本書では、Emacsエディタの使い方と簡単なカスタマイズについて解説します。 読者がプログラマであるとは想定していません。 簡単なカスタマイズには、プログラミングの手腕は必要ありません。 しかし、カスタマイズに興味のない方は、 各所に散在するカスタマイズのヒントを無視してください。
本書の主目的はリファレンスマニュアルですが、 入門書としても利用できます。 本当の初心者には、本書を読み始めるまえに、実際に動かしながら学べる オンラインのチュートリアルをお勧めします。 チュートリアルを実行するには、 Emacsを起動してC-h tと打ちます。 こうすると、コマンドの説明、試し方とその実行結果がどうなるかを 記述した専用のファイルをとおしてEmacsを使いながらEmacsを学べます。
初めて読む場合には、まず、1章と2章をざっと読んでください。 本書で用いる表記法とEmacs画面の一般的な体裁を説明します。 これらの章のどこで何が説明されているか心に留めて、 あとで参照できるようにしてください。 4章を読み終えたら、それまでのコマンドを練習してください。 そのあとの何章かでは、常用する基本的な技法や概念を説明します。 必要ならば試してみて、それらを完全に理解しておいてください。
14章から19章では、どんな編集作業にも有用な中級の機能を説明します。 20章以降に説明してある機能は、使う場合もあれば、使わない場合もあるでしょう。 必要になったときにそれぞれの章を読んでください。
Emacsが正常に動いてないように思えたら、 障害対策の章を読んでください。 よくある問題にどう対処するか説明し (see section Emacsのトラブルに対する対処)、 Emacsのバグをいつどのように報告するかも説明します (see section バグの報告)。 特定のコマンドの説明を探すには索引を見てください。 キー(文字コマンド)とコマンド名は別々の索引になっています。 また、相互参照付きの用語集もあります。
本書は、印刷物としても、あるいは、infoファイルとしても入手できます。 infoファイルは、infoプログラムでオンライン閲覧するためのものです。 infoプログラムは、GNUシステムにおいてドキュメントを オンラインで見る標準的な方法です。 infoファイルもinfoプログラムも、GNU Emacsと一緒に配布されています。 infoファイルと印刷物は実質的には同じ内容で、 GNU Emacsと一緒に配布されている同一のソースファイルから生成したものです。
GNU EmacsはEmacsエディタ族の一員です。 何種類ものEmacsエディタがありますが、 それらはすべて同じ構成原理を共有しています。 Emacsの根底にある考え方や、その開発から得た知見を学ぶには、 Publications Department、 Artificial Intelligence Lab、545 Tech Square、Cambridge、MA 02139、USA から、AI memo 519a、 『Emacs, the Extensible, Customizable Self-Documenting Display Editor』 を入手してください。 最新版は1部2.25ドルです。 また、 Publications Department、Laboratory for Computer Science、545 Tech Square、 Cambridge、MA 02139、USAから入手できるCraig Finsethの LCS TM-165、『A Cookbook for an Emacs』もよい文献です。 現在の価格は3ドルです。
本書のこの版は、GNUおよびUNIXシステムにインストールしたGNU Emacsに対応します。 GNU Emacsは、VMS、(MS-DOGとも呼ばれる)MS-DOS、Windows NT、 Windows 95でも使えます。 これらのシステムでは、ファイル名の表記法が異なります。 さらに、VMSやMS-DOSでは、GNU Emacsの全機能を使えるわけではありません。 本書ではVMSでの利用方法は説明しません。 MS-DOSでEmacsを使う際の情報は、See section EmacsとMS-DOS。
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