10.1.7 ファイル名の書式化
これらのオプションは,ファイル名自身を出力する方法を変更します.
- ‘-b’
- ‘--escape’
- ‘--quoting-style=escape’
-
ファイル名の表示不可能な文字を,Cで使用されるような,アルファベットと
八進数のバックスラッシュシーケンスを用いて引用符で囲みます.
- ‘-N’
- ‘--literal’
- ‘--quoting-style=literal’
-
ファイル名を引用符で囲みません.
- ‘-q’
- ‘--hide-control-chars’
-
ファイル名の表示不能な文字の代わりに疑問符を出力します.出力が端末の場
合と,プログラムがlsの場合,これはデフォルトです.
- ‘-Q’
- ‘--quote-name’
- ‘--quoting-style=c’
-
二重引用符でファイル名を囲み,表示不可能な文字をCのように引用符で囲み
ます.
- ‘--quoting-style=word’
-
ファイル名とその他の任意の文字を含む文字列の引用符に形式wordを使
用します.wordは以下の一つになります.
- ‘literal’
-
そのまま文字列を出力します.これは,-Nや--literalオ
プションと同じです.
- ‘shell’
-
文字列にシェルのメタ文字を含んでいたり,不明瞭な出力を生じる場合,引用
符で囲みます.引用符で囲むことは,bashのような
POSIX互換のシェルに対しては適切ですが,cshのように
互換性の無いシェルで常に動作するわけではありません.
- ‘shell-always’
-
シェルに対して,通常は引用符が不要な場合でも文字列を引用符で囲みます.
- ‘c’
-
Cの文字列リテラルのように文字列を引用符で囲み,それには周りの二重引用
符が含まれ.これは-Qや--quote-nameオプションと同じで
す.
- ‘escape’
-
Cの文字列リテラルのように文字列を引用符で囲みますが,周りの二重引用符
は省略したものになります.これは,-bや--escapeオプショ
ンと同じです.
- ‘clocale’
-
Cの文字列リテラルのように文字列を引用符で囲みますが,周りの引用符はロ
カールに適したものになります.
- ‘locale’
-
Cの文字列リテラルのように文字列を引用符で囲みますが,周りの引用符はロ
カールに適したものになり,デフォルトのCロカールでは"like this"の代
わりに`like this'のように引用符で囲みます.これは多くのディスプレ
イでより良く見えます.
--quoting-styleオプションのデフォルト値を,環境変数
QUOTING_STYLEで指定することが可能です.環境変数が設定されていな
い場合,デフォルト値は‘literal’ですが,このデフォルトは,このパッ
ケージの将来のバージョンで‘shell’に変更されるかもしれません.
- ‘--show-control-chars’
-
ファイル名の出力不可能な文字をそのまま出力します.出力が端末の場合やプ
ログラムがlsの場合以外では,これがデフォルトです.