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6.3 コマンド名や変数名によるヘルプ表示

C-h fdescribe-function)は、 ミニバッファでLisp関数の名前を読み取り、 その関数の説明文字列をウィンドウに表示します。 コマンドはLisp関数ですから、 名前を知っているコマンドであれば、 その説明文を得ることができます。 たとえば、

     C-h f auto-fill-mode <RET>

とすると、auto-fill-modeの説明文字列を表示できます。 どのキーにもバインドしていない (つまり、通常M-xで起動する)コマンドの説明文字列を見るには、 この方法しかありません。

C-h fはまた、 Lispプログラムの中で使おうと考えているLisp関数に対しても有益です。 たとえば、式(make-vector len)を書いたとしましょう。 make-vectorを正しく使っているかどうか調べたいときには、 C-h f make-vector <RET>と打ちます。 C-h fは、コマンド名だけでなく、すべての関数名に適用できるので、 普段M-xで使えている省略形がC-h fでは使えないかもしれません。 ある省略形がコマンド名としては一意であったとしても、 他の関数名を含めてみると一意ではない場合もあります。

ミニバッファで<RET>だけを打ってミニバッファが空の場合、 C-h fに与えられる関数名にはデフォルト値があります。 デフォルト値は、バッファ内のポイント周辺でもっとも内側のLisp式で 呼び出される関数ですが、それが定義された正しいLisp関数の名前で ある場合に限ります。 たとえば、‘(make-vector (car x)’というテキストの直後にポイントがあると、 ポイントを含むもっとも内側のリストは‘(make-vector’から始まる部分なので、 デフォルトは関数make-vectorです。

C-h fは、関数名の綴りが正しことを 単に確認するためだけにも役立ちます。 C-h fがバッファ内の名前をデフォルトとして表示すれば、 その名前はLisp関数として定義されているはずです。 これだけを確認したいのであれば、 C-gを打ってC-h fコマンドを取り消して、編集を続けます。

C-h w command <RET>は、 どのキーをcommandにバインドしてあるかを表示します。 キーの一覧をエコー領域に表示します。 どのキーにも割り当てられていないと表示された場合は、 そのコマンドはM-xで起動する必要があります。 C-h wはコマンドwhere-isを実行します。

C-h vdescribe-variable)はC-h fに似ていますが、 Lisp関数ではなくLisp変数を説明する点が異なります。 デフォルトはポイント周辺またはポイントの直前のLispシンボルですが、 既知のLisp変数に限ります。 See Variables