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3.2 configure.acを作成するためにautoscanを使用する

autoscanプログラムは,ソフトウェアパッケージに対する configure.acファイルの作成と/または管理に役に立ちます. autoscanは,コマンドライン引数で与えられたディレクトリをルート とするディレクトリツリー,または,与えられていない場合はカレントディレク トリでソースファイルを調査します.それは,ソースファイルの一般的な移植性 の問題を検索して,パッケージに対するconfigure.acの準備となるファ イルconfigure.scanを作成し,あるいは存在している configure.acの完全性を調査します.

configure.acを作成するためにautoscanを使用するとき, configure.scanconfigure.acに改名する前に,手作業でそれを 調査する必要があります.恐らくなんらかの調整が必要です.時折 autoscanは,autoconfが警告を出すような,関連するマク ロに対して間違った順序でマクロを出力する場合もあります.手作業でそのよう なマクロを移動する必要があります.また,パッケージでコンフィギュレーショ ンヘッダファイルを使用する場合も,AC_CONFIG_HEADERの呼び出しを加 える必要があります(see Configuration Headers).また,Autoconfで動作 するように,プログラムの#ifディレクティブを変更したり加えたりする 必要があります(そのような仕事に役に立つプログラムの情報は, see ifnames Invocation).

configure.acを管理するためにautoscanを使用しているとき, 単純にそれが追加した提案を検討してください.ファイルautoscan.log には,マクロが要求される理由に関する詳細な情報が含まれています.

autoscanは,パッケージのソースファイルで特定のシンボルを見つけ たときに出力するマクロを決定するため,(Autoconfと一緒にインストールされ ている)データファイルも使用します.これらのデータファイルはすべて同じ書 式です.それぞれの行は,シンボル,空白スペース,そしてそのシンボルがある 場合に出力するAutoconfマクロから成り立っています.‘#’で始まる行はコ メントです.

autoscanは以下のオプションを受け入れます.

--help
-h
コマンドラインオプションの概要を出力して終了します.
--version
-V
Autoconfのバージョンナンバーを出力して終了します.
--verbose
-v
調査しているファイルと,その中で見つかった興味深いものとなる可能性のある シンボル名を出力します.この出力は大量になるはずです.
--include=dir
-I dir
dirをインクルードパスの後に追加します.複数回の呼び出しで累積され ます.
--prepend-include=dir
-B dir
dirをインクルードパスの前に追加します.複数回の呼び出しで累積され ます.