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20.14.3 相違箇所の状態

併合バッファ内では、相違箇所は‘v’と‘^’の文字だけの行に 挟まれて示されます。 各相違箇所は、つぎの7つのいずれかの状態になっています。

状態A
この相違箇所はA版の内容である。 aコマンドは必ずこの状態にする。 モード行には‘A’と表示される。
状態B
この相違箇所はB版の内容である。 bコマンドは必ずこの状態にする。 モード行には‘B’と表示される。
デフォルトA
デフォルトB
まだ決心していないので、『デフォルト』で、 相違箇所は状態A(A版の内容)か状態B(B版の内容)である。 どちらかの選択肢が『優先される』(下記参照)場合を除いて、 相違箇所はすべてデフォルトAで始まる (つまり、併合バッファの内容はAバッファのコピー)。

相違箇所を選択すると、その状態は、デフォルトAやデフォルトBから 状態Aや状態Bに遷移する。 つまり、一度でも選択した相違箇所は、 デフォルトAやデフォルトBの状態であることはなく、 これらの状態はけっしてモード行には表示されない。

デフォルトの状態として、 コマンドd aはデフォルトAを選び、 d bデフォルトBを選ぶ。 これらのコマンドで選んだデフォルトの状態は、 一度も選択してなく、かつ、どちらの版も優先されない相違箇所に適用される。 併合作業を先頭から順に行っている場合、 最後に選択した相違箇所に続く相違箇所群が一度も選択されていないものである。 したがって、先頭から順に進めるのであれば、 d ad bを使い分けて、 併合バッファのある部分ではA版をデフォルトとし、 別の部分ではB版をデフォルトとすることができる。

優先A
優先B
どちらかが優先されているので、 相違箇所は状態A(A版の内容)か状態B(B版の内容)である。 つまり、明示的にはまだ選択していないが、当該箇所では、 一方の版が共通の祖先に一致するため、 他方の版のほうが正しく思われるのである。 したがって、Aバッファが共通の祖先と一致する箇所では、 実際に変更されたほうが正しいものである可能性があるので、 B版が優先される。

これらの2つの状態は、モード行では‘A*’や‘B*’と表示される。

混合状態
x cx Cコマンドの結果、 相違箇所は、状態A(A版の内容)と状態B(B版の内容)の混合状態になっている。

相違箇所がいったんこの状態になると、 コマンドabに数引数を指定しない限り、何もしない。

この状態は、モード行では‘comb’と表示される。