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大きなプログラムを扱っているときは、ディレクトリの木構造全体の中で
どのファイルが変更されたのかを調べたり、
版管理の下に置かれているすべてのファイルの状態を一度に見られると便利です。
コマンドC-x v d(vc-directory
)を使えば、
版管理に関連したファイルだけを含んだディレクトリ一覧を作れます。
C-x v dは、VC diredモードを使うバッファを作ります。
これは、普通のdiredバッファ(see Dired)にそっくりですが、
(ロックされていたり、未更新の)注意を払うべきファイルだけを
通常は表示します。
これを簡素な表示と呼びます。
変数vc-dired-terse-display
にnil
を設定すると、
VC diredは、関連するすべてのファイル、つまり、
版管理の下に置かれたファイルとすべてのサブディレクトリを表示します
(完全な表示)。
VC diredバッファのコマンドv tは、
簡素な表示と完全な表示を切り替えます。
(see VC Dired Commands。)
デフォルトでは、VC diredは、指定したディレクトリやそれより下に置かれた
注意を払うべきファイルや関連するファイルの再帰的な一覧を作ります。
この動作を変えるには、
変数vc-dired-recurse
にnil
を設定します。
すると、VC diredは、指定したディレクトリにあるファイルだけを表示します。
各ファイルを表す行には、ハードリンク数、所有者、グループ、ファイルサイズの かわりに版管理状態があります。 ファイルが変更されていなければ、つまり、 マスタファイルの内容に同期しているならば、版管理状態は空です。 そうでなければ、括弧で括ったテキストになります。 RCSとSCCSでは、ファイルをロックしているユーザーの名前が示されます。 CVSでは、cvs状態(`cvs status')を簡略化したものが示されます。 つぎは、RCSを使っている場合の例です。
/home/jim/project: -rw-r--r-- (jim) Apr 2 23:39 file1 -r--r--r-- Apr 5 20:21 file2
ファイル、`file1'と`file2'が、版管理の下に置かれていて、 `file1'はユーザーjimがロックしていて、 `file2'はロックされていません。
つぎは、CVSを使っている場合の例です。
/home/joe/develop: -rw-r--r-- (modified) Aug 2 1997 file1.c -rw-r--r-- Apr 4 20:09 file2.c -rw-r--r-- (merge) Sep 13 1996 file3.c
保管庫のものに比べて、`file1.c'は変更されていますが、 `file2.c'は変更されていません。 `file3.c'も変更されていますが、 保管庫には他の変更がチェックインされています。 `file3.c'をチェックインするまえに、 それらの変更を併合する必要があります。
VC diredで(『完全な表示』のときに)サブディレクトリを表示するときには、
版管理の下には絶対に置かれないものは省略します。
デフォルトでは、`RCS'や`CVS'などのVCのサブディレクトリが含まれます。
これは、変数vc-directory-exclusion-list
を設定して
カスタマイズできます。
普通のdiredのように、C-u C-x v dと打てば、 `ls'プログラムに渡す追加オプションを指定して、 VC diredの出力書式を微調整できます。