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3.4 od: 八進数やその他の書式でファイルを書き出す

odは,それぞれのfile(‘-’は標準入力を意味します)や, 与えられない場合は標準入力を明瞭な表現で書き出します.概要です.

     od [option]... [file]...
     od --traditional [file] [[+]offset [[+]label]]

それぞれの出力行は,入力オフセットとそれに続くファイルデータのグループ から成り立ちます.デフォルトで,odは八進数でオフセットを出力 し,それぞれのファイルのデータグループは,一つの八進数として出力される 入力からの二バイトです.

プログラムは以下のオプションを受け入れます.Common optionsも参照 してください.

-A radix
--address-radix=radix
出力するファイルオフセットの基数を選択します.radixは,以下の一 つが使用可能です.
d
十進数.
o
八進数.
x
16進数.
n
なし(出力オフセットを出力しません).

デフォルトは八進数です.

-j bytes
--skip-bytes=bytes
書式化と書き出しの前に,入力バイトのbytesスキップします. bytesが‘0x’や‘0X’で始まる場合,16進数と解釈されます. それ以外で‘0’で始まる場合は八進数.それ以外では十進数です. ‘b’の追加でbytesを512倍し,‘k’は1024倍,そして‘m’ は1048576倍します.
-N bytes
--read-bytes=bytes
入力の最大bytesバイトを出力します.bytesに対する接頭辞と 接尾子は,-jのものと同じように解釈されます.
-s n
--strings[=n]
通常の出力の代わりに,文字列定数(string constants)だけを出力しま す.それは,少なくともn個の連続したASCIIの印字可能な文 字で,それにはnull(ゼロ)バイトが続きます.

--stringsnが省略されている場合,デフォルトは3です.古 いシステムでは,gnu odは時代遅れのオプション -s[n]をサポートしていて,そこでのnのデフォルトも3 です.POSIX 1003.1-2001 (see Standards conformance)では, 引数を用いない-sは許可されません.代わりに--strings を使用してください.

-t type
--format=type
ファイルデータの出力書式を選択します.typeは,以下の形式を示す文 字の一つ以上の文字列です.単一のtype文字列に,一つ以上の形式を示 す文字を含めたり,一回以上このオプションを使用した場合,odは, それぞれの指定したデータ形式を用いて,それぞれの出力行のコピーを,指定 した順番で書き出します.

あらゆる形式指定の終りに“z”を加えることで,形式指定で生成された出力 行に,印刷可能な文字に存在するASCII文字の表示を加えます.

a
指名された文字.
c
ASCII文字,またはバックスラッシュエスケープ.
d
符号付き十進数.
f
浮動小数点.
o
八進数.
u
符号無し十進数.
x
16進数.

形式aは,スペースに対し‘sp’,改行に対し‘nl’,そして null(ゼロ)バイトに対し‘nul’のようなものを出力します.形式c は,それぞれ‘ ’,‘\n’,そして\0を出力します.

a’と‘c’以外の形式に対し,それぞれの数字の解釈に使用するバイ ト数を,以下の十進の整数を用いた形式を示す文字で与えられているデータ形 式で指定することができます.代わりに,以下の文字の一つを用いた形式を示 す文字で,Cコンパイラ組込みのデータ形式を指定することも可能です.整数 (‘d’,‘o’,‘u’,‘x’)に対しては以下のようになります.

C
char
S
short
I
int
L
long

浮動小数点(f)に対しては以下のようになります.

F
float
D
double
L
long double

-v
--output-duplicates
同一の連続した行を出力します.デフォルトで,二行以上連続した出力行が同 一のとき,odは最初の行のみ出力し,それ以下の行には省略を示す ためアスタリスクだけを書きます.
-w n
--width[=n]
出力行ごとに,n入力バイトをダンプします.これは,出力形式で指定 したものに関連するサイズの最小公倍数の倍数にする必要があります.

このオプションが全く指定されていない場合,デフォルトは16です. --widthnが省略されている場合,デフォルトは32です.古 いシステムでは,gnu odは時代遅れのオプション -w[n]を代わりにサポートしていて,そこでのnのデフォ ルトも32です.POSIX 1003.1-2001 (see Standards conformance)では,引数を用いない-wを許可していません.代わり に--widthを使用してください.

次のいくつかのオプションは,書式指定の短いものです.gnu odは,短いものと書式指定のオプションのあらゆる組み合わせを受 け入れます.これらのオプションは累積されます.

-a
指名された文字として出力します.-taと等価です.
-b
八進数のバイトとして出力します.-toCと等価です.
-c
ASCII文字やバックスラッシュエスケープとして出力します. -tcと等価です.
-d
符号無しの十進数のshortとして出力します.-tu2と等価です.
-f
浮動小数点として出力します.-tfFと等価です.
-h
16進数のshortとして出力します.-tx2と等価です.
-i
十進数のshortとして出力します.-td2と等価です.
-l
十進数のlongとして出力します.-td4と等価です.
-o
八進数のshortとして出力します.-to2と等価です.
-x
16進数のshortとして出力します.-tx2と等価です.
--traditional
伝統的なodが受け入れる,オプション引数が無いものとして認識し ます.以下の構文です.
          od --traditional [file] [[+]offset[.][b] [[+]label[.][b]]]

これは,最大一つのファイルと,オプション引数で指定しているオフセットと 疑似スタートアドレス,labelを指定するために使用することが可能で す.デフォルトで,offsetは,書式化と書き出しの前にスキップする入 力バイトの量が八進数で指定されていると解釈されます.オプションで十進数 の位置を後置すると,offsetの解釈は強制的に十進数とします.十進数 が指定されておらず,オフセットが‘0x’や‘0X’で始まる場合,それ は16進数として解釈されます.‘b’の後置がある場合,スキップされるバ イト数はoffset の512倍になります.label引数は, offsetのように解釈されますが,それは初期の疑似アドレスを指定しま す.疑似アドレスは,通常のアドレスに続くカッコ内に表示されます.

終了ステータスのゼロは成功を示し,ゼロ以外の値は失敗を示します.