GNU Infoは,様々なInfoコマンドがその値を調べる,いくつかの変数 (variables)を含んでいます.それらの変数の値を変更することが可能で,この ため,環境やInfo ファイルの読み込み方をより適切にするため,Infoの動作を 変更することが可能です.
変数の値を変更する方法は二つあります.対話的なものとして,以下で記述する
set-variable
コマンドを使用するか,.infokey
ファイルの
#var
のセクションを使用します.
Infoで設定可能な変数のリストは以下のようになります.
automatic-footnotes
On
に設定したとき,脚注は自動的に表示されたり消えたりします.そう
でない場合,それはノードテキストの下に表示されます.この変数はOff
がデフォルトです.ノードが選択されたとき,ノードにある脚注を含んでいるウィ
ンドウが作成され,脚注はその新しいウィンドウに表示されます.脚注を含める
ためにInfoが作成したウィンドウは,‘*Footnotes*’ と呼ばれます.脚注
を含まないノードが選択され,‘*Footnotes*’ウィンドウが画面にある場合,
‘*Footnotes*’ウィンドウは削除されます.この流儀で作成された脚注のウィ
ンドウは,表示をできるだけ小さくして使用することを可能にするため,自動的
に並べ換えされません.
automatic-tiling
On
に設定したとき,ウィンドウの作成と削除で,他のウィンドウの大き
さを変更します.この変数はOff
がデフォルトです.通常,‘C-x 2’
の入力で現在のウィンドウを均等に二分割します.automatic-tiling
が
On
に設定されているとき,全てのウィンドウの大きさは自動的に変更さ
れ,それぞれのウィンドウの表示行数が同じに保たれます.自動的な並べ換えに
は例外があります.特に,ウィンドウ‘*Completions*’と
‘*Footnotes*’は自動的に並べ換えされません.それらは元の大き
さのままです.
errors-ring-bell
On
に設定したとき,エラー時にベルをならします.この変数のデフォル
ト設定はOn
です.
gc-compressed-files
On
に設定したとき,Infoは展開する必要があったファイルのガベージコ
レクションを実行します.この値のデフォルト値はOff
です.Infoでノー
ドを訪問するときはいつでも,ノードを含むInfoファイルはコア部分に読み込ま
れ,Infoはそのファイルに含まれているタグとノードに関する情報を読み込みま
す.Infoが一度タグ情報を読み込むと,それを決して忘れません.しかし,ノー
ドの実際のテキストは,特定のInfoウィンドウが必要としない限り,コア部分に
残す必要はありません.圧縮されていないファイルに対して,ノードのテキスト
が使用されなくなった時点でコア部分に残されません.しかし,ファイルの圧縮
解除は時間がかかる処理なので,Infoは再び行おうとはしません.
gc-compressed-files
で,ディスク上の圧縮されたファイルのノードのテ
キストをガベージコレクションしてもいいことをInfoに伝えます.
ISO-Latin
On
に設定したとき,InfoはISOラテン文字を表示しようとします.デフォ
ルトで,InfoはASCII文字集合だと考えます.ISO-Latin
はInfoに,ヨー
ロッパ標準文字集合が使用されている環境だと伝え,Infoにそのような文字を入
力することを許可し,また表示も同様に許可されます.
scroll-behavior
Continuous
です.この変数には,三つの利用可能な値があります.
Continuous
global-next-node
)と‘[’ (global-prev-node
)コマンドと
同じです.
Next Only
Page Only
scroll-behavior
がPage
Only
の場合,スクロールコマンドは見ているノードを変更できません.
scroll-step
scroll-step
がゼ
ロではない値を持つ場合,Infoはノードのテキストのスクロールを何行も試みま
す.スクロールがカーソルをウィンドウの中にもたらすのに十分な場合,そのよ
うにスクロールされます.変数のデフォルト値は0で,このためカーソル(と,対
応するテキストは)はウィンドウの真中に配置されます.この変数を1に設定する
と,それが好きな人もいる"スムーズスクロール"のようなものになります.
show-index-match
On
に設定したとき,検索文字に一致した部分は,検索した文字の一致が
見つかったところで,それを説明するメッセージを強調します.この変数のデフォ
ルト値はOn
です.Infoが索引の一致を見つけたところを表示するとき
(see next-index-match
),入力した文字の
部分は周りの文字の反転表示で強調されます.
visible-bell
On
に設定したとき,GNU Infoはベルをならす代わりに,画面を点滅させ
ようとします.この変数は,Off
がデフォルトです.もちろん,Infoは端
末が許す場合のみ,画面を点滅させることが可能です.端末でそれが不可能な場
合,この変数の設定は効果がありません.しかし,errors-ring-bell
変
数をOff
に設定することで,Infoに静かに動作させることが可能です.