次: , 前: Start-up Summary, 上: Starting Up


37.1.2 初期化ファイル:.emacs

読者がEmacsを始動すると、Emacsは読者のホームディレクトリから ファイル.emacsを普通はロードしようとします。 このファイルが存在すれば、これにはLispコードを入れておく必要があります。 コマンド行オプション`-q'と`-u'は、 初期化ファイルの使い方に影響します。 `-q'は初期化ファイルをロードしないように指示し、 `-u'は読者の初期化ファイルのかわりに指定したユーザーの初期化ファイルを ロードするように指示します。 See Emacsの起動と終了

デフォルトの初期化ファイルをサイトごとに持てます。 これはdefault.elという名前のライブラリです。 Emacsは、ライブラリを探索する標準パスから ファイルdefault.elを探します (see How Programs Do Loading)。 Emacsの配布には、このファイルは付属していません。 ローカルなカスタマイズのためにサイトで用意します。 バッチモードや`-q'を指定してある場合を除いて、 デフォルトの初期化ファイルが存在すると、 読者がEmacsを始動するたびにそれをロードします。 しかし、存在するなら、個人の初期化ファイルをさきにロードします。 そこでinhibit-default-initnil以外の値を設定してあると、 Emacsはそのあとファイルdefault.elをロードしません。

サイトごとのカスタマイズ向けの別のファイルはsite-start.elです。 Emacsはユーザーの初期化ファイルをロードするまえに このファイルをロードします。 このファイルのロードを禁止するには オプション`-no-site-file'を使います。

— 変数: site-run-file

この変数は、ユーザーの初期化ファイルよりさきに ロードするべきサイトごとのカスタマイズファイルを指定する。 普通の値は"site-start"である。 実際に効果があるようにこれを変更する唯一の方法は、 Emacsをダンプするまえに行うことである。

読者のファイル.emacsに大量のコードがある場合には、 something.elという名前の別のファイルへコピーして、 それをバイトコンパイルし(see Byte Compilation)、 読者のファイル.emacsでは、load(see Loading)で そのファイルをロードするようにします。

読者のファイル.emacsでよく使われるであろう さまざまなカスタマイズを行う方法の例については、 See 初期化ファイルの例

— ユーザオプション: inhibit-default-init

この変数は、読者のEmacsセッションにおいては、 デフォルトの初期化ライブラリファイルをロードしないようにする。 その値がnil以外であるとデフォルトライブラリをロードしない。 デフォルト値はnilである。

— 変数: before-init-hook

すべての初期化ファイル (ユーザーの初期化ファイル、 default.elと/あるいはsite-start.el)を ロードする直前に一度だけ実行するノーマルフック。 (実際の効果があるようにこれを変更する唯一の方法は、 Emacsをダンプするまえに行うことである。)

— 変数: after-init-hook

すべての初期化ファイル (ユーザーの初期化ファイル、 default.elと/あるいはsite-start.el)をロード直後、 端末固有の初期化のまえに一度だけ実行するノーマルフック。