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8.3 エコーエリア

エコーエリア(echo area)は,画面の底に現われる一行のウィンドウです. それは情報やエラーのメッセージの表示と,入力が必要なときそれを読み込むた めに使用されます.エコーエリアで利用可能なコマンドのほとんど全ては, Emacsでそれに対応する物と同じなので,テキストの行の編集の概念をより深く 説明しているドキュメントを参照してください.以下の表は,エコーエリアで入 力が読み込まれるとき,利用可能なコマンドの短いリストです.

<C-f> (echo-area-forward)
<RIGHT> (an arrow key)
<M-h>, vi-like operation
一文字先に進めます.
<C-b> (echo-area-backward)
<LEFT> (an arrow key)
<M-l>, vi-like operation
一文字後に戻します.
<C-a> (echo-area-beg-of-line)
<M-0>, vi-like operation
入力行の最初に移動します.
<C-e> (echo-area-end-of-line)
<M-$>, vi-like operation
入力行の最後に移動します.
<M-f> (echo-area-forward-word)
<C-<RIGHT>> (DOS/Windows only)
<M-w>, vi-like operation
一単語先に進めます.

DOS/Windowsで,C-<RIGHT>は一単語づつ先に進めます.

<M-b> (echo-area-backward-word)
<C-<LEFT>> (DOS/Windows only)
一単語後に戻します.

DOS/Windowsで,C-<LEFT>は一単語づつ後に戻します.

<C-d> (echo-area-delete)
<M-x>, vi-like operation
カーソルの下の文字を削除します.
<DEL> (echo-area-rubout)
カーソルの前の文字を削除します.

同じキーボードで,このキーは‘BackSpace’に対する<BS>として設計さ れています.これらのキーボードは,通常,<DEL>をエコーエリアでの echo-area-deleteに結びつけられています.

<C-g> (echo-area-abort)
<C-u>, vi-like operation
現在の処理を中止または終了します.補完が読み込まれている場合,このコマン ドは補完に一致しない入力行のテキストを削除します.入力行が空の場合,呼び 出している機能を中止します.
<RET> (echo-area-newline)
現在の入力行を受け入れ(または強制補完し)ます.
<C-q> (echo-area-quoted-insert)
<C-v>, vi-like operation
次の文字をそのまま挿入します.これは例えば,検索文字列に制御文字や,Info が補完を促しているときの‘?’文字の入力を可能にする方法です.
printing character (echo-area-insert)
文字を挿入します.八番目のビットセットで,‘M-’コマンドに結び付かな い文字も,そのまま挿入されます.これはラテンスクリプトをサポートしている 端末で,役に立ちます.
<M-TAB> (echo-area-tab-insert)
<Shift-<TAB>> (on DOS/Windows only)
タブ文字を挿入します.

DOS/Windowsのみで,Shift-<TAB>M-<TAB>の代わりにな ります.このキーは,‘BackTab’と呼ばれることもあります.

<C-t> (echo-area-transpose-chars)
カーソルの文字を置き換えます.

次のコマンドのグループは,テキストのキル(killing)ヤンク (yanking)に対応します1.キルとヤンクの詳細は,Killing and Deletingを参照してください.

<M-d> (echo-area-kill-word)
<M-X>, vi-like operation
カーソルに続く単語をキルします.
<M-DEL> (echo-area-backward-kill-word)
<M-<BS>>
カーソルの前の単語をキルします.

キーボードによっては,BackspaceキーがDELの代わりに使用され ているので,M-<Backspace>M-<DEL>と同じ効果があり ます.

<C-k> (echo-area-kill-line)
カーソルから行末までのテキストをキルします.
C-x <DEL> (echo-area-backward-kill-line)
カーソルから行頭までのテキストをキルします.
<C-y> (echo-area-yank)
最後にキルした内容をヤンクします.
<M-y> (echo-area-yank-pop)
前にキルしたものをヤンクし,最後にヤンクしたテキストを最初に移動します.

エコーエリアで入力を読み込んでいるとき,入力が必要なコマンドがいくつかの 選択リストの中から一つだけ受け入れる場合もあります.選択は可能な補 完(possible completions) を表し,その中の一つを返答する必要があります. 作成可能な返答には多くのリストがあるので,Infoで入力を省略することを可能 になり,唯一に識別するのに必要な量だけ返答を入力します.さらに,Infoに可 能性のある返答を補充するように要求することも可能です.これは補完 (completion)と呼ばれます.

以下のコマンドは,エコーエリアでの補完を可能にします.

<TAB> (echo-area-complete)
<SPC>
可能な限り補完を挿入します.
<?> (echo-area-possible-completions)
今まで入力したものの可能な補完のリストを含むウィンドウを表示します.例え ば,利用可能な選択が以下の場合を考えます.
          bar
          foliate
          food
          forget

f’に続けて‘?’を入力すると,Infoは,以下のような可能な補完をリ ストアップする,‘*Completions*’と呼ばれるノードを表示するウィンドウ を表示します.

          3 completions:
          foliate         food
          forget

すなわち,‘f’で始まる選択の全てです.<SPC>や<TAB>を押すと, 選択の全ては‘f’で始まり‘o’が続くので,エコーエリアに‘fo’ が結果として現われます.今,‘TAB’に続けて‘l’を入力すると, ‘fol’で始まる選択は‘foliate’だけなので,それが結果としてエコー エリアに現われます.

<ESC C-v> (echo-area-scroll-completions-window)
補完ウィンドウを,それが見えていて"他の"ウィンドウが見えない場合,スクロー ルします.

脚注

[1] これらの処理をカット(cut)ペー スト(paste)と呼ぶ人もいます.