Automakeは単純な形式の条件文をサポートします.
条件文を使用する前に,configure.in
ファイルでAM_CONDITIONAL
を使用してそれを定義する必要があります(see section Automakeが提供するAutoconfマクロ).
シェルのcondition(シェルのif
文で使用されるのに適切なもの)は,
configure
が実行されるときに評価されます.すべての
AM_CONDITIONAL
が毎回configure
の実行で呼び出されるように調
整する必要があります -- AM_CONDITIONAL
が条件つき(例えば,シェルの
if
文)で実行される場合,結果としてautomakeが混乱します.
条件文は一般的に,configure
スクリプトでユーザが提供するオプション
に依存します.ユーザが`--enable-debug'オプションを使用する場合,真
の条件を書く方法の例は以下のようになります.
AC_ARG_ENABLE(debug, [ --enable-debug Turn on debugging], [case "${enableval}" in yes) debug=true ;; no) debug=false ;; *) AC_MSG_ERROR(bad value ${enableval} for --enable-debug) ;; esac],[debug=false]) AM_CONDITIONAL(DEBUG, test x$debug = xtrue)
`Makefile.am'でその条件文を使用する方法の例は以下のようになります.
if DEBUG DBG = debug else DBG = endif noinst_PROGRAMS = $(DBG)
この簡単な例は,EXTRA_PROGRAMSを使用しているものを扱うことも可能でしょう (see section プログラムの条件付コンパイル).
if
文で,`!'を使用した否定も可能な,単一の変数のみを調査した
いかもしれません.else
文は省略可能です.条件文は任意の深さにネス
ト可能です.else
に引数を指定することも可能ですが,いずれの場合で
も,現在のif
に対して使用される条件の否定となっている必要がありま
す.同様に,end
で閉じられた条件を指定することも可能です.
if DEBUG DBG = debug else !DEBUG DBG = endif !DEBUG
非対称の条件文はエラーとなります.
Automakeの条件文はGNU Makeの条件文とは同じでないことに注意してください.
Automakeの条件文は,configure時に`configure'スクリプトでチェックさ
れ,`Makefile.in'から`Makefile'への変換に影響を与えます.それ
らは,`configure'に渡すオプションと,`configure'がホストシステ
ムについて発見した結果に基づきます.GNU Makeの条件文は,make
時に
調査され,makeプログラムに渡された,あるいは`Makefile'で定義された
変数に基づいています.
Automakeの条件文は,どんなmakeプログラムでも動作します.
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