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37.1.3 端末固有の初期化

端末の各種類ごとに、Emacsがその種類の端末で動作するときに Emacsがロードする専用Lispライブラリを持てます。 ライブラリ名は、変数term-file-prefixの値と 端末種類を連結して作ります。 通常、term-file-prefixの値は"term/"であり、 これを変更することは勧めません。 Emacsは通常どおり、load-pathのディレクトリ群において ‘.elc’と‘.el’の接尾辞でファイルを探します。

端末固有ライブラリの普通の機能は、 Emacsが識別可能なキー列を送るように特別なキーを設定することです。 端末のすべてのファンクションキーがtermcapに入っていない場合には、 function-key-mapを設定したり追加する必要もあります。

端末種類の名前にハイフンが含まれる場合、 ライブラリ名を選ぶうえでは、最初のハイフンよりまえの名前の部分が有効です。 したがって、‘aaa-48’と‘aaa-30-rv’のどちらも ライブラリterm/aaaを使います。 必要ならば、ライブラリでは(getenv "TERM")を評価することで 端末種類の完全な名前を得ることができます。

読者のファイル.emacsで 変数term-file-prefixnilを設定すると、 端末固有ライブラリをロードしないようにできます。 この機能は、読者独自のカスタマイズを試すときに有用です。

変数term-setup-hookに設定すれば、 端末固有ライブラリの特定の動作に優先できます。 これは、読者のファイル.emacsと端末固有ライブラリの両者を ロードしたあとの初期化後にEmacsが実行するノーマルフックです。 端末専用ライブラリがない端末向けの初期化を定義するために この変数を使えます。 See Hooks

— Variable: term-file-prefix

変数term-file-prefixnil以外であると、 Emacsは、つぎのように端末固有の初期化ファイルをロードする。

          (load (concat term-file-prefix (getenv "TERM")))

端末固有の初期化ファイルをロードしたくない場合には、 読者のファイル.emacsで 変数term-file-prefixnilを設定する。 それには、読者のファイル.emacs(setq term-file-prefix nil)を入れる。

— Variable: term-setup-hook

この変数は、読者のファイル.emacs、 (あれば)デフォルトの初期化ファイル、 端末固有のLispファイルをロードしたあとにEmacsが実行する ノーマルフックである。

端末固有ファイルの定義に優先するためにterm-setup-hookを使える。

関連する機能については、 Window Systemswindow-setup-hookを参照してください。