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Emacsのウィンドウ(window)は、 バッファを表示するスクリーン上の物理的な領域のことです。 この用語は、Emacs Lispにおいて、当該物理領域を表す Lispオブジェクトを意味するためにも使います。 どちらの意味かは文脈から明らかなはずです。
Emacsではウィンドウをフレームにまとめています。 フレームは、Emacsが使えるスクリーンの領域を表します。 各フレームには少なくとも1つのウィンドウがつねにありますが、 フレームは上下や左右に重なり合わない複数のEmacsのウィンドウに分割できます。
ある時点では、各フレームにはフレームの選択されているウィンドウと
区別されるウィンドウがたった1つだけあります。
フレームのカーソルはそのようなウィンドウに現れます。
ある時点では、1つのフレームが選択されているフレームであり、
当該フレームで選択されているウィンドウが選択されているウィンドウです。
選択されているウィンドウのバッファが、
(set-buffer
を使った場合を除いて)普通はカレントバッファです。
See Current Buffer。
実用上、ウィンドウは、それがフレームに表示されている期間だけ存在します。 フレームからいったん取りさると、(ウィンドウへの参照が残っているとしても) ウィンドウは実質的には削除され使えません。 保存したウィンドウ構成を復元する以外に、 スクリーンから消えたウィンドウを戻す方法はありません。 (see Deleting Windows。)
各ウィンドウにはつぎの属性があります。
複数のバッファを同時に見られるようにユーザーは複数のウィンドウを作ります。 さまざまな理由でLispライブラリは複数のウィンドウを使いますが、 そのほとんどは、関連する情報を表示するためです。 たとえば、rmailでは、あるウィンドウのサマリバッファで移動すると、 別のウィンドウでは対応するメッセージを表示します。
Emacsにおける『ウィンドウ』の意味は、 Xのような汎用目的のウィンドウシステムにおける意味に似ていますが、 同一ではありません。 Xウィンドウシステムは、スクリーン上にXのウィンドウを配置します。 Emacsは、1つか複数のXのウィンドウをフレームとして使い、 それらをEmacsのウィンドウに分割します。 文字端末でEmacsを使うと、 Emacsは端末のクリーン全体を1つのフレームとして扱います。
ほとんどのウィンドウシステムは、任意に重ね合わさったウィンドウを扱えます。 対照的に、Emacsのウィンドウはタイル型です。 つまり、互いに重なり合うことはなく、 スクリーンやフレームの全面に敷き詰められます。 Emacsが新たなウィンドウを作成する方法や ウィンドウサイズの変更方法に起因するのですが、 Emacsのフレームを任意の形にウィンドウで敷き詰めることは、 実際には必ずしも可能であるとは限りません。 Splitting WindowsとSee Size of Window。
ウィンドウのバッファの内容がどのようにウィンドウに表示されるかについては、 See Display。