake-initramfs、molmake-modules、molmake-iso)実行時に使用される作業用ディレクトリを指定します。標準で/tmp/molmakeディレクトリを使用します。このディレクトリには巨大な圧縮ファイルシステムモジュールが作成されるため、BUILD_ROOTにはなるべく空き容量に余裕のある場所を指定してください。

    ISODIR
    molmake-isoコマンドによって作成されるISOファイルの保存場所を指定します。ISOファイルはかなり大きなサイズになるので、ハードディスクの空き容量に余裕のある場所を指定してください。

    INITRAM_ROOTDIR
    作成するinitramfsの仮ルートディレクトリを指定します。

    MODULE_ROOTDIR
    作成する圧縮モジュールの仮ルートディレクトリを指定します。

    ISO_ROOTDIR
    作成するISOファイルの仮ルートディレクトリを指定します。

    LIVEDATA_ROOT
    作成するライブCD/DVDにインストールされるファイル、適用されるパッチ等が保存されているディレクトリを指定します。

    EXEC_DATA
    作成するライブCD/DVDにインストールする実行ファイルが保存されたディレクトリを指定します。

    PATCH_DATA
    作成するライブCD/DVD用に適用するパッチが保存されたディレクトリをを指定します。

    REPLACE_DATA
    ベースOS上のファイルと置き換える必要があるファイルを保存しておくためのディレクトリを指定します。

    ISOLINUX_DATA
    ブートローダのISOLINUXで使用するファイルが保存されたディレクトリを指定します。

    INSTALLER_DATA
    install2win.batやinstall2lin.shといったハードディスクインストーラが保存されたディレクトリを指定します。

    ISOLINUXBIN
    isolinux.binファイルをフルパスで指定します。

    ISOLINUXCFG
    ISOLINUXの設定ファイル(isolinux.cfg)をフルパスで指定します。

    INSTALL2WIN
    作成するCD/DVDにinstall2win.batを組み込むかどうかを指定します。install2win.batは作成したCD/DVDをWindows領域にインストールするためのスクリプトです。このスクリプトを組み込む場合はyesと指定してください。デフォルトでyesが指定されています。
    INSTALL2LIN
    作成するCD/DVDにinstall2lin.shを組み込むかどうかを指定します。install2lin.shは作成したCD/DVDをLinux領域にインストールするためのスクリプトです。このスクリプトを組み込む場合はyesと指定してください。デフォルトでyesが指定されています。
    IN_MOD_LIST
    include-module.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/include-module.listが指定されます。

    EX_FILE_LIST
    exclude-file.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/exclude-file.listが指定されます。

    MK_DEV_LIST
    initramfs内のdevディレクトリ以下に作成されるファイルのリストをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/make-device.listが指定されます。
    PATCH_LISTDIR
    ベースOSに対してライブCD/DVD用にパッチを適用する場合、その対応関係を記述したリストを保存しておくためのディレクトリをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/patch_listが指定されます。
    REPLACE_LISTDIR
    ベースOS上のファイルをライブCD/DVD用のものと置き換える必要がある場合、その対応関係を記述したリストを保存しておくためのディレクトリをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/replace_listが指定されます。
    MODULE_LISTDIR
    圧縮モジュールの作成方法を記述したリストを保存しておくためのディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/module_listが指定されます。
    MKDIR_ON_INITRAM
    initramfs内に作成するディレクトリを指定します。
    MKLINK_ON_INITRAM
    initramfs内に作成するシンボリックリンクを指定します。リンク先はinitramfs内の/unionfs以下にある同名のディレクトリとなります。
    MKFILE_ON_INITRAM
    initramfs内に作成する空のファイルを指定します。
    CPYCMD_ON_INITRAM
    initramfs内にコピーする実行コマンドを指定します。実行コマンドの場所はPATH環境変数から検索されます。ライブラリが必要なコマンドの場合は、そのライブラリもinitramfs内にコピーされます。
    MODULE_FS
    圧縮イメージのファイルシステムを指定します。但し、現在のMOLではsquashfs以外のファイルシステムは指定できません。
    ISO_SUFFIX
    ISO9660イメージのファイル名やボリュームIDに使用する接尾文字を指定します。デフォルトでは何も指定されていません。

    KERNEL
    MOLで使用するカーネルをフルパスで指定します。
    INITRAM
    MOLで使用するinitramfsをフルパスで指定します。
    MODULE_LIST, SCSI_MODULE_LIST, STORAGE_MODULE_LIST
    ライブCD/DVDの起動に必要なカーネルモジュールを指定します。特に問題が無ければ初期値のままにしておいてください。
    HWSETUP
    hwsetup-molコマンドをフルパスで指定します。通常はhwsetup-molパッケージで提供される追加設定ファイルで指定されます。
    DDCXINFO
    ddcxinfo-molコマンドをフルパスで指定します。通常はddcxinfo-molパッケージで提供される追加設定ファイルで指定されます。
    BUSYBOX
    busybox-molコマンドをフルパスで指定します。通常はbusybox-molパッケージで提供される追加設定ファイルで指定されます。
    XSETUP
    xsetup-molコマンドをフルパスで指定します。通常はxsetup-molパッケージで提供される追加設定ファイルで指定されます。

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