Previous: Treating / specially, Up: Common options


2.8 標準への準拠

状況によっては,gnuのユーティリティのデフォルトの動作は POSIXの標準と互換性がありません.これらの非互換性を抑制する ため,POSIXLY_CORRECT環境変数を定義してください.POSIX 準拠を調査していない限り,POSIXLY_CORRECTを定義する必要はありま せん.

新しいバージョンのPOSIXには,古いバージョンのものと互換性が 無いものもあります.例えば,古いバージョンのPOSIXでは,それ ぞれの入力ファイルの二番目とそれ以降のフィールドをもとにソートするコマ ンド‘sort +1’を要求していますが,POSIX 1003.1-2001から は同じコマンドで+1という名前のファイルをソートすることを要求し ていて,フィールドをもとにしたソートを行なうため,コマンド‘sort -k 2’を代わりに使用する必要があります.

gnuのユーティリティは通常,システム標準のPOSIXのバージョ ンに準拠しています.異なるPOSIXのバージョンに準拠させるため, 適用させる標準の年月を指定するyyyymmの形式の値に _POSIX2_VERSION環境変数を設定してください.現在, _POSIX2_VERSIONに対して二つの値がサポートされています. ‘199209’はPOSIX 1003.2-1992を意味し,‘200112’は POSIX 1003.1-2001を意味します.例えば,古いバージョンの POSIXを仮定する古いソフトウェアを実行し,‘sort +1’, ‘head -1’,または‘tail +1’を使用している場合,環境変数で ‘_POSIX2_VERSION=199209’を設定することで,互換性の問題を回避する ことが可能です.