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GNU のプログラムの中には、ファイルの新しいバージョンを書き出す前に、
もしそうしたければ、バックアップを作成できるものがある
(少なくとも cp
, install
, ln
, mv
がそうだ)。下記のオプションは、そうしたバックアップを細かく制御する。
こうしたオプションについては、個々のプログラムの説明でも簡単に触れている。
通常では上書きされたり、消去されたりする各ファイルのバックアップを作成する。
このオプションを指定しないと、元のバージョンは破棄されるわけだ。
作成するバックアップのタイプを決めるには、method を使用する。
method を指定せずに、このオプションを使った場合は、環境変数
VERSION_CONTROL
の値が使用される。VERSION_CONTROL
が設定されていない場合、デフォルトのバックアップタイプは ‘existing’ である。
このオプションの短縮形である -b は、引数を取らないことに注意していただきたい。 -b の使用は、--backup=existing を使用するのと同じことである。
このオプションは、Emacs の ‘version-control’ 変数に対応している。 すなわち、method に指定する値は、Emacs で使用される値と同じものである。 とは言え、このオプションでは、より説明的な名前も使用できる。 method の有効な値は、以下のものである (他と区別できるならば、省略した表現も使用できる)。
バックアップを作成しない。
どんな場合でも番号付きのバックアップを作成する。
番号付きのバックアップがすでに存在する場合は番号付きで、それ以外の場合は単純形式で、ファイルのバックアップを作成する。 (訳注: 単純形式というのは、バックアップファイル名に番号を付けない形式である。 --suffix=suffix の説明を参照。)
どんな場合でも単純形式のバックアップを作成する。‘never’ と ‘none’ を混同なさらないようにしていただきたい。
-b で作成される各バックアップファイルの名前の末尾に
suffix を付ける。このオプションが指定されていない場合は、環境変数
SIMPLE_BACKUP_SUFFIX
の値が使用される。SIMPLE_BACKUP_SUFFIX
が設定されていない場合、デフォルトの suffix は
Emacs の場合と同じで、チルダ ‘~’ である。