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19.9 ミニバッファに関するその他

本節では、ミニバッファに関係する他の基本関数や変数について述べます。

— コマンド: exit-minibuffer

このコマンドは活性なミニバッファから抜ける。 通常、ミニバッファのローカルキーマップでキーにバインドされる。

— コマンド: self-insert-and-exit

このコマンドは(Command Loop Infolast-command-charにある) 最新のキーボード入力文字を活性なミニバッファに挿入してから抜ける。

— コマンド: previous-history-element n

このコマンドは、ミニバッファの内容を n番目まえの(古い)履歴要素の値で置き換える。

— コマンド: next-history-element n

このコマンドは、ミニバッファの内容を n番目先のより新しい履歴要素の値で置き換える。

— コマンド: previous-matching-history-element pattern

このコマンドは、ミニバッファの内容を pattern(正規表現)に一致するまえの(古い)履歴要素の値で置き換える。

— コマンド: next-matching-history-element pattern

このコマンドは、ミニバッファの内容を pattern(正規表現)に一致するつぎの(新しい)履歴要素の値で置き換える。

— Function: minibuffer-prompt

この関数は、現在活性なミニバッファのプロンプト文字列を返す。 活性なミニバッファがなければnilを返す。

— Function: minibuffer-prompt-width

この関数は、現在活性なミニバッファのプロンプト文字列の表示幅を返す。 活性なミニバッファがなければ0を返す。

— Variable: minibuffer-setup-hook

ミニバッファに入るたびに実行されるノーマルフック。 see Hooks

— Variable: minibuffer-exit-hook

ミニバッファから抜けるたびに実行されるノーマルフック。 see Hooks

— Variable: minibuffer-help-form

この変数の現在値は、 ミニバッファの内側でhelp-formのローカルな束縛に使われる。 (see Help Functions)。

— Function: active-minibuffer-window

この関数は、現在活性なミニバッファのウィンドウを返す。 あるいは、活性なミニバッファがなければnilを返す。

— Function: minibuffer-window &optional frame

この関数は、フレームframeで使われるミニバッファ用ウィンドウを返す。 framenilであると、カレントフレームを意味する。 フレームで使うミニバッファ用ウィンドウは、 そのフレームの一部である必要はない。 ミニバッファを持たないフレームでは、 他のフレームのミニバッファ用ウィンドウを使う。

— Function: window-minibuffer-p window

この関数は、windowがミニバッファ用ウィンドウであると nil以外を返す。

与えられたウィンドウがミニバッファ用であるかどうかを調べるために、 (minibuffer-window)の戻り値と比較するのは正しくありません。 というのは、フレームが複数個あると 複数のミニバッファ用ウィンドウがあるからです。

— Function: minibuffer-window-active-p window

この関数は、ミニバッファ用ウィンドウwindowが活性であると nil以外を返す。

— Variable: minibuffer-scroll-window

この変数の値がnil以外であると、 値はウィンドウオブジェクトであること。 ミニバッファで関数scroll-other-windowが呼ばれると、 scroll-other-windowはこのウィンドウをスクロールする。

最後に、再帰ミニバッファ(see Recursive Editing)を扱う 関数と変数について述べます。

— Function: minibuffer-depth

この関数は、活性なミニバッファの現在の深さを非負整数で返す。 活性なミニバッファがなければ0を返す。

— User Option: enable-recursive-minibuffers

この変数がnil以外であると、 ミニバッファ用ウィンドウが活性であっても、 (find-fileなどの)ミニバッファを使うコマンドを起動できる。 そのような起動では、新たなミニバッファに対する再帰編集レベルが作られる。 内側の(深い)ミニバッファを編集中には、 外側の(浅い)レベルのミニバッファは見えない。

この変数がnilであると、 ミニバッファ用ウィンドウが活性なときには、 別のウィンドウに切り替えたとしてもミニバッファコマンドは使えない。

コマンド名にnil以外の 属性enable-recursive-minibuffersがあると、 当該コマンドをミニバッファから起動したときでさえ、 当該コマンドはミニバッファを使って引数を読み取れます。 ミニバッファコマンドnext-matching-history-element (ミニバッファでは通常M-s)は、この機能を使っています。