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過去に暮す方々のために、Emacsバージョン19への格下げ情報です。
Emacs 20のある種の機能の欠落による大いなる簡潔さを甘受されることを願って。
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マルチバイト文字対応と行末変換機能は完全に除去してある。
(これをとてつもない進歩ととらえる人もいる。)
文字コードは0から255の範囲に限られる。
また、UNIX流のシステムに持ち込んだファイルでは、
MS-DOG型のファイルを扱っていることを警告するために、
各行の末尾に^Mがあることがある。
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同様に、フォントセット、コーディングシステム、入力方式も除去した。
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どのエディタを使っているか忘れないように、
通常、モード行には`Emacs'と表示する。
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スクロールバーはつねにウィンドウの右側にある。
これで、ウィンドウ内のテキストとはっきり区別できる。
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M-x customizeの機能は、
とても簡潔な機能のM-x edit-optionsに置き換えた。
これですべてのユーザーオプションを先頭から眺めることができ、
あちこち探しまわる必要はないだろう。
また、これにはsやxのようにユーザーオプションを
設定するコマンドもいくつかある。
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Emacs19では、マウスでリージョンを選択したあとに
DELETEキーを使っても特別なことは何も起こらない。
マウスを操作していないときと同じように動作し、単に直前の1文字を削除する。
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C-x C-wは、新しいファイル名に合わせてメジャーモードを変更しない。
モードを変更するには、M-x normal-modeを使う。
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暫定(transient-mark)マークモードでは、どのウィンドウにおいても
ウィンドウ内にリージョンがある限りそれを強調表示する。
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アウトライン(outline)モードでは、上書き属性を使わない。
かわりに、まえにある改行文字をコード015に変更して行を隠す。
たとえこのままファイルに保存しても、
ファイル内では文字コード015は改行に戻っている。
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enable-recursive-minibuffers
がnil
であっても、
ミニバッファを再帰的に利用する賢い方法がある。
ミニバッファ以外のウィンドウに切り替えてから、
ミニバッファコマンドを使うだけでよい。
このようにすれば何段でもミニバッファのレベルを積み重ねられるが、
M-x top-levelでもとに戻ってしまう。
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ミニバッファ履歴リストの長さの制限を取り除いた。
このリストは、
セッション開始時から入力したすべてのミニバッファ引数を保持する。
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動的略語展開では、とても簡潔にかつ素直に大文字小文字変換を扱う。
大文字小文字を保存するように指定してあると、
打ち込んだ略語の大文字小文字のパターンと同じになるように展開する。
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コマンド
compose-mail
はなくなった。
現在、C-x mはmail
を直接実行する。
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特殊文字を含むファイル名をクォートする方法はない。
見た目とおりのものを得る。
つまり、リモートにあるように見える名前のものはリモートにある。
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grep
がなくなることはないので、M-x grep-findは除去した。
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diredのコマンドを若干再配置した。
つまり、2文字列のコマンドは軽快な1文字のコマンドに置き換えた。
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dired-mark-executables
は*
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dired-mark-directories
は/
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dired-mark-symlinks
は@
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dired-change-marks
はc
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dired-unmark-all-files
はC-M-?
-
dired-unmark-all-marks
はC-M-? RET
ただし、dired-flag-garbage-files
は&と打つので、
この場合には過去にひたっていられなくなる。
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Cモードでは、ブロックコメントに好きなスタイルを指定できる。
たとえば、
/*
blah
blah
*/
というスタイルを利用するには、
変数c-block-comments-indent-p
をt
にする。
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フォントロック(font-lock)モードが使用するフェイスをカスタマイズするには、
変数
font-lock-face-attributes
を使う。
詳しくは、この変数の説明文字列を参照。
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効率のために、フォントロック(font-lock)モードは、
選択したメジャーモード用の飾りとしては最小限のものをデフォルトで使用する。
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バッファを消去すると、そのバッファ内の位置を保持していたレジスタの値は、
牢獄を指すようになる。
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関数
set-frame-font
はset-default-font
と改名した。
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変数
tex-main-file
はなくなった。
もちろん、値を設定すればこの変数を作成できるが、特に何をするわけでもない。
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変数
scroll-preserve-screen-position
と
この変数で制御していた機能は除去した。
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関数
add-untranslated-filesystem
と
関数remove-untranslated-filesystem
は除去し、
より簡潔な関数using-unix-filesystems
で置き換えた。
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コンピュータの記憶容量が減少し続けるため、
Emacs 19では他の数多くの関数やファイルも除去した。
それらをすべてここで取り上げる必要はあるまい。
それらのどれかを使うと、「undefined(未定義)」とか
「unbound(未束縛)」というエラーメッセージが出る。
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