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20.5.9 フォーカスイベント

ウィンドウシステムは、どのウィンドウにキーボード入力を与えるかを ユーザーが制御するための一般的な方法を提供します。 ウィンドウを選ぶことをフォーカス(focus)と呼びます。 ユーザーがEmacsのフレームを切り替える操作を行うと、 フォーカスイベント(focus event)が生成されます。 グローバルキーマップにあるフォーカスイベントの普通の定義は、 Emcasの新たなフレームを選択するようになっていて、 これはユーザーが期待することです。 See Input Focus

Lispでは、フォーカスイベントはつぎのようなリストで表現されます。

     (switch-frame new-frame)

ここで、new-frameは切り替え先のフレームです。

Xのほとんどのウィンドウマネージャは、 マウスをウィンドウへ入れるだけで当該ウィンドウにフォーカスが設定される ようになっています。 フレームにマウスが入るとカーソルの形状を変更するので、 Emacsでもそのようにします。 しかし、Lispプログラムにとっては、 なんらかの入力が到着するまではフォーカスの変更について知る必要がありません。 そのため、ユーザーが実際にキーボードのキーを打つか 新たなフレームでマウスボタンを押し下げたときだけ、 Emacsはフォーカスイベントを生成します。 フレーム間でマウスを動かしただけでは、フォーカスイベントは生成されません。

キー列の途中にフォーカスイベントが現れると、キー列を乱します。 そのため、Emacsはキー列の途中にはフォーカスイベントを生成しません。 ユーザーがキー列の途中で、つまり、 プレフィックスキーのあとでフォーカスを変更すると、 複数イベントのキー列のまえかうしろにフォーカスイベントを移動し、 途中には現れないようにEmacsはイベントの順序を並び替えます。