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24.2 メイルヘッダフィールド

メイルバッファ内のヘッダフィールドは、 行頭のフィールド名で始まり、コロン‘:’で区切られます。 フィールド名(およびメイルアドレス)では、 大文字小文字の区別はありません。 コロンと省いてもよい白文字のあとにフィールドの内容を書きます。

ヘッダフィールドには好き勝手にどんな名前でも使えますが、 一般にはきちんと意味のある標準的なフィールド名だけを使います。 以下は送信メッセージで一般的に使われるフィールドの一覧です。

To
このフィールドには、 メッセージの送付先であるメイルアドレスを書く。 1つより多くのアドレスを書く場合には、 空白ではなくコンマで区切る。
Subject
Subject’フィールドの内容としては、 メッセージが何についてのものかを書く。 ‘Subject’フィールドが有効な理由は、 大部分のメイル閲覧プログラムが、 各メッセージの本文ではなく‘Subject’を使ってメイル一覧を表示するため。
CC
このフィールドには‘To’フィールドと同様に メッセージ送付先の追加メイルアドレスを書く。 ただし、これらのアドレスにあげられた人達は、 自分宛てのメッセージだとは思わないように。
BCC
このフィールドにはメッセージ送付先の追加アドレスを書くが、 実際に送付されるメッセージのヘッダにはこのフィールドは含まれない。 このようにして送信したコピーをブラインドカーボンコピー (blind carbon copies)と呼ぶ。

すべての送信メッセージのブラインドカーボンコピーを自分自身に送るには、 変数mail-self-blindtを設定する。

FCC
このフィールドには、メッセージを送信するたびに Emacsがそのコピーを追加していくファイルの名前を指定する。 ファイルがrmail形式であれば、Emacsはメッセージをrmail形式で書き込む。 それ以外の場合、Emacsはシステムメイルファイル形式で書き込む。

送信メッセージを編集するたびに毎回決まったファイル名を ‘FCC’フィールドに指定するには、 変数mail-archive-file-nameにそのファイル名を設定する。 送信メッセージから‘FCC’フィールドを削除しない限り、 メッセージを送信するたびにこのファイルにメッセージが書き込まれる。

From
From’フィールドは、メイル送信時に使っているアカウントが自分のもの でない場合に、送信者が本当は誰なのかを示すために用いる。 返信には通常このフィールドが使われるので、 ‘From’フィールドの内容は正しいメイルアドレスであること。 自分で‘From’フィールドを指定しなければ、 Emacsはデフォルトで変数user-mail-addressの値を使う。
Reply-to
返信を別のアドレスに送ってほしい場合にこのフィールドを使う。 (rmailを含む)大部分のメイル閲覧プログラムは、 ‘From’のアドレスより‘Reply-to’のアドレスを優先して 自動的に返信を送る。 ‘Reply-to’フィールドをヘッダに加えておけば、 ‘From’のアドレスが返信時に引き起こすであろうどんな問題でも回避できる。

すべての送信メッセージの‘Reply-to’フィールドに決まったアドレスを 指定するには、 変数mail-default-reply-toに(文字列で)そのアドレスを設定する。 こうすると、mailは指定された‘Reply-to’フィールドを 付けてメッセージを初期化する。 メッセージを送信するまえに、 必要なら、このフィールドを削除したり変更したりできる。 Emacsが動き始めたときに環境変数REPLYTOが設定されていれば、 その環境変数の値で変数mail-default-reply-toを初期化する。

In-reply-to
このフィールドは返信しようとしているメッセージについての情報を書く。 メイルシステムによっては、この情報を使ってメイルを互いに関連付ける。 rmailでメッセージに返信するときには、rmailが自動的にこのフィールドを 埋めるので、気にする必要はない(see Rmail)。
References
このフィールドには、関連する以前のメッセージのメッセージID一覧を書く。 rmailでメッセージに返信するときには、 rmailが自動的にこのフィールドを埋める。

ヘッダフィールド、‘To’、‘CC’、‘BCC’、‘FCC’は、 いくつあってもよく、しかも、これらの各フィールドには コンマで区切って複数のアドレスを書けます。 こうすれば、メッセージの送付先をいくつでも指定できます。 ‘To’、‘CC’、‘BCC’フィールドでは継続行を使えます。 これらのフィールドに続く白文字で始まる行は、 すべてフィールドの一部であると見なします。 以下は継続行を用いた‘To’フィールドの例です。

     To: foo@here.net, this@there.net,
       me@gnu.cambridge.mass.usa.earth.spiral3281

メッセージを送信するときに、‘From’フィールドを書いてないと、 Emacsがかわってこの項目を補います。 変数mail-from-styleでその書式を(以下のように)制御します。

nil
king@grassland.com’のように電子メイルアドレスだけを補う。
parens
king@grassland.com (Elvis Parsley)’のように、 電子メイルアドレスと氏名を補う。
angles
Elvis Parsley <king@grassland.com>’のように、 氏名と電子メイルアドレスを補う。
system-default
システムに‘From’フィールドを埋めさせる。