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作業中のコンテクスト

このセクションは,作業しているコンテクストを表示または変更するコマンドを 記述します.現在のディレクトリ,端末設定,その他です.次のセクションのユー ザ関連のコマンドも参照してください.

pwd: 作業中のディレクトリを表示

pwdは,現在のディレクトリの完全に解決された名前を出力します.すな わち,出力される名前のすべての要素は,実際のディレクトリ名です---シンボ リックリンクではありません.

ほとんどのシェルは同じ名前の組み込みコマンドがあるので,装飾なしのスクリ プト内や対話的なコマンド名を用いると,ここで記述している以外の異なる機能 を得る可能性があります.

オプションは単独の`--help'`--version'だけです.See section 共通のオプション.

stty: 端末の特徴を表示または変更

sttyは,ボーレートのような,端末の特徴を表示または変更します.構 文は以下のとおりです.

stty [option] [setting]...
stty [option]

設定行がない場合,sttyは,ボーレート,(システムがサポートする)回 線制御数,そして`stty sane'で設定された値から変更された回線設定を表 示します.デフォルトで,モードの読み込みと設定は標準入力に接続されている tty回線で実行されますが,これは`--file'オプションで修正可能です.

sttyは,端末回線処理の状況を変更する,以下で記述するような多くの オプションではない引数を受け入れます.

プログラムは以下のオプションを受け入れます.section 共通のオプション,も参照 してください.

`-a'
`--all'
すべての現在の設定を人間が読める形式で出力します.このオプションは,あら ゆる回線設定と組み合わせて使用することはできません.
`-F device'
`--file device'
標準入力に接続しているtty回線の代わりに,deviceで指定されているファ イル名で開かれた回線を設定します.このオプションは,clocalが設定 されていない場合,キャリア検出回線が高速ではないので,POSIX ttyのブロッ キングを避けるために,O_NONDELAYフラグの使用を要求するPOSIX ttyを 開くために必要です.そのため,従来の方法でシェルがデバイスを開くことが, 常に可能なわけではありません.
`-g'
`--save'
他のsttyコマンドが現在の設定を復元するための引数として使用可能な 形式で,すべての現在の設定を表示します.このオプションは,あらゆる回線設 定と組み合わせて使用することはできません.

多くの設定は,前置される`-'で止めることが可能です.そのような引数は, それら記述で"取り消し可能"として以下では印がついています.記述自身は, 肯定の場合を述べていて,すなわち,(もちろん,明言されていなければ)取り消 しではありません

設定には,拡張を使用しているため,すべてのPOSIXシステムで利用可能ではな いものもあります.そのような引数はその記述で"非POSIX"という印がついて います.非POSIXシステムでは,これらやその他の設定も利用可能ではありませ んが,すべてのバリエーションを説明するのは実行不可能です.まずは,試して みてください.

制御設定

制御設定です.

`parenb'
出力の一般的なパリティビットと,入力の期待するパリティビットです.取り消 し可能です.
`parodd'
(取り消す場合も)偶パリティです.取り消し可能です.
`cs5'
`cs6'
`cs7'
`cs8'
文字サイズを5,6,7,または8ビットに設定します.
`hup'
`hupcl'
最後の処理がttyを閉じるとき,ハングアップシグナルを送ります.取り消し可 能です.
`cstopb'
2つのストップビット(取消しの場合は1つ)を使用します.取り消し可能です.
`cread'
入力の受信を許可します.取り消し可能です.
`clocal'
モデム制御シグナルを利用不可能にします.取り消し可能です.
`crtscts'
RTS/CTSフロー制御を利用可能にします.非POSIXです.取り消し可能です.

入力設定

`ignbrk'
ブレーク文字を無視します.取り消し可能です.
`brkint'
ブレークを中断シグナルにします.取り消し可能です.
`ignpar'
パリティエラーの文字を無視します.取り消し可能です.
`parmrk'
(255-0の文字の順に)パリティーエラーに印を付けます.取り消し可能です.
`inpck'
入力パリティチェックを可能にします.取り消し可能です.
`istrip'
入力文字のハイビット(8番目)をクリアします.取り消し可能です.
`inlcr'
ニューラインをキャリッジリターンに変換します.取り消し可能です.
`igncr'
キャリッジリターンを無視します.取り消し可能です.
`icrnl'
キャリッジリターンをニューラインに変換します.取り消し可能です.
`ixon'
XON/XOFFフロー制御(すなわち,CTRL-S/CTRL-Q)を可能にします. 取り消し可能です.
`ixoff'
`tandem'
システム入力バッファがほぼいっぱいのときのstop文字と,再びほとん ど空になったときのstart文字の送信を可能にします.取り消し可能です.
`iuclc'
大文字を小文字に変換します.非POSIXです.取り消し可能です.
`ixany'
あらゆる文字の出力の再開を許可します(取消しの場合は開始文字のみです).非 POSIXです.取り消し可能です.
`imaxbel'
入力バッファがいっぱいになったときに文字が届いた場合,ビープを鳴し,入力 バッファをフラッシュしないことを可能にします.非POSIXです.取り消し可能 です.

