9.4.2.2 組み込み関数と組み込みプロシージャ
Modula-2では、
いくつかの組み込みプロシージャ、
組み込み関数が使用できます。
これらの説明にあたり、
以下のメタ変数を使用します。
- a
ARRAY
型の変数を表わします。
- c
CHAR
型の定数、
または変数を表わします。
- i
- 整数型の変数、
または定数を表わします。
- m
- 集合に属する識別子を表わします。
通常、
同一関数の中でメタ変数sとともに使用されます。
sの型は、
SET OF
mtypeでなければなりません
(ここでのmtypeはmの型です)。
- n
- 整数型または浮動小数点型の、
変数または定数を表わします。
- r
- 浮動小数点型の変数または定数を表わします。
- t
- 型を表わします。
- v
- 変数を表わします。
- x
- 多くの型の中の1つの型の、
変数または定数を表わします。
詳細については、
関数の説明の部分を参照してください。
また、
すべてのModula-2の組み込みプロシージャは、
以下に説明する値を返します。
ABS(
n)
- 値nの絶対値を返します。
CAP(
c)
- cが小文字であれば、
それを大文字にして返します。
cが小文字でなければ、
cをそのまま返します。
CHR(
i)
- 序数がiである文字を返します。
DEC(
v)
- 変数vの値から1を引きます。
新しい値を返します。
DEC(
v,
i)
- 変数vの値からiで示される値を引きます。
新しい値を返します。
EXCL(
m,
s)
- 集合sから要素mを取り除きます。
新しい集合を返します。
FLOAT(
i)
- 整数値iに等しい浮動小数点値を返します。
HIGH(
a)
- 配列aの最後の要素のインデックスを返します。
INC(
v)
- 変数vの値に1を加えます。
新しい値を返します。
INC(
v,
i)
- 変数vの値にiで示される値を加えます。
新しい値を返します。
INCL(
m,
s)
- 集合sに要素mが存在しない場合、
要素mを追加します。
新しい集合を返します。
MAX(
t)
- 型tの最大値を返します。
MIN(
t)
- 型tの最小値を返します。
ODD(
i)
- iが奇数であればブール型の
TRUE
を返します。
ORD(
x)
- 引数の序数値を返します。
例えば、
文字の序数値は、
(ascii文字セットをサポートするマシン上では)
そのascii値です。
ここでxは、
整数型、
文字型、
列挙型のような順序を持つ型でなければなりません。
SIZE(
x)
- 引数のサイズを返します。
xは変数または型のいずれかです。
TRUNC(
r)
- rの整数部を返します。
VAL(
t,
i)
- 型tのメンバのうち、
その序数値がiであるものを返します。
注意:
集合、
および集合に対する操作はまだサポートされていません。
したがって、
INCL
プロシージャ、
EXCL
プロシージャを使用すると、
GDBはエラーとして扱います。