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複数のウィンドウの操作

ウィンドウ(window)は,ノードのテキストを表示する場所です.ウィンド ウはノードのテキストを表示するビューエリアと,関連付けられたモード 行(mode line)があり,それは見ているノードの短い記述です.

GNU Infoは,単一画面上での複数のウィンドウの表示をサポートします.それぞ れのウィンドウは,モード行で次のものと分けられています.アクティブ (active)なウィンドウは常に一つだけあり,それはカーソルがあるウィンドウ です.ウィンドウの作成,ウィンドウサイズの変更,アクティブにするウィンド ウの選択,そしてウィンドウの削除のため,利用可能なコマンドがあります.

モード行

モード行(mode line)とは,Infoウィンドウの下の方に現われる反転表示 の行です.それは,そのすぐ上のウィンドウの内容を説明します.この情報は, ファイルとウィンドウに現われているノードの名前,ノードを表示するため消費 している画面の行数,そして,ウィンドウの上にあるテキストの百分率表示を含 んでいます.それは,このInfoファイルに対する間接的なタグ表を更新する必要 があるかどうかと,ディスク保存時にInfoファイルが圧縮されていたかどうかを 伝えます.

ノード`Top'を表示している,`dir'と名付けられた圧縮されていない ファイルを含んでいるウィンドウのモード行の例は以下のようになります.

-----Info: (dir)Top, 40 lines --Top-------------------------------------
            ^^   ^   ^^^        ^^
          (file)Node #lines    where

ノードがディスク上の圧縮されているファイルにあるとき,モード行に二つの小 さい`z'が示されます.さらに,ノードを含んでいるInfoファイルがサブファ イルに分けられている場合,ノードを含むサブファイルの名前も,同様にモード 行に現われます.

--zz-Info: (emacs)Top, 291 lines --Top-- Subfile: emacs-1.Z-------------

長い行の折り返し(同様に次の行折り返されるもの,see section ウィンドウでのテキストの移動)は,モード行の左端に`$'で示されます.

--$--Info: (texinfo)Top, 480 lines --Top-- Subfile: texinfo-1-----------

ディスク上に対応するInfoファイルが無いような内部ノードをInfoが作成する場 合,ノード名は周りにアスタリスク(`*')が付きます.名前自身はウィンド ウの内容を伝えます.以下のモード行の見本は,おそらく完了を示している内部 に構成されているノードを表示しています.

-----Info: *Completions*, 7 lines --All---------------------------------

ウィンドウコマンド

一度に一つ以上のノードが見れると便利なはずです.こうするため,Infoは一つ 以上のウィンドウ(window)を表示することが可能です.それぞれのウィン ドウには,独自のモード行(see section モード行)があり,そのウィンドウで 見たノードの履歴があります(see section ノードの選択).

C-x o (next-window)
画面の次のウィンドウを選択します.現在使用中かつ一時的にそのままにしてい る場合のみ,エコーエリアが選択可能だということに注意してください.通常, `C-x o'では,画面の次のウィンドウにカーソルを移動し,最後のウィンド ウに既にいる場合は画面の最初のウィンドウにカーソルを移動します.数字の引 数を与えた場合,`C-x o'は複数のウィンドウを移動します.負の引数で, `C-x o'は画面の前のウィンドウを選択します.
M-x prev-window
画面の前のウィンドウを選択します.これは,負の引数での`C-x o'と同じ です.
C-x 2 (split-window)
現在のウィンドウを二つに分け,両方とも同じノードを表示します.それぞれの ウィンドウは元のウィンドウの半分の大きさになり,カーソルは元のウィンドウ に残ります.変数automatic-tilingで,画面の全てのウィンドウの大き さを自動的に変更します.詳細は,section 変数の操作を参 照してください.
C-x 0 (delete-window)
現在のウィンドウを画面から削除します.余りに多くのウィンドウを作成し,画 面がバラバラになった場合にそのいくつかを取り除く方法です.
C-x 1 (keep-one-window)
現在のウィンドウ以外全てを削除します.
ESC C-v (scroll-other-window)
現在のウィンドウを`C-v'でスクロールするのと同じように,他のウィンド ウをスクロールします.負の引数を与えた場合,他のウィンドウは後方にスクロー ルします.
C-x ^ (grow-window)
現在のウィンドウを大きく(または小さく)します.数字の引数の場合,現在のウィ ンドウを複数行大きくします.負の引数の場合,代わりにウィンドウを小さくし ます.
C-x t (tile-windows)
表示されている全てのウィンドウの利用可能な空間を分割します.それぞれのウィ ンドウは,画面で均等に分割され内容を表示します.変数 automatic-tilingで,ウィンドウを作成したり削除したりしたとき tile-windowsは呼び出されます.See section 変数の操作.

エコーエリア

エコーエリア(echo area)は,画面の底に現われる一行のウィンドウです. それは情報やエラーのメッセージの表示と,入力が必要なときそれを読み込むた めに使用されます.エコーエリアで利用可能なコマンドのほとんど全ては, Emacsでそれに対応する物と同じなので,テキストの行の編集の概念をより深く 説明しているドキュメントを参照してください.以下の表は,エコーエリアで入 力が読み込まれるとき,利用可能なコマンドの短いリストです.

