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20.5.10 ウィンドウシステムのその他のイベント

ウィンドウシステム内で起きたことを表す他のイベントもあります。

(delete-frame (frame))
この種のイベントは、 Emacsのフレームであるウィンドウを削除するコマンドを ユーザーがウィンドウマネージャに与えたことを表す。

イベントdelete-frameの標準定義はフレームframeの削除である。


(iconify-frame (frame))
この種のイベントは、 ウィンドウマネージャを用いてユーザーがフレームframeを アイコン化したことを表す。 これに対する標準定義はignoreである。 というのは、フレームはすでにアイコンになっているので、 Emacsが行うことはなにもないからである。 このイベント型の目的は、 必要ならばその種のイベントを読者が追跡できるようにしておくことである。


(make-frame-visible (frame))
この種のイベントは、 ウィンドウマネージャを用いてユーザーがアイコン化したフレームframeを 開いたことを表す。 これに対する標準定義はignoreである。 というのは、フレームはすでに見えるようになっているので、 Emacsが行うことはなにもないからである。


(mouse-wheel position delta)
この種のイベントは、 (MSインテリマウスなどの)マウスのホイールを動かすと生成される。 その典型的な効果はスクロールやズーミングである。

要素deltaはホイールの回転方向と回転量である。 その絶対値はホイールを回すごとに増加する数である。 負のdeltaは、逆転、つまり、ユーザーへ近付く方向への回転を表し、 正のdeltaは、順転、つまり、ユーザーから遠ざかる方向への回転を表す。

要素positionはイベントの発生位置を表し、 マウスクリックイベントで使われる形式と同じである。

この種のイベントは、ある種のシステムでのみ生成される。


(drag-n-drop position files)
この種のイベントは、 Emacsの外側のアプリケーションで一群のファイルを選択し、 それらをEmacsのフレームにドラッグ&ドロップしたときに生成される。

要素positionはイベントの発生位置を表し、 マウスクリックイベントで使われる形式と同じであり、 要素filesはドラッグ&ドロップされたファイル名のリストである。 このイベントを扱う通常の処理は、それらのファイルを訪問することである。

現状では、この種のイベントは、ある種のシステムでのみ生成される。

これらのイベントがキー列の途中、つまり、 プレフィックスキーのうしろに現れると、 複数イベントのキー列のまえかうしろに当該イベントを移動し、 途中には現れないようにEmacsはイベントの順序を並び替えます。