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37.9 端末出力

端末出力関数は、端末に出力を送ったり、 端末へ送った出力を記録します。 変数baud-rateは、Emacsが考えている端末の出力速度を表します。

— Variable: baud-rate

この変数の値は、Emacsが関知する端末の出力速度である。 この変数に設定しても実際のデータ転送速度を変更しないが、 その値はパディングなどの計算に用いられる。 また、ウィンドウシステムを使っている場合であっても、 スクリーンのどの部分をスクロールするか、 あるいは、再描画するかの決定に影響する。 (このような決定を調整する方法を与えるために、 ウィンドウシステムには真の『出力速度』はないがこのように設計した。)

値の単位はボー(baud)である。

ネットワーク経由で使い、 ネットワークの異なる部分が異なる速度で動いているときには、 Emacsが返す値はローカル端末で使っている場合の値と異なるかもしれません。 リモートマシンへの通信速度でローカル端末と通信する ネットワークプロトコルもあり、 そのような場合、Emacsや他のプログラムは正しい値を得られます。 その他の場合では正しい値を得られません。 Emacsの値がまちがっているときには、 あまり最適でない決定をくだすでしょう。 この問題を修正するには、baud-rateに設定します。

— Function: baud-rate

この廃れた関数は、変数baud-rateの値を返す。

— Function: send-string-to-terminal string

この関数は、なにも変更せずに文字列stringを端末へ送る。 string内のコントロール文字は、端末に依存する効果を持つ。

この関数の1つの用途は、ファンクションキーの定義を ダウンロード可能な端末のファンクションキーを定義することである。 たとえば、ファンクションキー4を(文字の列C-u C-fを 計算機に送って)4文字進めると定義にするには、 特定の端末ではつぎのようにする。

          (send-string-to-terminal "\eF4\^U\^F")
               ⇒ nil
— コマンド: open-termscript filename

この関数は、Emacsが端末へ送出するすべての文字を記録する タームスクリプトファイル(termscript file)を オープンするために使う。 関数はnilを返す。 タームスクリプトファイルは、 Emacsがスクリーンを乱してしまう問題、 誤ったtermcap定義やEmacsの実際のバグではない端末の望ましくない設定の 問題を調べるのに有用である。 どのような文字の列が実際に出力されるか確信できれば、 それらが使用中のtermcapのどの定義に対応するか調べられる。

Terminal Inputopen-dribble-fileも参照。

          (open-termscript "../junk/termscript")
               ⇒ nil