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2.9 FTPオプション

--ftp-user=user
--ftp-password=password
ftpサーバのユーザ名userとパスワードpasswordを指定しま す.これや対応するスタートアップオプションをを用いないと,パスワードの デフォルトは‘-wget@’になり,通常は匿名FTPで使用されるものになりま す.

ユーザ名とパスワードを指定するもう一つの方法は,url自身に書く方法 です(see URL Format).いずれの手法でも,パスワードはpsを実行 することで,誰でも見れるようになってしまいます.パスワードを見られるこ とを避けるため,.wgetrc.netrcに保存し,chmodで他 のユーザから確実にこれらのファイルを保護してください.パスワードが本当 に重要な場合,これらのファイルに書くことも止めてください—Wgetがダウン ロードを開始した後で,ファイルを編修し削除してください.


--no-remove-listing
ftpの回収で生成された,一時的な.listingを削除しません.通常, これらのフィルは,ftpサーバから得た生のディレクトリリストを含んで います.それを削除しないことで,デバッグが目的のときや,リモートサーバ のディレクトリの内容について簡単な調査を可能にしたい時に役に立つはずで す(例えば,実行しているミラーが完全なことを検証します).

Wgetが既知のファイル名にこのファイルを書いたとしても,ユーザが .listingのシンボリックリンクを/etc/passwdに作成したり, rootにWgetをそのホームディレクトリで実行するように頼むといったシ ナリオでも,これはセキュリティホールにはならないことに注意してください. 使用するオプションに依存して,Wgetは.listingへの書き込みを拒否し たり,glob/再帰/タイムスタンプの処理を失敗させたり,シンボリックリンク が削除されたり実際の.listingファイルに置換されたり,リストが .listing.numberファイルに書き込まれたりします.

この状況に問題があっても,rootは決してWgetを信頼できないユーザの ディレクトリで実行しません.ユーザはindex.html/etc/passwdにリンクしたり,ファイルが上書きされるように rootに‘-N’や‘-r’を用いてWgetを実行するように頼むような, 簡単なことしかできません.


--no-glob
ftpのglobをオフにします.globはシェルのような特別文字(ワイル ドカード(wildcards)),つまり,同じディレクトリから一度に一つ以上のファ イルを回収するための‘*’,‘?’,‘[’と‘]’のようなもの の利用を意味します.以下のようにします.
          wget ftp://gnjilux.srk.fer.hr/*.msg

デフォルトで,urlがglob文字を含む場合,globはオンです.このオプショ ンで永久的にglobのオン/オフに使用できます.

シェルによる展開から保護するため,urlを引用符で囲む必要があるかも しれません.globでWgetにディレクトリリストを探し,それはシステム指定の ものになっています.これは,現在の仕事がftpサーバでのみ動作するか らです(そしてそれは,Unix ls出力をエミュレートします).


--no-passive-ftp
パッシブ(passive) ftp転送モードを利用不可能にします.パッシ ブFTPでは,通常とは反対に,データ接続を確立するためサーバに接続するクラ イアントに命令します.

マシンがインターネットに直接つながっている場合は,パッシブでもアクティ ブでもFTPは同じようにうまく動作します.ほとんどのファイアー・ウォールや NAT経由で接続しているパッシブFTPでは,うまく動作することでしょう.しか し,ファイアー・ウォール経由の接続で,パッシブFTPが動作しないときでもア クティブFTPが動作することもあります.このような状況だと疑われる場合は, このオプションを使用するか,入力ファイルでpassive_ftp=offを設定 してください.


--retr-symlinks
通常,ftpディレクトリを再帰的にダウンロードしていて,シンボリック リンクに遭遇したとき,リンクされているファイルはダウンロードされません. その代わりに,マッチしたシンボリックリンクはローカルファイルシステムに 作成されます.指し示されているファイルは,この再帰的な回収でバラバラに なり,それを何とかしてダウンロードしようとしない限り,ダウンロードされ ません.

しかし,‘--retr-symlinks’が指定されている場合,シンボリックリンク は切断され,指定されたファイルが回収されます.この時,このオプションで, Wgetはディレクトリに対するシンボリックリンクを切断して再帰的に回収しま せんが,将来はそうするように拡張されるでしょう.

ファイル(ディレクトリではない)の回収時には,それが再帰されているためで はなく,それがコマンドラインで指定されているために,このオプションの効 果がなくなります.シンボリックリンクは,この場合は常に切断されます.


--no-http-keep-alive
HTTPダウンロードでの“keep-alive”の機能を停止します.通常,同じサーバ から一つ以上の文書をダウンロードするとき,同じTCP接続を利用して転送する ため,Wgetはサーバにそのまま接続し続けるかどうか尋ねます.これは時間を 無駄にせず,同時にサーバの負荷を低減します.

このオプションは,なんらかの理由があり,永続的な(keep-alive)接続がうま く動作しないときに役に立ち,例えば,サーバのバグや接続に対処するサーバ・ サイド・スクリプトが利用できないときです.