C-f (echo-area-forward)
RIGHT (an arrow key)
M-h, vi-like operation
一文字先に進めます.
C-b (echo-area-backward)
LEFT (an arrow key)
M-l, vi-like operation
一文字後に戻します.
C-a (echo-area-beg-of-line)
M-0, vi-like operation
入力行の最初に移動します.
C-e (echo-area-end-of-line)
M-$, vi-like operation
入力行の最後に移動します.
M-f (echo-area-forward-word)
C-RIGHT (DOS/Windows only)
M-w, vi-like operation
一単語先に進めます. DOS/Windowsで,C-RIGHTは一単語づつ先に進めます.
M-b (echo-area-backward-word)
C-LEFT (DOS/Windows only)
一単語後に戻します. DOS/Windowsで,C-LEFTは一単語づつ後に戻します.
C-d (echo-area-delete)
M-x, vi-like operation
カーソルの下の文字を削除します.
DEL (echo-area-rubout)
カーソルの前の文字を削除します. 同じキーボードで,このキーは`BackSpace'に対するBSとして設計さ れています.これらのキーボードは,通常,DELをエコーエリアでの echo-area-deleteに結びつけられています.
C-g (echo-area-abort)
C-u, vi-like operation
現在の処理を中止または終了します.補完が読み込まれている場合,このコマン ドは補完に一致しない入力行のテキストを削除します.入力行が空の場合,呼び 出している機能を中止します.
RET (echo-area-newline)
現在の入力行を受け入れ(または強制補完し)ます.
C-q (echo-area-quoted-insert)
C-v, vi-like operation
次の文字をそのまま挿入します.これは例えば,検索文字列に制御文字や,Info が補完を促しているときの`?'文字の入力を可能にする方法です.
printing character (echo-area-insert)
文字を挿入します.八番目のビットセットで,`M-'コマンドに結び付かな い文字も,そのまま挿入されます.これはラテンスクリプトをサポートしている 端末で,役に立ちます.
M-TAB (echo-area-tab-insert)
Shift-TAB (on DOS/Windows only)
タブ文字を挿入します. DOS/Windowsのみで,Shift-TABM-TABの代わりにな ります.このキーは,`BackTab'と呼ばれることもあります.
C-t (echo-area-transpose-chars)
カーソルの文字を置き換えます.

次のコマンドのグループは,テキストのキル(killing)ヤンク (yanking)に対応します(6).キルとヤンクの詳細は,section `Killing and Deleting' in the GNU Emacs Manualを参照してください.

M-d (echo-area-kill-word)
M-X, vi-like operation
カーソルに続く単語をキルします.
M-DEL (echo-area-backward-kill-word)
M-BS
カーソルの前の単語をキルします. キーボードによっては,BackspaceキーがDELの代わりに使用され ているので,M-BackspaceM-DELと同じ効果があり ます.
C-k (echo-area-kill-line)
カーソルから行末までのテキストをキルします.
C-x DEL (echo-area-backward-kill-line)
カーソルから行頭までのテキストをキルします.
C-y (echo-area-yank)
最後にキルした内容をヤンクします.
M-y (echo-area-yank-pop)
前にキルしたものをヤンクし,最後にヤンクしたテキストを最初に移動します.

エコーエリアで入力を読み込んでいるとき,入力が必要なコマンドがいくつかの 選択リストの中から一つだけ受け入れる場合もあります.選択は可能な補 完(possible completions) を表し,その中の一つを返答する必要があります. 作成可能な返答には多くのリストがあるので,Infoで入力を省略することを可能 になり,唯一に識別するのに必要な量だけ返答を入力します.さらに,Infoに可 能性のある返答を補充するように要求することも可能です.これは補完 (completion)と呼ばれます.

以下のコマンドは,エコーエリアでの補完を可能にします.

TAB (echo-area-complete)
SPC
可能な限り補完を挿入します.
? (echo-area-possible-completions)
今まで入力したものの可能な補完のリストを含むウィンドウを表示します.例え ば,利用可能な選択が以下の場合を考えます.
bar
foliate
food
forget
`f'に続けて`?'を入力すると,Infoは,以下のような可能な補完をリ ストアップする,`*Completions*'と呼ばれるノードを表示するウィンドウ を表示します.
3 completions:
foliate         food
forget
すなわち,`f'で始まる選択の全てです.SPCTABを押すと, 選択の全ては`f'で始まり`o'が続くので,エコーエリアに`fo' が結果として現われます.今,`TAB'に続けて`l'を入力すると, `fol'で始まる選択は`foliate'だけなので,それが結果としてエコー エリアに現われます.
ESC C-v (echo-area-scroll-completions-window)
補完ウィンドウを,それが見えていて"他の"ウィンドウが見えない場合,スクロー ルします.


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