2.1 コマンドライン・オプション
Flexのコマンドライン・オプションは以下のような意味を持ちます。
- -b
-
‘-b’オプションを指定するとlex.backtrackというファイルが生成されます。
このファイルはスキャナの記述情報を最適化する際に使用されます。
詳細については、See Optimizing for Speed。
- -c
-
このオプションはPOSIXとの互換性のために提供されているだけで、
実際には何もしません。
POSIXでは、
‘-c’オプションはC言語によるアクションが使用されることを意味します。
- -d
-
このオプションを指定するとデバッグが可能になります。
これにより生成されるスキャナは、
実行中にスキャナの状態情報を
stderr
に出力します。
- -f
-
Flexに対してファスト・スキャナ(fast scanner)とフル・スキャナ(full scanner)のどちらを生成するかを指示します。
詳細については、
See Table Compression and Scanner Speed。
‘-f’(小文字)オプションと‘-F’(大文字)オプションとは異なる効果を持つ点に注意してください。
- -i
-
Flexに対して大文字、小文字を区別しないスキャナを生成するよう指示します。
詳細については、
See Case Insensitive Scanners。
- -n
-
このオプションはFlexにとっては何の意味も持たず、
POSIXとの互換性のためにのみ提供されています。
POSIXでは、
このフラグは‘-v’オプションによる出力を抑制するために使用されます。
POSIXでのデフォルトは、
テーブル・サイズが指定されない限りこのような出力を抑制するというものです。
Flexではテーブル・サイズは意味を持たないので、
このフラグは冗長です。
- -p
-
‘-p’オプションが指定されると、
Flexは性能レポートを
stderr
に出力します。
スキャナの性能を向上させる方法に関する議論については、
See Optimizing for Speed。
- -s
-
Flexスキャナがマッチするものを見つけることができなかった場合のデフォルトのアクションは、
そのマッチされなかった入力情報を
stdout
に出力することです。
‘-s’オプションはこのようなアクションを抑制し、
その代わりに入力情報がマッチしなかった時点でスキャナを異常終了させます。
- -t
-
このオプションが指定された場合、
Flexは生成されたスキャナをファイルlex.yy.cにではなく
stdout
に出力します。
- -v
-
Flexに対して冗長モードで動作するよう指示します。
- -F
-
Flexに対してファスト・スキャナ(fast scanner)を生成するよう指示します。
詳細については、
See スキャナの最適化。
‘-F’(大文字)は‘-f’(小文字)とは異なる効果を持つ点に注意してください。
‘-f’と‘-F’の相違点に関する情報については、
See Table Compression and Scanner Speed。
- -I
-
このオプションはFlexに対して対話型スキャナを生成するよう指示します。
詳細については、
See Interactive Scanners。
- -L
-
デフォルトでは、
デバッグを支援するために、
Flexは生成されたスキャナのコード中に
#line
指示子を書き込みます。
このオプションによって#line
指示子の書き込みは行われなくなります。
- -T
-
Flexに対してトレース・モードで動作するよう指示します。
Flexは多くのメッセージを
stderr
に出力するようになります。
こうしたメッセージは、
Flexを非常によく理解しているユーザ以外には無意味でしょう。
- -8
-
このオプションは、
Flexに対して8ビット入力を受け付けるスキャナを生成するよう指示します。
- -C[efmF]
-
これらのオプションは、
スキャン処理用のテーブルをどのように圧縮するかを制御します。
詳細については、
See スキャナの最適化。
- -Sskeleton_file
-
Flexに対して、
生成するスキャナのベースとしてskeleton_fileにより指定されるスケルトン・ファイルを使用するよう指示します。
主に、
Flex自体をデバッグするために使用されます。