プロキシ(Proxies)は,リモートサーバからローカルクライアントにデー タを転送するために設計された,特別な目的のhttpサーバです.プロキシ の一つの典型的な使用目的は,接続が遅い場所にいるユーザのためネットワー ク負荷を軽くすることです.これは,転送したデータをキャッシュするプロキ シを通じて,全てのhttpとftpの要求の経路を作ることで達成します. キャッシュリソースが再び要求されたときプロキシはキャッシュからデータを 返します.プロキシのもう一つの使用目的は,(セキュリティの理由で)インター ネットと内部のネットワークを分けたいと考えている会社のためです.Webから 情報を得るため,それらのユーザは認証されたプロキシを使用してリモートデー タに接続し回収します.
Wgetは,httpとftpの回収の両方でプロキシをサポートします. Wget が認識できるようにプロキシの位置を指定する標準的な方法は,以下の環 境変数を使用する方法です.
http_proxy
ftp_proxy
no_proxy
no_proxy
の値が‘.mit.edu’の場合,プ
ロキシはMITからのドキュメントの回収で使用されません.
環境変数に加え,プロキシの位置や設定はWget自身から指定できます.
プロキシサーバの使用を可能にするため,認証を要求するサーバもあります.
認証は,ユーザ名(username)とパスワード(password)から成り立
ち,それはWgetが送る必要があります.http認証と同様,いくつかの認証
手法が存在します.プロキシ認証のために,Basic
認証手法のみ,現在
実装されています.
ユーザ名とパスワードを,プロキシのurlまたはコマンドラインオプショ ンのどちらかで指定できます.会社のプロキシが‘proxy.company.com’の 8001ポートにあると仮定すると,認証データを含むプロキシurlの位置は 以下のようになります.
http://hniksic:mypassword@proxy.company.com:8001/
代わりに,プロキシユーザ名とパスワードを設定するため,
‘proxy-user’と‘proxy-password’オプションと,その等価の
.wgetrcでのproxy_user
とproxy_password
の設定を使用
してもかまいません.