niceは,ジョブのスケジュールの優先順位を出力または変更します. 概要です.
nice [option]... [command [arg]...]
引数が与えられていない場合,niceは現在のスケジュールの優先順 位を出力し,それは継承されます.それ以外の場合,niceは,与え られたコマンドをそのスケジュール優先順位を調整しながら実行します. adjustmentが与えられていない場合,コマンドの優先順位は10増加しま す.負の調整を指定するためには適切な特権が必要です.niceが調 整可能な優先順位は,-20(最優先)から19(最低)までです.
ほとんどのシェルには同じ名前のシェル組み込みコマンドがあるので,装飾な しのスクリプトのコマンド名や対話的に使用すると,ここで記述されていない 異なる機能となる可能性があります.
プログラムは以下のオプションも受け入れます.Common optionsも参照 してください.
古いシステムでは,niceは時代遅れのオプション -adjustmentをサポートしています.POSIX 1003.1-2001 (see Standards conformance)では,これを許可していませ ん.代わりに-n adjustmentを使用してください.
0 commandが指定されておらず,現在の優先順位が出力される場合.
1 nice自身が失敗した場合.
126 commandは見つかったが,呼出しできない場合.
127 commandが見つからない場合.
それ以外はcommandの終了ステータスになります.
優先順位を下げて対話的ではないプログラムを実行することが,役に立つ事も あります.
$ nice factor `echo '2^997 - 1'|bc`
niceは現在の優先順位を出力するので,動作状態を検証するために 呼び出すことも可能です.
デフォルトの動作では,優先順位を‘10’下げます.
$ nice nice 10
$ nice -n 10 nice 10
adjustmentは,現在の優先順位に相対的なものになります.ここで,最 初のniceの呼び出しで,二番目のniceの優先順位を ‘10’下げて,最終的にその優先順位をさらに‘3’下げるように実行 します.
$ nice nice -n 3 nice 13
優先順位を‘19’以上に指定することは,‘19’に指定することと同じ になります.
$ nice -n 30 nice 19
特権ユーザだけが,より高い優先順位でプロセスを実行することが可能です.
$ nice -n -1 nice nice: cannot set priority: Permission denied $ sudo nice -n -1 nice -1