設定ファイルの編集をします。Make One Linuxの設定ファイルには次のようなものがあります。
- exclude-file.list
- exclude-package.list
- hierarchy.list
- include-module.list
- isolinux.cfg
- molmake.conf
各設定ファイルの意味、編集方法は次の通りです。
- exclude-file.list
作成する1CD/DVD Linuxには含めたくないファイル、ディレクトリを記述します。作成するISO9660イメージファイルがCD/DVDディスクメディアの容量に収まらなくなるおそれがある場合は、このファイルに不要なファイルを指定してください。次のように各ファイルをフルパスで一行ごとに列挙してください。
/opt、/usr/local、/usr/srcを削除する場合
/opt
/usr/local
/usr/src
exclude-package.list
作成する1CD/DVD Linuxには含めたくないrpmパッケージを記述します。作成するISO9660イメージファイルがCD/DVDディスクメディアの容量に収まらなくなるおそれがある場合は、このファイルに不要なrpmパッケージを指定してください。次のように各パッケージを一行ごとに列挙してください。
foo-x.x.x.arch.rpmとbar-y.y.y.arch.rpmパッケージを削除する場合
foo
bar
hierarchy.list
1CD/DVD Linuxを起動する際にRAMディスク上に展開するファイルの構成などを記述します。このファイルには次のような関数が定義されています。
- make_writable() : CD/DVDからRAMディスク上へ丸ごとコピーするファイルを指定します。
make_writable file_name|dir_name|link_name
make_empty_dir() : RAMディスク上に作成する空のディレクトリを指定します。
make_empty_dir dir_name
make_empty_file() : RAMディスク上に作成する空のファイルを指定します。
make_empty_file file_name
change_mode() : RAMディスク上のファイルのパーミッションを指定します。
change_mode mode file_name|dir_name
del_link() : 指定されたディレクトリ以下のリンクをRAMディスクから全て削除します。
del_link dir_name
fix_link() : リンク先が書き込み可能でなければならない場合、この関数を指定することでそのリンク先をRAMディスク上に配置します。
fix_link link_name
remove() : 指定されたファイルをRAMディスク上から削除します。
remove file_name|dir_name|link_name
include-module.list
初期RAMディスク(initrd.img)に組み込んでおくカーネルモジュールを記述します。起動に必要なモジュールは自動的に組み込まれるのでここで指定する必要はありません。次のように各モジュールを一行ごとに列挙してください。
foo.koとbar.koを組み込む場合
foo
bar
isolinux.cfg
Make One LinuxはISOLINUXをブートローダとして使用しています。isolinux.cfgはそのISOLINUXの設定ファイルです。このファイルの書式はISOLINUXのマニュアルが詳しいのでそちらをご覧ください。
molmake.conf
molmakeコマンドの設定ファイルです。このファイルは次のような内容になっています(この内容はMake One Linux 0.6.0のものです)。
#==================================================#
# Make One Linux 0.6.0 -- Setup Configuration File #
#==================================================#
## === Kernel Release Version === ##
KERNEL_RELEASE="$(uname -r)"
## === Build Directories === ##
BUILD_ROOT="/tmp/molmake"
ISODIR="/tmp/molmake"
## === System Directories === ##
SBINDIR="/usr/sbin"
LIBEXECDIR="/usr/libexec"
SYSCONFDIR="/etc"
DATADIR="/usr/share"
## === Commands === ##
MKSQUASHFS="/usr/bin/mksquashfs"
ISOLINUXBIN="/usr/lib/mol/isolinux/isolinux.bin"
HWSETUP="/usr/libexec/hwsetup-mol"
DDCXINFO="/usr/libexec/ddcxinfo-mol"
BUSYBOX="/usr/libexec/busybox-mol"
## === List Files === ##
EX_FILE_LIST="/etc/mol/exclude-file.list"
EX_PKG_LIST="/etc/mol/exclude-package.list"
IN_MOD_LIST="/etc/mol/include-module.list"
## === Initial RAMDISK === ##
INITRD_BS="1k"
INITRD_COUNT="16384"
COPY_INITRD_TO_BOOTDIR="no"
## === Main System === ##
MAIN_FS="squashfs"
#MAIN_FS="ext2"
#MAIN_FS="ext3"
#MAIN_FS="reiserfs"
#MAIN_FS="raw"
MAINFS_BS="1k"
MAINFS_COUNT="696320"
## === ISO9660 Image File SUFFIX === ##
ISO_SUFFIX="${DISTRIBUTION}"
## === MOL Installer === ##
INSTALL2WIN="yes"
INSTALL2LIN="yes"
〜〜以下略〜〜
各設定項目の意味は次の通りです。
- KERNEL_RELEASE
- Make One Linuxで使用するLinuxカーネルバージョン名です。標準で現在起動中のバージョンが使用されます。
DISTRIBUTION (obsolete)
ベースにするディストリビューションを指定します。次のように指定してください。
RHEL 4、及びRHEL 4ベースのディストリビューションを使用する場合 |
: |
RHEL4 |
Fedora Core 5を使用する場合 |
: |
Fedora5 |
- BUILD_ROOT
