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20.14.2 emergeのサブモード

併合コマンドを指示するためのモードが2つ、つまり、 高速モード(Fast mode)と編集モード(Edit mode)があり、どちらかを選べます。 高速モードでは、基本的な併合コマンドは1文字で表され、 通常のEmacsコマンドは禁止されています。 併合コマンドだけを使用するのであれば、高速モードが便利です。 編集モードでは、すべての併合コマンドはプレフィックスC-c C-cで始まり、 通常のEmacsコマンドも使えます。 このモードでは、併合バッファを編集できますが、emergeの処理は遅くなります。

編集モードに切り替えるにはeを使い、 高速モードに切り替えるにはC-c C-c fを使います。 モード行には、編集モードは`E'、高速モードは`F'と表示されます。

emergeには、特定の併合コマンドの動作に影響を与えるサブモードが さらに2つあります。 自動前進(auto-advance)モードと 優先箇所スキップ(skip-prefers)モードです。

自動前進モードがオンであると、コマンドabは、 自動的につぎの相違箇所にポイントを進めます。 このモードでは、どちらかの入力だけを選ぶ状況である限り、高速に併合を行えます。 モード行には`A'と表示され、自動前進モードであるを示します。

優先箇所スキップモードがオンであると、 コマンドnpは、 A優先/B優先の状態にある相違箇所をスキップします (see State of Difference)。 つまり、どちらの版も『正しい』と推定されない相違箇所だけを調べことになります。 モード行には`S'と表示され、優先箇所スキップモードであることを示します。

自動前進モードをオン/オフするには、 コマンドs aemerge-auto-advance-mode)を使います。 優先箇所スキップモードをオン/オフするには、 コマンドs semerge-skip-prefers-mode)を使います。 どちらのコマンドも、正の数引数を指定するとオンにし、 負あるいは0の数引数を指定するとオフにし、 引数を指定しないとトグル(切り替え)します。