現在Automakeは,Texinfoとman pageに対するサポートを提供します.
カレントディレクトリにTexinfoソースを含んでいる場合,`TEXINFOS'プラ
イマリでそれを宣言する必要があります.通常,Texinfoファイルはinfoに変換
されるので,info_TEXINFOS
変数が最も一般的に使用されます.すべての
Texinfoソースファイルは,`.texi',`.txi',または
`.texinfo'の拡張子で終える必要があります.新しいマニュアルには,
`.texi'を推奨します.
Automakeは,`.info',`.dvi',`.ps',そして`.pdf'ファ
イルを,Texinfoソースからビルドする規則を生成します.`.info'ファイ
ルはmake all
でビルドされ,make install
でインストールされま
す(no-installinfo
を使用していない場合に限ります.以下を参照してく
ださい).それ以外のファイルは,make dvi
,make ps
,そして
make pdf
でビルドを要求することが可能です.
`.texi'ファイルが`version.texi'を@include
している場合,
そのファイルが自動的に生成されます.ファイル`version.texi'は,四つ
のTexinfoのフラグを定義し,それは@value{EDITION}
,
@value{VERSION}
,@value{UPDATED}
,そして
@value{UPDATED-MONTH}
を使用することで参照可能です.
EDITION
VERSION
UPDATED
UPDATED-MONTH
`version.texi'サポートには,mdate-sh
プログラムが必要です.こ
のプログラムはAutomakeと一緒に供給されていて,automake
が
--add-missing
オプションで呼び出されるとき,自動的に含まれます.
複数のTexinfoファイルがあり,`version.texi'の機能を使用したい場合, それぞれのTexinfoファイルに対し個別のバージョンファイルを持たせる必要が あります.Automakeは`vers*.texi'に一致したTexinfoファイル内に含まれ るものを,単純に自動的に生成されたバージョンファイルとして扱います.
infoファイルが再びビルドされるとき,MAKEINFO
変数で指名されたプロ
グラムが,その呼び出しで使用されます.システムでmakeinfo
が見つかっ
た場合,それがデフォルトで使用されます.それ以外の場合,missing
が
代わりに使用されます.変数MAKEINFOFLAGS
とAM_MAKEINFOFLAGS
にあるフラグは,makeinfo
の呼び出しに渡されます.最初のものは,ユー
ザが使用する(see section ユーザに対して予約されている変数)目的で,二番目のもの
`Makefile.am'の著者が使用する目的です.
infoファイルが,実際には一つ以上の`.texi'ファイルに依存する場合もあ
ります.例えば,GNU Helloでは,`hello.texi'は`gpl.texi'ファイ
ルを含んでいます.texi_TEXINFOS
変数を使用することでこれらの
依存性をAutomakeに伝えることが可能です.GNU Helloで用いた方法は,以下の
ようになっています.
info_TEXINFOS = hello.texi hello_TEXINFOS = gpl.texi
デフォルトでAutomakeは,ファイル`texinfo.tex'がTexinfoソースと同じ
ディレクトリに存在することを要求します.しかし,`configure.in'で
AC_CONFIG_AUX_DIR
を使用した場合(see section `Finding `configure' Input' in The Autoconf Manual),`texinfo.tex'は
そこで探されます.Automakeは,`--add-missing'が与えられている場合,
`texinfo.tex'を供給します.
多くのディレクトリにTexinfoファイルがあるパッケージの場合,パッケージに
対する標準的な`texinfo.tex'が見つかる場所をAutomakeに伝えるため,変
数TEXINFO_TEX
を使用することが可能です.この変数の値は,現在の
`Makefile.am'から`texinfo.tex'への相対的なパスにすべきです.
TEXINFO_TEX = ../doc/texinfo.tex
オプション`no-texinfo.tex'を,`texinfo.tex'を要求することを止
めるために使用することが可能です.しかし,変数TEXINFO_TEX
の使用は
望ましく,それはdvi
,ps
,そしてpdf
ターゲットを動作
させることが可能だからです.
Automakeはinstall-info
ターゲットを生成します.これを明示的に使用
する人もいます.デフォルトで,infoページは`make install'でインストー
ルされます.これはno-installinfo
オプションによって止めることが可
能です.
パッケージにmanページを含めることも可能です(しかし,この件に関しては,
section `Man Pages' in The GNU Coding Standardsを参照してくださ
い).manページは`MANS'プライマリを使用して宣言します.一般に
man_MANS
変数を使用します.manページは,mandir
の正しいサブ
ディレクトリに,ファイル拡張子に基づいて自動的にインストールされます.
`.1c'のようなファイルの拡張子は,有効な拡張子を探すために処理され,
mandir
の正しいサブディレクトリを決定するために使用されます.有効
なセクション名は,10進数の`0'から`9'と,文字の`l'と
`n'です.
開発者によっては,ソースファイルで`foo.man'のようなファイル名でman ページを命名し,ファイルをインストールするときに,例えば`foo.1'のよ うな正しい接尾子を持つものに名前を変更したい時もあります.Automakeはこの モードもサポートします.有効なセクションに命名されたSECTIONに対し て,`manSECTIONdir'と命名されている対応するディレクトリと,対 応する`_MANS'変数があります.そのような変数でリストアップされている ファイルは,示されているセクションにインストールされます.ファイルに有効 な接尾子が既についている場合,それはそのままインストールされます.それ以 外の場合,ファイルの接尾子はセクションに一致するように変更されます.
例えば,以下のような例を考えます.
man1_MANS = rename.man thesame.1 alsothesame.1c
この場合は,`rename.man'はインストールする時に`rename.1'に名前 を変更され,他のファイルはその名前のままになります.
デフォルトで,manページは`make install'でインストールされます.しか
し,GNUプロジェクトはmanページを必要としないので,多くの管理者はmanペー
ジを最新にしておきません.この場合,no-installman
オプションでman
ページをデフォルトでインストールしないようにします.ユーザは`make
install-man'によって,明示的にそれらをインストールすることができます.
(Texinfoドキュメントとmanページの両方を含んでいる)GNUcpio
では,ド
キュメントを以下のようにして処理しています.
man_MANS = cpio.1 mt.1 EXTRA_DIST = $(man_MANS)
manページは,現在ソースであると考慮されておらず,そのわけはmanページが自 動的に生成されることが珍しくないからです.このため,それらは自動的に配布 物に含められません.しかし,これは`dist_'接頭辞を使用することで変更 可能です.
`nobase_'接頭辞はmanページに対しては意味が無く利用できません.
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