- mkinitrd-mol、mkfs-mol、mkisofs-molコマンド実行時に使用される作業ディレクトリを指定します。標準で/tmp/molmakeディレクトリを使用します。後述するMAIN_FS変数にraw以外のファイルシステムを指定した場合、このディレクトリに巨大なイメージファイルが作成されるため、BUILD_ROOTにはなるべく空き容量に余裕のある場所を指定してください。
- ISODIR
- mkisofs-molコマンドによって作成されるISO9660イメージファイルの保存場所を指定します。ISO9660イメージファイルはかなり大きなサイズになるので、ハードディスクの空き容量に余裕のある場所を指定してください。
- SBINDIR
- molmakeコマンドやmkinitrd-molコマンド等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/usr/sbinが指定されます。
- LIBEXECDIR
- linuxrcスクリプトやautosetup-molスクリプト等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/usr/libexecが指定されます。
- SYSCONFDIR
- molmake.confやexclude-file.list等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etcが指定されます。
- DATADIR
- 画像ファイルやパッチファイル等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/usr/shareが指定されます。
- MKSQUASHFS
- mksquashfsコマンドを指定します。デフォルトでmksquashfsが指定されます。
- ISOLINUXBIN
- isolinux.binファイルをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかったばあいは/usr/lib/syslinux/isolinux.binが指定されます。
- HWSETUP
- hwsetup-molコマンドをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかった場合は/usr/libexec/hwsetup-molが指定されます。
- DDCXINFO
- ddcxinfo-molコマンドをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかった場合は/usr/libexec/ddcxinfo-molが指定されます。
- BUSYBOX
- busybox-molコマンドをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかった場合は/usr/libexec/busybox-molが指定されます。
- EX_FILE_LIST
- exclude-file.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/exclude-file.listが指定されます。
- EX_PKG_LIST
- exclude-package.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/exclude-package.listが指定されます。
- IN_MOD_LIST
- include-module.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/include-module.listが指定されます。
- INITRD_BS
- 初期RAMディスク(initrd.img)を作成する際に一度に読み書きするブロックサイズを指定します。初期値は1kです。よく解らない場合は初期値のままにしておいてください。
- INITRD_COUNT
- 初期RAMディスク(initrd.img)を作成する際に読み込むブロックの個数を指定します。初期値は16384です。よく解らない場合は初期値のままにしておいてください。
- COPY_INITRD_TO_BOOTDIR
- Make One Linuxで使用する初期RAMディスクをベースディストリビューションの/bootディレクトリにもコピーするかどうかを指定します。コピーする場合はyesを指定してください。コピーしない場合は何も指定しないでください。
- コピーした場合は/bootディレクトリにinitrd-mol-x.y.z.imgという名前で保存されます(x.y.zはMake One Linuxのバージョン名)。また、作成した初期RAMディスクからベースディストリビューションを起動するためのメニューをブートローダへ自動的に追加します。
- MAIN_FS
- Make One Linuxで使用するイメージファイルのファイルシステムを指定します。squashfs、ext2、ext3、reiserfs、rawの中から一つ選択できます。デフォルトでsquashfsが指定されています。
- 通常はsquashfsを指定することをお薦めします。このファイルシステムは圧縮処理がなされるため、大容量のシステムをCD/DVDに納めることができます。
- 尚、rawを指定するとイメージファイルを使用しないLiveCD/DVDを作成することができます。但し、この場合LiveCD/DVDの起動時間が異常に長くなってしまうのでご注意ください。
- MAINFS_BS
- MAIN_FSで指定したファイルシステムのブロックサイズを指定します。squashfs、rawを指定した場合、MAINFS_BSの値は無視されます。初期値は1kです。特に問題がなければ初期値のままにしておいてください。
- MAINFS_COUNT
- MAIN_FSで指定したファイルシステムのブロック数を指定します。squashfs、rawを指定した場合、MAINFS_BSの値は無視されます。初期値は696320です。特に問題がなければ初期値のままにしておいてください。
- ISO_SUFFIX
- ISO9660イメージのファイル名やボリュームIDに使用する接尾文字を指定します。デフォルトでは何も指定されていません。
- INSTALL2WIN
- 作成するCD/DVDにinstall2win.batを組み込むかどうかを指定します。install2win.batは作成したCD/DVDをWindows領域にインストールするためのスクリプトです。このスクリプトを組み込む場合はyesと指定してください。デフォルトでyesが指定されています。
- INSTALL2LIN
- 作成するCD/DVDにinstall2lin.shを組み込むかどうかを指定します。install2lin.shは作成したCD/DVDをLinux領域にインストールするためのスクリプトです。このスクリプトを組み込む場合はyesと指定してください。デフォルトでyesが指定されています。
- MODULE_LIST
- SCSI_MODULE_LIST
- STORAGE_MODULE_LIST
- 1CD/DVD Linuxの起動に必要なカーネルモジュールを指定します。特に問題が無ければ初期値のままにしておいてください。