A.4 広域オプション
‘cvs_options’ (‘cvs_command’ の左側に与えられる)
として利用できるものを以下に示します:
--allow-root=
rootdir- 正しい cvsroot ディレクトリを指定します。Password authentication server 参照。
-a
- クライアントとサーバの全ての通信を認証します。cvs クライアントで
だけ意味をもちます。これを書いている時点では、GSSAPI 接続を行う場合だ
けに実装されています (see GSSAPI authenticated)。認証は流れている
tcp 接続のハイジャックというような攻撃から身を守ることができます。
認証を使用しても暗号化は使用されません。
-b
bindir- cvs 1.9.18 以前では、これは rcs プログラムが bindir ディ
レクトリにあることを指定していました。現在のバージョンの cvs は
rcs プログラムを実行しません。互換性のためにこのオプションがあり
ますが、指定しても何もしません。
-T
tempdir- 一時ファイルが置かれるディレクトリを tempdir とします。
環境変数
$TMPDIR
の設定や、
コンパイル時のディレクトリ設定よりも優先されます。
この値は絶対パス名で指定して下さい。
-d
cvs_root_directory- リポジトリのルートディレクトリのパス名を cvs_root_directory とし
ます。
環境変数
$CVSROOT
よりも優先します。See Repository.
-e
editor- リビジョンのログ情報の入力に editor を使用します。
環境変数
$CVSEDITOR
や $EDITOR
よりも優先します。
詳しい情報は Committing your changes 参照。
-f
- ~/.cvsrc を読みません。
このオプションが最も良く使われるのは、
cvs のオプション設定に直交性がない時です。
例えば ‘cvs log’ のオプション ‘-N’ (タグの表示を抑制します)
に対応する表示を行なうオプションはありません。
従って、~/.cvsrc の ‘log’ エントリに ‘-N’ があったとき、
タグを表示するには ‘-f’ を使用する他ありません。
-H
--help
- 指定された ‘cvs_command’ の使用法を表示します
(コマンドが実際に実行されることはありません)。
コマンド名を指定しない場合には、
‘cvs -H’ は他のヘルプオプションの一覧などを含む、cvs の全体
のヘルプを表示します。
-l
- ‘cvs_command’ をコマンド履歴に記録しません
(しかしコマンドは実行されます)。
コマンド履歴の情報は See history.
-n
- ファイルを更新しません。
‘cvs_command’ を実行した場合の表示だけが行なわれます。
既存のファイルを削除, 更新, マージしたり、
新しいファイルを作成することはありません。
cvs は必ずしも ‘-n’ を付けなかったときと全く同じ出力をするわ
けではないことに注意してください。ときどき、出力が同じ場合がありますが、
他の場合では、cvs は正確に同じ出力をするために必要な実行を飛ばし
ます。
-Q
- コマンドの出力が完全に抑止され、
重大な問題が発生した場合にのみ出力が行なわれます。
-q
- コマンドの出力を減らします。
再帰的にサブディレクトリを辿る時の報告などの補助情報は抑止されます。
-r
- 新たな作業ファイルを読み込み専用にします。
環境変数
$CVSREAD
を設定するのと同じ効果があります
(see Environment variables)。
既定では、そのファイルが監視されてない限り作業ファイルへの書き込みが許
可されます (see Watches)。
-s
variable=
value- ユーザ変数を設定します (see Variables)。
-t
- プログラムの実行状態をトレースします。
cvs が実行する各ステップの情報を表示します。
‘-n’ オプションと共に使用し、
不慣れなコマンドの潜在的な影響を調べるのに便利です。
-v
--version
- cvs のバージョンと著作権情報を表示します。
-w
- 新しい作業ファイルを読み書き可能にします。
環境変数
$CVSREAD
の設定を無効にします。
$CVSREAD
が設定されておらず、
‘-r’ オプションも無い場合には、
作成されるファイルは読み書き可能とされます。
-x
- クライアントとサーバ間の全ての通信を暗号化します。これは cvs クラ
イアントでだけ意味を持ち、また現時点では GSSAPI 接続を用いる場合
(see GSSAPI authenticated) かケルベロス接続 (see Kerberos authenticated) を用いる場合にしか実装されていません。暗号化を使用する
ということは送信されるメッセージも認証されるということです。既定状態で
は暗号化機能は使用できません。特別に --enable-encryption を指定
して cvs を構築する必要があります。
-z
gzip-level- 圧縮レベルを設定します。
cvs クライアントでだけ意味を持ちます。