Automakeは,GNUプログラムで使用する`Makefile.in'を生成することを主 目的にしているので,他のGNUツールとの相互作用を試みます.
Automakeは,Emacs Lispに対するサポートも供給します.`LISP'プライマ
リは`.el'ファイルのリストを保持するために使用されます.このプライマ
リに対して利用可能な接頭辞は`lisp_'と`noinst_'です.
lisp_LISP
が定義されている場合,`configure.in'で
AM_PATH_LISPDIR
を実行する必要があります(see section Automakeが提供するAutoconfマクロ).
デフォルトでAutomakeは,AM_PATH_LISPDIR
で見つかったEmacsを使用し
ながら,すべてのEmacs Lispソースファイルをバイトコンパイルします.バイト
コンパイルしたくない場合,変数ELCFILES
を空のまま定義してください.
バイトコンパイルされたEmacs Lispファイルは,すべてのEmacsのバージョンの
間で移植性があるわけではないので,一種類以上のEmacsバージョンをインストー
ルしているサイトがあることが予想される場合,これを止めることに意味があり
ます.さらに,実際にはバイトコンパイルの利点がないパッケージも多くありま
す.しかし,我々はデフォルトでバイトコンパイルを使用可能なままにしておく
ことを勧めます.恐らく,他の全員がインストールしなくてすむことより,それ
ぞれに対して対処するためにそれぞれ設定した方が良いでしょう.
AM_GNU_GETTEXT
が`configure.in'にある場合,Automakeは,国際化
のためのメッセージカタログシステム,GNU gettextに対するサポートを開始し
ます(see section `GNU Gettext' in GNU gettext utilities).
Automakeでのgettext
サポートには,パッケージに`intl'と
`po'の二つのサブディレクトリの追加が必要です.Automakeは,これらの
ディレクトリが存在してSUBDIRS
に書かれていることを保証します.
Automakeは,`LTLIBRARIES'プライマリを用いることで,GNU Libtool(see section `Introduction' in The Libtool Manual)に対す るサポートを提供します.See section 共有ライブラリのビルド.
Automakeは`JAVA'プライマリを用いることで,Javaコンパイルに対する最 低限のサポートも提供します.
`_JAVA'変数でリストアップされているすべての`.java'ファイルは,
ビルド時にJAVAC
でコンパイルされます.デフォルトで,`.class'
ファイルは配布物に含められません.
現在のAutomakeには,`_JAVA'プライマリを`Makefile.am'で一つだけ しか使用できないという制限があります.この制限の理由は,どの`.java' ファイルからどの`.class'ファイルが生成されるのかが通常は分からない ためです -- そのため,どこにどのファイルをインストールするのか分かりませ ん.例えば,`.java'ファイルで複数のクラスを定義することが可能です. 結果として得られる`.class'ファイル名は,`.java'ファイルをパー スしない限り特定不可能です.
Javaソースをコンパイルする時に使用される変数がいくつかあります.
JAVAC
JAVACFLAGS
AM_JAVACFLAGS
JAVACFLAGS
とは異なり,
`Makefile.am'にJavaコンパイラフラグを書く必要があるとき,これを使用
すべきではありません.
JAVAROOT
javac
に渡す`-d'オプションです.デフォルトは,
`$(top_builddir)'です.
CLASSPATH_ENV
javac
コマンドラインでCLASSPATH
環境変数に設定す
るために使用されるsh
式です.(将来,クラスパスの設定を異なる方法で
扱うようにする予定です.)
Automakeは,`PYTHON'プライマリを用いることで,Pythonのコンパイルに 対するサポートを提供します.
`_PYTHON'変数でリストアップされているすべてのファイルは,インストー
ル時にpy-compile
でバイトコンパイルされます.py-compile
は,
実際にはソースファイルの標準的なバージョン(`.pyc')とバイトコンパイ
ルされたバージョン(`.pyo')の両方を作成します.バイトコンパイルはイ
ンストール時に行なわれるので,`noinst_PYTHON'にリストアップされてい
るファイルはコンパイルされないことに注意してください.Pythonのソースファ
イルは,デフォルトで配布物に含められます.
Automakeは,Pythonに関連するディレクトリ変数(以下を参照してください)を決
定するAM_PATH_PYTHON
と呼ばれるAutoconfとともに出荷されています.
`configure.in'でAM_PATH_PYTHON
が呼び出す場合,Pythonソースファ
イルをリストアップするために以下の変数を変数内に使用してもかまいません.
`python_PYTHON',`pkgpython_PYTHON',`pyexecdir_PYTHON',
`pkgpyexecdir_PYTHON'はファイルをインストールしたい場所に依存します.
AM_PATH_PYTHON
は,単一のオプション引数を受けとります.この引数が
存在する場合,このパッケージで使用可能なPythonの最小バージョンになります.
システムで見つかったPythonのバージョンが要求されたバージョンより古い場合,
AM_PATH_PYTHON
はエラーを発生します.
AM_PATH_PYTHON
は,コンフィグレーションで分かったPythonのインストー
ル状況を基に,いくつかの出力変数を生成します.
PYTHON
PYTHON_VERSION
sys.version[:3]
の値です.
PYTHON_PREFIX
$prefix
です.この単語は,Pythonのsys.prefix
の内容が
必要となる将来の動作で使用されるかもしれませんが,一般的な同意事項として
configure
からの値が常に使用されます.
PYTHON_EXEC_PREFIX
$exec_prefix
です.この単語は,Pythonの
sys.exec_prefix
の内容が必要となる将来の動作で使用されるかもしれま
せんが,一般的な同意事項としてconfigure
からの値が常に使用されます.
PYTHON_PLATFORM
sys.platform
で与えられます.この値は,Pythonの拡張をビルドする時,
必要となるときもあります.
pythondir
pkgpythondir
pythondir
以下のディレクトリです.
すなわち,それは`$(pythondir)/$(PACKAGE)'です.それは便宜上提供され
ます.
pyexecdir
pkgpyexecdir
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