併合コマンドを指示するためのモードが2つ、つまり、 高速モード(Fast mode)と編集モード(Edit mode)があり、どちらかを選べます。 高速モードでは、基本的な併合コマンドは1文字で表され、 通常のEmacsコマンドは禁止されています。 併合コマンドだけを使用するのであれば、高速モードが便利です。 編集モードでは、すべての併合コマンドはプレフィックスC-c C-cで始まり、 通常のEmacsコマンドも使えます。 このモードでは、併合バッファを編集できますが、emergeの処理は遅くなります。
編集モードに切り替えるにはeを使い、 高速モードに切り替えるにはC-c C-c fを使います。 モード行には、編集モードは‘E’、高速モードは‘F’と表示されます。
emergeには、特定の併合コマンドの動作に影響を与えるサブモードが さらに2つあります。 自動前進(auto-advance)モードと 優先箇所スキップ(skip-prefers)モードです。
自動前進モードがオンであると、コマンドaとbは、 自動的につぎの相違箇所にポイントを進めます。 このモードでは、どちらかの入力だけを選ぶ状況である限り、高速に併合を行えます。 モード行には‘A’と表示され、自動前進モードであるを示します。
優先箇所スキップモードがオンであると、 コマンドnとpは、 A優先/B優先の状態にある相違箇所をスキップします (see State of Difference)。 つまり、どちらの版も『正しい』と推定されない相違箇所だけを調べことになります。 モード行には‘S’と表示され、優先箇所スキップモードであることを示します。
自動前進モードをオン/オフするには、
コマンドs a(emerge-auto-advance-mode
)を使います。
優先箇所スキップモードをオン/オフするには、
コマンドs s(emerge-skip-prefers-mode
)を使います。
どちらのコマンドも、正の数引数を指定するとオンにし、
負あるいは0の数引数を指定するとオフにし、
引数を指定しないとトグル(切り替え)します。