Wgetは,コマンドライン引数の処理にGNU getoptを使用しているので,全ての オプションには,短い形式に対応する長い形式があります.長いオプションは 覚え易いのですが入力に時間がかかります.異なるオプションスタイルを自由 に混ぜて使用したり,コマンドライン引数の後にオプションを指定したりして もかまいません.このため,以下のように書くことができます.
wget -r --tries=10 http://fly.srk.fer.hr/ -o log
オプションを受け入れる引数とその引数の間のスペースは省略してもかまいま せん.‘-o log’の代わりに‘-olog’と書くことができます.
引数が不要な複数のオプションを,以下のようにまとめて書き込んでもかまい ません.
wget -drc URL
これは,以下と完全に等価です.
wget -d -r -c URL
オプションは引数の後に指定できるので,それらは‘--’で終端することが できます.そのため,以下ではurl ‘-x’をダウンロードしようとし, logに失敗を報告します.
wget -o log -- -x
カンマで分離されているリストを受け入れるすべてのオプションは,空のリス
トの指定がその値をクリアするという規則に従います.これは,
.wgetrcの設定をクリアにするとき役に立つはずです.例えば,
.wgetrcがexclude_directories
を/cgi-binに設定する場
合,以下の例では最初にリセットし,除外するものとして/~nobody と
/~somebodyを設定します..wgetrc (see Wgetrc Syntax)の
リストをクリアにすることも可能です.
wget -X '' -X /~nobody,/~somebody
引数を受け入れないオプションは,ほとんどが真偽(boolean)のオプショ ンで,yesまたはno (“boolean”)の値を状態に反映させるような名前が付いて います.例えば,‘--follow-ftp’はWgetにHTMLファイルのFTPへのリンク をたどるように伝えますが,一方‘--no-glob’では,FTPのURLでのファイ ルのグラブを実行しないように伝えます.真偽のオプションは,肯定 (affirmative)または否定(negative) (‘--no’ではじまります). そのようなオプションは全て幾つかの属性を共有します.
例外はありますが,デフォルトの動作がオプションの目的と反対であると仮定 されています.例えば,‘--follow-ftp’が存在するということは,デフォ ルトがHTMLページからFTPへのリンクをたどらないことを仮定して説明 されています.
肯定のオプションは,オプション名に‘--no-’を前置することで否定する
ことができます.否定オプションは,‘--no-’接頭辞を省略することで意
味を反転することができます.これで,必要十分だと思われます—肯定オプショ
ンのデフォルトは何もしないのに,なぜ明示的にそれをオフにする方法が提供
されているのでしょうか?それは,スタートアップファイルでデフォルトが変
更されている可能性があるためです.例えば,.wgetrcで
follow_ftp = off
を使用すると,WgetはデフォルトでFTPへのリンクを
たどりませんし,‘--no-follow-ftp’を使用することが,コマンドライン
からデフォルトに戻す唯一の方法になります.