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28.7 初期化ファイル~/.emacs

Emacsが実行を開始するとき、通常はユーザーのホームディレクトリにある ファイル.emacs.emacs.elからLispプログラムをロードします。 このファイルがEmacsの初期化の仕方を指定するので、 このファイルのことを初期化ファイル(init file)と呼びます。 コマンド行オプション‘-q’で、 Emacsに初期化ファイルを読まないことを指示したり、 ‘-u’(あるいは‘--user’)で、 別のユーザーの初期化ファイルを指定できます (see Entering Emacs)。

デフォルトの初期化ファイルもあります。 これはdefault.elという名前のライブラリファイルで、 Emacsはライブラリ探索パスをとおしてその場所を探します。 Emacsの配布にはdefault.elは含まれていません。 ローカルなカスタマイズのためにサイトでdefault.elを 用意することもあります。 このファイルがあれば(‘-q’を指定したときを除いて) Emacsを開始するときつねにロードされます。 しかし、あるならば個人の初期化ファイルが最初にロードされます。 その中でinhibit-default-initnil以外の値を設定すると、 default.elはロードされません。

各サイトにはサイトスタートアップファイルがあるかもしれません。 あるならば、このファイルの名前はsite-start.elです。 Emacsはユーザーの初期化ファイルを読むまえにこのファイルもロードします。 このファイルのロードを抑止するには、 オプション‘-no-site-file’を指定します。

.emacsに大量のコードがある場合には、 ~/.emacs.elと改名してバイトコンパイルしておくべきです。 Emacs Lispプログラムのコンパイルについてより詳しくは、 See バイトコンパイル

単なるカスタマイズを超えるような実際のEmacsプログラムを書くのであれば、 The Emacs Lisp Reference Manual1を読むべきです。


Footnotes

[1] 【訳注】日本語訳: 『Emacs Lispリファレンスマニュアル』、アスキー出版局、ISBN4-7561-3414-9