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6.4 md5sum: メッセージダイジェストの出力と調査

md5sumは,それぞれ指定されたfileに対し,128-bitチェッ クサム(またはfingerprint,またはmessage-digest)を計算しま す.fileが`-'で指定されたり,ファイルが与えられていない場合 は,md5sumは標準入力のチェックサムを計算します. md5sumは,ファイルとチェックサムが一貫しているかどうか決定す ることも可能です.概要です.

     md5sum [option]... [file]...
     md5sum [option]... --check [file]

それぞれのfileに対し,`md5sum'は,MD5チェックサム,入力ファ イルがバイナリかテキストかを示すフラグ,そしてファイル名を出力します. fileが無い,または`-'として指定されている場合,標準入力を読 み込みます.

プログラムは以下のオプションも受け入れます.Common optionsも参照 してください.

`-b'
`--binary'
全ての入力ファイルをバイナリとして扱います.このオプションは,Unixシス テムではバイナリとテキストでファイルに差が無いので効果がありません.こ のオプションは,内部と外部での文字表示が異なるシステムでは便利です. MS-DOSとMS-Windowsでは,これはデフォルトです.
`-c'
`--check'
ファイル名とチェックサム情報を,単一のfile(または,fileが 指定されない場合は標準入力)から読み込み,それぞれの指定された名前のファ イルと対応するチェックサムデータが対応しているかどうか報告します. md5sumのこのモードでの入力は,通常,`md5sum'を実行して 生成されたチェックサムで,それは以前の出力です.それぞれの入力の有効な 行は,MD5チェックサムから成り立ち,バイナリ/テキストフラグと,ファイル 名です.バイナリファイルは`*'で,テキストは` 'で印が付きます. それぞれのそのような行に対し,md5sumは,指名されたファイルを 読み込み,そのMD5チェックサムを計算します.そして,計算されたメッセー ジダイジェストが,ファイル名を持つ行の一つとマッチしない場合,ファイル にはテストに失敗したというメモが付きます.それ以外の場合,ファイルは調 査をパスします.デフォルトで,それぞれの有効な行に対し,指名されたファ イルが調査を通過したかどうかを示す一行を,標準出力に書き出します.全て の調査の実行後,失敗があった場合,警告を標準エラーに出力します.出力を 抑制するために,--statusオプションを使用してください.リスト アップされたファイルに,開いたり読み込んだりすることが不可能なものがあ る場合,有効な行が関連するファイルとMD5チェックサムに対応しない場合, または,有効な行が見つからない場合,md5sumはゼロ以外のステー タスで終了します.それ以外の場合は,正しく終了します.
`--status'
このオプションは,チェックサムの照合時のみ便利です.チェックサムを照合 するとき,デフォルトのファイルに対し一行の診断を生成せず,あらゆる失敗 を要約する警告を出力しません.ファイルを開くあるいは読み込む際の失敗は, 標準エラーに個別の診断結果を出力します.リストアップされたファイルがす べて読み込み可能で,対応するMD5チェックサムと対応している場合,正しく 終了します.それ以外の場合,失敗があることを示すステータスコードで終了 します.
`-t'
`--text'
全ての入力ファイルを,テキストファイルとして扱います.このオプションは --binaryの反対です.
`-w'
`--warn'
チェックサムを照合するとき,不適切に書式化されたMD5チェックサム行につ いて警告します.このオプションは,入力の調査で,全てではなくいくつかの 行が有効な場合のみ便利です.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.