出力設定

これらの引数は出力に関連する処理です.

`opost'
出力を後処理します.取り消し可能です.
`olcuc'
小文字を大文字に変換します.非POSIXです.取り消し可能です.
`ocrnl'
キャリッジリターンをニューラインに変換します.非POSIXです.取り消し可能 です.
`onlcr'
ニューラインをキャリッジリターンに変換します.非POSIXです.取り消し可能 です.
`onocr'
最初の列のキャリッジリターンを出力しません.非POSIXです.取り消し可能で す.
`onlret'
ニューラインがキャリッジリターンを実行します.非POSIXです.取り消し可能 です.
`ofill'
遅延に対する時間調整の代わりに,文字の補充(パディング)を使用します.非 POSIXです.取り消し可能です.
`ofdel'
補充に対し,null文字の代わりにデリート文字を使用します.非POSIXです.取 り消し可能です.
`nl1'
`nl0'
ニューラインの遅延形式です.非POSIXです.
`cr3'
`cr2'
`cr1'
`cr0'
キャリッジリターンの遅延形式です.非POSIXです.
`tab3'
`tab2'
`tab1'
`tab0'
水平タブの遅延形式です.非POSIXです.
`bs1'
`bs0'
バックスペースの遅延形式です.非POSIXです.
`vt1'
`vt0'
垂直タブの遅延形式です.非POSIXです.
`ff1'
`ff0'
フォームフィードの遅延形式です.非POSIXです.

ローカル設定

`isig'
interruptquit,そしてsuspend特殊文字を可能にしま す.取り消し可能です.
`icanon'
erasekillwerase,そしてrprnt特殊文字を可 能にします.取り消し可能です.
`iexten'
非POSIX特殊文字を可能にします.取り消し可能です.
`echo'
入力文字をエコーバックします.取り消し可能です.
`echoe'
`crterase'
erase文字をバックスペース-スペース-バックスペースとしてエコーバッ クします.取り消し可能です.
`echok'
kill文字の後のニューラインをエコーバックします.取り消し可能です.
`echonl'
他の文字をエコーバックしていなくても,ニューラインをエコーバックします. 取り消し可能です.
`noflsh'
interruptquit特殊文字の後のフラッシュを不可能にします. 取り消し可能です.
`xcase'
icanonが設定されているとき,同じ小文字に`\'を前置することで, 入力と出力の大文字を可能にします.非POSIXです.取り消し可能です.
`tostop'
端末に書き込もうとしているバックグラウンド処理を停止します.非POSIXです. 取り消し可能です.
`echoprt'
`prterase'
削除された文字を後方の`\'`/'の間にエコーバックします.非 POSIXです.取り消し可能です.
`echoctl'
`ctlecho'
制御文字を,そのままではなく,ハット表示(`^c')でエコーバック します.非POSIXです.取り消し可能です.
`echoke'
`crtkill'
echoctlechokの設定の代わりに,echoprtechoeの設定で示すものとして,行のそれぞれの文字を削除することで, kill特殊文字をエコーバックします.非POSIXです.取り消し可能です.

組み合わせ設定

組み合わせ設定です.

`evenp'
`parity'
parenb -parodd cs7と同じです.取り消し可能です.取り消しの場合は, -parenb cs8と同じです.
`oddp'
parenb parodd cs7と同じです.取り消し可能です.取り消しの場合は, -parenb cs8と同じです.
`nl'
-icrnl -onlcrと同じです.取り消し可能です.取り消しの場合は, icrnl -inlcr -igncr onlcr -ocrnl -onlretと同じです.
`ek'
erasekill特殊文字をそのデフォルト値にリセットします.
`sane'
以下と同じです.
cread -ignbrk brkint -inlcr -igncr icrnl -ixoff -iuclc -ixany
imaxbel opost -olcuc -ocrnl onlcr -onocr -onlret -ofill -ofdel
nl0 cr0 tab0 bs0 vt0 ff0 isig icanon iexten echo echoe echok
-echonl -noflsh -xcase -tostop -echoprt echoctl echoke
そして,すべての特殊文字をそのデフォルト値に設定します.
`cooked'
brkint ignpar istrip icrnl ixon opost isig icanonと同じで, mintime文字がeofeol文字と同じ場合は, eofeol文字をそのデフォルト値に設定します.取り消し可能で す.取り消しの場合は,rawと同じです.
`raw'
以下と同じです.
-ignbrk -brkint -ignpar -parmrk -inpck -istrip -inlcr -igncr
-icrnl -ixon -ixoff -iuclc -ixany -imaxbel -opost -isig -icanon
-xcase min 1 time 0
取り消し可能です.取り消しの場合は,cookedと同じです.
`cbreak'
-icanonと同じです.取り消し可能です.取り消しの場合は, icanonと同じです.
`pass8'
-parenb -istrip cs8と同じです.取り消し可能です.取り消しの場合は, parenb istrip cs7と同じです.
`litout'
-parenb -istrip -opost cs8と同じです.取り消し可能です.取り消し の場合は,parenb istrip opost cs7同じです.
`decctlq'
-ixanyと同じです.非POSIXです.取り消し可能です.
`tabs'
tab0と同じです.取り消し可能です.取り消しの場合は,tab3と 同じです.
`lcase'
`LCASE'
xcase iuclc olcucと同じです.非POSIXです.取り消し可能です.
`crt'
echoe echoctl echokeと同じです.
`dec'
echoe echoctl echoke -ixany intr ^C erase ^? kill C-uと同じです.

