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2 Infoの呼び出し

GNU Infoは,閲覧する最初のノードを制御するため,そしてInfoファイルを探す ディレクトリを指定するため,いくつかのオプションを受け入れます.シェルか らGNU Infoの呼び出しを表しているテンプレートは以下のようになります.

     info [option]... [menu-item...]

プログラムは,以下のオプションを受け入れます.

--apropos=string
システムにインストールされているすべてのInfoファイルの全ての索引で検索す る文字列を指定します.Infoは,検索が可能な全ての索引でstringで指名 されているものを探し,結果を標準出力に出力し,そして終了します.特定の問 題を説明しているInfoファイルが不確かな場合,このオプションが味方になりま す.システムに多くのInfoファイルがインストールされている場合,全ての検索 に多少時間がかかることに注意してください.

Info内部から適切なコマンドを呼び出すことが可能です.Searching Commandsを参照してください.


--directory directory-path
-d directory-path
Infoファイルを探す必要があるとき,検索するディレクトリのリストに directory-pathを前置します.複数回--directoryを使用してもか まいません.Infoファイルを含むそれぞれのディレクトリにつき一回です.Info が検索するディレクトリリストは,環境変数INFOPATHの値から成り立ち ます.--directoryは,directory-pathで指名されたものを,その リストに前置します.INFOPATHの値は,通常コロンで分けられたディレ クトリリストです.MS-DOS/MS-Windowsシステムでは,セミコロンが使用されま す.INFOPATHを定義していない場合,Infoは,ビルドされたときに定義 されたデフォルトパスをディレクトリの初期リストとして使用します. INFOPATHがコロン(または,MS-DOS/MS-Windowsでのセミコロン)で終る場 合,ディレクトリの初期リストは,ビルド時のデフォルトにINFOPATHの 値を加えます.


--dribble=dribble-file
全てのユーザのキーストロークを記録するファイルを指定します.このファイル は,コマンドを同じ順序で再生するために後で使用することが可能です.以下の ‘--restore’オプションを参照してください.
--file filename
-f filename
閲覧する特定のInfoファイルを指定します.デフォルトで,Infoはファイル dirを閲覧します.このオプションを使用した場合,Infoは最初のファイ ルとノードとして,(filename)Topで開始します.

filenameが絶対パスのファイル名や,./../で始まる場 合,Infoはfilenameを指定されたfilenameのディレクトリのみで検 索し,filenameのディレクトリをINFOPATHの値に追加します.対 照的に,filenameが相対パスのファイル名の形式で,./../ が前置されていない場合,InfoはINFOPATHで指定されたディ レクトリのみで探します.言い換えると,Infoは./../の前置 が無いファイル名をカレントディレクトリの相対パスにあるものとして扱い ません

Infoが試みる全てのディレクトリでfilenameが見付からない場合,Info はInfoファイルの数ある既知の拡張子1でそれを探します.全ての既知の拡張子に対し, 通常のファイルが見付からない場合,Infoは圧縮されたファイルを探します. Infoは,gzipbzip2compress,そしてyabbaプ ログラムで圧縮されたファイルをサポートしています.そのようなファイルを展 開するために,それぞれgunzipbunzip2uncompress, そしてunyabbaを呼び出します.圧縮されたInfoファイルは,おそらく既 知のInfoファイルの拡張子の一つに,.z.gz.bz2.Zや,.Yの拡張子が追加されたものになっていると考えられます 2

--help
-h
利用可能なInfoオプションの比較的短い記述を生成します.
--index-search string
全てのコマンドライン引数を処理した後,Infoファイルの索引に行き, stringに一致する索引項目を探します.そのような項目が見付かった場合, Infoセッションは,最初に一致した項目が指し示しているノードの表示を開始し ます.一致した項目の残りへ行くために,を押してください.そのような 項目が存在しない場合,‘no entries found’と出力し,ゼロではないステー タスで終了します.これは,他のプログラムからのオンラインヘルプを供給する 方法として使用したり,正確なノード名を知らないとき,特定のノードでInfoファ イルを読むことを開始する素早い方法として使用できます.

このコマンドは,Info内部から呼び出すことも可能です.Searching Commandsを参照してください.

--node nodename
-n nodename
Infoの初期ファイルで訪問する特定のノードを指定します.--fileと一 緒に組み合わせると特に役に立ちます3--nodeを複数回指定しても かまいません.対話的なInfoでは,それぞれのnodenameは独自のウィンド ウで閲覧され,対話的でないInfo(--outputが与えられたようなとき)で は,それぞれのnodenameは順番に処理されます.
--output filename
-o filename
直接出力するファイル名としてfilenameを指定します.Infoで閲覧するそ れぞれのノードは,対話的に閲覧するのではなく,filenameに出力されま す.filenameに対する-の値で,標準出力を指定します.


