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端末出力関数は、端末に出力を送ったり、
端末へ送った出力を記録します。
変数baud-rate
は、Emacsが考えている端末の出力速度を表します。
この変数の値は、Emacsが関知する端末の出力速度である。 この変数に設定しても実際のデータ転送速度を変更しないが、 その値はパディングなどの計算に用いられる。 また、ウィンドウシステムを使っている場合であっても、 スクリーンのどの部分をスクロールするか、 あるいは、再描画するかの決定に影響する。 (このような決定を調整する方法を与えるために、 ウィンドウシステムには真の『出力速度』はないがこのように設計した。)
値の単位はボー(baud)である。
ネットワーク経由で使い、
ネットワークの異なる部分が異なる速度で動いているときには、
Emacsが返す値はローカル端末で使っている場合の値と異なるかもしれません。
リモートマシンへの通信速度でローカル端末と通信する
ネットワークプロトコルもあり、
そのような場合、Emacsや他のプログラムは正しい値を得られます。
その他の場合では正しい値を得られません。
Emacsの値がまちがっているときには、
あまり最適でない決定をくだすでしょう。
この問題を修正するには、baud-rate
に設定します。
この関数は、なにも変更せずに文字列stringを端末へ送る。 string内のコントロール文字は、端末に依存する効果を持つ。
この関数の1つの用途は、ファンクションキーの定義を ダウンロード可能な端末のファンクションキーを定義することである。 たとえば、ファンクションキー4を(文字の列C-u C-fを 計算機に送って)4文字進めると定義にするには、 特定の端末ではつぎのようにする。
(send-string-to-terminal "\eF4\^U\^F") => nil
この関数は、Emacsが端末へ送出するすべての文字を記録する タームスクリプトファイル(termscript file)を オープンするために使う。 関数は
nil
を返す。 タームスクリプトファイルは、 Emacsがスクリーンを乱してしまう問題、 誤ったtermcap定義やEmacsの実際のバグではない端末の望ましくない設定の 問題を調べるのに有用である。 どのような文字の列が実際に出力されるか確信できれば、 それらが使用中のtermcapのどの定義に対応するか調べられる。Terminal Inputの
open-dribble-file
も参照。(open-termscript "../junk/termscript") => nil