特殊文字

特殊文字のデフォルト値はシステム毎に異なります.それらは,構文`name value'で設定され,nameは以下にリストアップされていて,valueはハット表示 (`^c')の文字通り,または,16進を示す`0x',8真数を示す `0',または,10進を示すその他もので始まる整数のどちらかで,与えるこ とが可能です.

GNU sttyに対し,^-undefの値を与えることで,特殊文字を使 用不可能にします.(これは,Ultrix sttyと互換性がなく,それは特殊 文字を使用不可能にするために`u'の値を使用します.GNU sttyは, 値`u'を他と同じように扱い,言い換えると,特殊文字をUに設定し ます.)

`intr'
中断シグナルを送信します.
`quit'
終了シグナルを送信します.
`erase'
最後に入力された文字を削除します.
`kill'
現在の行を削除します.
`eof'
ファイルの終りを送信します(入力を終了します).
`eol'
行の終りです.
`eol2'
行の終りの別文字です.非POSIXです.
`swtch'
異なるシェルレイヤーに切り替えます.非POSIXです.
`start'
停止後の出力を再開します.
`stop'
出力を停止します.
`susp'
端末の停止シグナルを送信します.
`dsusp'
入力をフラッシュした後,停止シグナルを送信します.非POSIXです.
`rprnt'
現在の行を再描画します.非POSIXです.
`werase'
最後に入力された単語を消去します.非POSIXです.
`lnext'
入力された次の文字を,それが特殊文字の場合でも,そのまま入力します.非 POSIXです.

特殊設定

`min n'
-icanonが設定されているとき,制限されている時間値までに安全に読み 込む文字の最小数を設定します.
`time n'
-icanonが設定されているとき,文字の最小数が読み込まれていない場合, 読み込み時間切れまでの10秒単位の数字を設定します.
`ispeed n'
入力速度をnに設定します.
`ospeed n'
出力速度をnに設定します.
`rows n'
ttyカーネルドライバに端末の行数nを伝えます.非POSIXです.
`cols n'
`columns n'
カーネルに端末の列数nを伝えます.非POSIXです.
`size'
端末が持っているとカーネルが想像する,列と行の数を表示します.(カーネル で行と列をサポートしないシステムでは,特に環境変数@env{LINES}と @env{COLUMNS}が代わりに使用されます.しかし,GNU sttyはそれについ て何も知りません.)非POSIXです.
`line n'
回線制御nを使用します.非POSIXです.
`speed'
端末の速度を出力します.
`n'
入出力の速度をnに設定します.nは,以下の一つになります.0 50 75 110 134 134.5 150 200 300 600 1200 1800 2400 4800 9600 19200 38400 exta extbです.extaは19200と同じです.extbは 38400と同じです.-clocalが設定されている場合,0は回線を切断します.

printenv: すべてまたはいくつかの環境変数を出力

printenvは,環境変数の値を出力します.構文は以下のとおりです.

printenv [option] [variable]...

引数がしていされていない場合,printenvはすべての環境変数の値を出 力します.それ以外の場合,それは,それぞれの設定されているvariable の値を出力し,設定されていないものには何もしません.

オプションは,単独の`--help'または`--version'だけです. See section 共通のオプション.

終了ステータス.

0 すべての指定された変数が見つかった場合.
1 指定された変数の少なくとも一つが見つかった場合.
2 書き込みエラーが発生した場合.

tty: 標準入力につながっている端末のファイル名を出力

ttyは,標準入力が接続してある端末のファイル名を出力します.標準入 力が端末でない場合,それは,`not a tty'を出力します.構文は以下のと おりです.

tty [option]...

プログラムは以下のオプションも受け入れます.section 共通のオプション,も参照 してください.

`-s'
`--silent'
`--quiet'
何も出力しません.終了ステータスを返すだけです.

ttyの終了ステータスです.

0 標準入力が端末の場合.
1 標準入力が端末でない場合.
2 不正な引数が与えられた場合.
3 書き込みエラーが発生した場合.


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