--raw-escapes
-R
manページからANSIのエスケープシーケンスを削除しません.GNUドキュメント フォーマッタのGroffのバージョンによっては,ボールド,イタリック,そして 下線が引かれた文字や,色付きの文字に対して,ANSIエスケープシーケンスを用 いたmanページを生成します.デフォルトでは,manページを表示する前に,Info はこれらのエスケープシーケンスを削除します.端末がこれらのエスケープシー ケンスをサポートしている場合,端末にそれらを処理させ,manページをその属 性を用いて表示するために.--raw-escapesを使用してください.


--restore=dribble-file
これまでのInfoセッションの間に記録されている(上記の‘--dribble’オプ ションの記述を参照してください)dribble-fileからキーストロークを読 み出します.ファイルのキーストロークが全て読まれたとき,Infoは,その入力 を通常の対話的操作に戻します.


--show-options
--usage
-O
このオプションは,プログラムの呼び出し方とそのコマンドラインオプションを 記述しているノードを探し,そのノードを表示することように,Infoにセッショ ンを開始させます.それは,複雑なメニュー階層を通り抜ける必要無く,マニュ アルの最も重要な使用方法の情報を探すことを簡単するために提供されています. その効果は,Info内部からのM-x goto-invocationコマンド (see goto-invocation)に似ています.


--speech-friendly
-b
MS-DOS/MS-Windowsのみで,このオプションで,Infoは標準ファイルI/O関数を使 用して画面に表示します.(デフォルトでは,オペレーションを高速し,カラー ディスプレイをサポートするため,Infoはこれらのシステムで直接ビデオメモリ に書き出します.)これで,目が見えない人が使用しているスピーチシンセサイ ザーで出力を捕らえ,音声のスピーチに変換することが可能になります.
--subnodes
このオプションは,--outputと一緒に与えられたときのみ意味がありま す.それは,出力されているそれぞれのノードのメニューに現われるノードを, 再帰的に出力することを意味します.外部Infoファイルが解決するメニュー項目 は出力されず,索引のメンバーとなっているメニュー項目もそうです.それぞれ のノードは一度だけ出力されます.
--version
Infoのバージョン情報を出力し終了します.


--vi-keys
このオプションは,viとLessのキーバインドをエミュレートするために, 機能を異なるキーに割り当てます.デフォルトのキーバインドは,通常Emacs を モデルにしています(GNU Infoのキーバインドを変更する一般的な方法の詳細は see Custom Key Bindings).
menu-item
Infoはその残りの引数を,メニュー項目の名前として扱います.最初の引数は閲 覧しようとする初期ノードのメニュー項目で(通常はdir),二番目の引数 は最初の引数のノードのメニュー項目等のようになります.そのノードへのパス を記述したメニュー名を指定することで,選択したノードに簡単に移動できます. 例えば以下のようにします.
          info emacs buffers

最初にノード‘(dir)Top’のメニュー項目‘Emacs’を選択し,そしてノー ド‘(emacs)Top’のメニュー項目‘Buffers’を選択します.

dirファイルの検索を避け,すぐに任意のファイルを表示させるため ‘-f’とファイル名を,‘info -f ./foo.info’のように使用してくださ い.

索引の検索とプログラムの呼び出しとコマンドラインオプションを記述している ノードの検索は,全てのメニュー項目を処理した後に開始します.この ため,索引やノード呼び出しで検索されたInfoファイルは,コマンドラインで与 えられている全てのメニュー項目をたどった後にInfo自身が見つけたファイルに なります.これは,‘info emacs --show-options’で期待したものになりま す.


Footnotes

[1] .info-info/indexと,.inf.

[2] MS-DOS版では,DOSはファイルのベース名で一つのドット以外を許可 していないので,.infのようなInfo拡張子と,.z.gzの ような短い圧縮ファイルの拡張子を,単一の拡張子に統合することを許可してい ます.このためMS-DOSでは,Infoがbisonを探す場合,bison.igzbison.inzのようなファイル名を探し,gunzipで展開します.

[3] もちろん,ファイルとノードの 両方を--nodeコマンドで指定することが可能です.しかし,info --node "(emacs)Buffers"のように,シェルでは開きカッコと閉じカッコと空白 によるエスケープを忘れてはいけません.