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10.1 Texinfo

カレントディレクトリにTexinfoソースを含んでいる場合,‘TEXINFOS’プ ライマリでそれを宣言する必要があります.通常,Texinfoファイルはinfoに 変換されるので,info_TEXINFOS変数が最も一般的に使用されます.す べてのTexinfoソースファイルは,.texi.txi,または .texinfoの拡張子で終える必要があります.新しいマニュアルには, .texiを推奨します. Automakeは,.info.dvi.ps.pdf,そして .htmlファイルを,Texinfoソースからビルドするルールを生成します. .infoファイルはmake allでビルドされ,make install でインストールされます(no-installinfoを使用していない場合に限り ます.以下を参照してください).それ以外のファイルは,make dvimake psmake pdf,そしてmake htmlでビルドを要求 することが可能です.

.texiファイルがversion.texi@includeしている場 合,そのファイルが自動的に生成されます.ファイルversion.texiは, 四つのTexinfoのフラグを定義し,それは@value{EDITION}@value{VERSION}@value{UPDATED},そして @value{UPDATED-MONTH}を使用することで参照可能です.

EDITION
VERSION
これらのフラグは両方とも,プログラムのバージョンナンバーです.それらは 明確さのために別々にしています.
UPDATED
これは,主要な.texiファイルが最後に修正された日付を保持します.
UPDATED-MONTH
これは,主要な.texiファイルが最後に修正された月名を保持します.

version.texiサポートには,mdate-shプログラムが必要です. このプログラムはAutomakeと一緒に供給されていて,automake--add-missingオプションで呼び出されるとき,自動的に含められます.

複数のTexinfoファイルがあり,version.texiの機能を使用したい場合, それぞれのTexinfoファイルに対し個別のバージョンファイルを持たせる必要 があります.Automakeは‘vers*.texi’に一致したTexinfoファイル内に含 まれるものを,単純に自動的に生成されたバージョンファイルとして扱います.

infoファイルが,実際には一つ以上の.texiファイルに依存する場合も あります.例えば,GNU Helloでは,hello.texigpl.texiファ イルを含んでいます.texi_TEXINFOS変数を使用することでこれ らの依存性をAutomakeに伝えることが可能です.GNU Helloで用いた方法は, 以下のようになっています.

     info_TEXINFOS = hello.texi
     hello_TEXINFOS = gpl.texi

デフォルトでAutomakeは,ファイルtexinfo.texがTexinfoソースと同 じディレクトリに存在することを要求します(これは,TEXINFO_TEX変 数で変更することが可能です.以下を参照して下さい).しかし, configure.acAC_CONFIG_AUX_DIRを使用した場合 (see Finding `configure' Input),texinfo.texはそこで探されます.Automakeは, ‘--add-missing’が与えられている場合,texinfo.texを供給しま す.

オプション‘no-texinfo.tex’を,texinfo.texを要求することを 止めるために使用することが可能です.しかし,変数TEXINFO_TEXの使 用は望ましく,それはdvips,そしてpdfターゲット を動作させることが可能だからです.

Automakeはinstall-infoルールを生成します.これを明示的に使用す る人もいます.デフォルトで,infoページは‘make install’でインストー ルされます.これはno-installinfoオプションによって止めることが 可能です.

以下の変数はTexinfoのビルドルールで使用されます.

MAKEINFO
.infoファイルをビルドするために呼び出されるプログラム名です.こ の変数はAutomakeが定義します.makeinfoプログラムがシステムで見 つかった場合,デフォルトで使用されます.それ以外ではmissingが代 わりに使用されます.
MAKEINFOHTML
.htmlファイルをビルドするために呼び出されるコマンドです. Automakeはこれを$(MAKEINFO) --htmlと定義します.
MAKEINFOFLAGS
$(MAKEINFO)$(MAKEINFOHTML)のそれぞれの呼び出しに渡すユー ザフラグです.このユーザ変数(see User Variables)はMakefile で定義していることを期待していません.それはユーザが必要に応じて追加フ ラグを渡すことで使用することが可能です.
AM_MAKEINFOFLAGS
AM_MAKEINFOHTMLFLAGS
それぞれのmakeinfoの呼び出しで管理者が渡すフラグです.これらは Makefile.amで優先することが可能な管理者用の変数です. $(AM_MAKEINFOFLAGS).infoファイルをビルドするとき makeinfoに渡されます.そして,$(AM_MAKEINFOHTMLFLAGS).htmlファイルをビルドするときmakeinfoに使用されます.

例えば以下の設定で,一つのマニュアルに付き,ノードで分離されていない単 一の.htmlファイルを入手するために使用することが可能です.

          AM_MAKEINFOHTMLFLAGS = --no-headers --no-split

デフォルトで,$(AM_MAKEINFOHTMLFLAGS)$(AM_MAKEINFOFLAGS)に設定されます.これは, $(AM_MAKEINFOHTMLFLAGS)を定義せずに$(AM_MAKEINFOFLAGS)を 定義すると.info.htmlの両方のファイルが暗黙にビルドされ ることを意味します.

TEXI2DVI
.texiファイルを.dviファイルに変換するコマンドの名前です. このデフォルトはtexi2dviで,Texinfoパッケージとともに配布されて います.
TEXI2PDF
.texiファイルを.pdfファイルに変換するコマンドの名前です. デフォルトは$(TEXI2DVI) --pdf --batchです.
DVIPS
.dviファイルから.psファイルをビルドするコマンドの名前で す.デフォルトはdvipsです.
TEXINFO_TEX
多くのディレクトリにTexinfoファイルがあるパッケージの場合,Automakeに パッケージに対して標準的なtexinfo.texが見つかる場所を伝える変数 TEXINFO_TEXを使用することが可能です.この変数の値は,現在の Makefile.amからtexinfo.texへの相対的なパスにすべきです.
          TEXINFO_TEX = ../doc/texinfo.tex