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ファイルの要約

これらのコマンドは,ファイルの内容全体を表現するいくつかの数字を生成しま す.

wc: バイト,単語,行数を出力

wcは,それぞれの与えられたfileや,与えられなかった場合や `-'fileに対し,バイト数,空白で区切られた単語,そして改行を 数えます.概要です.

wc [option]... [file]...

wcは,それぞれのファイルに対し,数えたものを1行出力し,ファイルが 引数として与えられた場合,カウントに続けてファイル名を出力します.1つ以 上のfileが与えられた場合,wcは,ファイル名`total'と共 に,累積カウントを最終行に出力します.カウントは,以下の順序で出力されま す.改行,単語,バイトです.デフォルトで,それぞれのカウントは,数字とファ イル名の行が列にうまく並ぶように,右寄せで,7バイトフィールドで,それぞ れのフィールドの間にスペースを入れて出力します.しかし,POSIXは列を分け るために,正確に1つのスペースがあることを要求します. @env{POSIXLY_CORRECT}環境変数を設定することで,wcを出力形式が POSIXで義務化されているようにさせることができます.

デフォルトで,wcは3つのカウントすべてを出力します.オプションで, 出力したいカウントのみを指定することができます.オプションは,前に与えら れたものを元に戻すことはできません.そのため,以下のようにした場合を考え ます.

wc --bytes --words

これは,バイトカウントと単語のカウントの両方を出力します.

--max-line-lengthオプションを用いた場合,wcはファイル毎の 最長の行の長さを出力し,1つ以上のファイルがある場合,それらの長さの(合計 ではなく)最大を出力します.

プログラムは以下のオプションも受け入れます.section 共通のオプション,も参照 してください.

`-c'
`--bytes'
`--chars'
バイトカウントのみ出力します.
`-w'
`--words'
単語カウントのみ出力します.
`-l'
`--lines'
改行カウントのみ出力します.
`-L'
`--max-line-length'
最長行の長さのみ出力します.

sum: チェックサムとブロック数を出力

sumは,与えられたそれぞれのfile,または,与えられない場合や `-'のファイルが与えられた場合は標準入力の16ビットのチェックサムを計 算します.概要です.

sum [option]... [file]...

sumは,それぞれのfileのチェックサムに続けて,ファイルのブロッ ク数を(切り上げで)出力します.1つ以上のfileが与えられた場合,ファ イル名も出力されます(デフォルト).(`--sysv'オプションを指定した場合, 少なくとも1つのファイル引数があるときは,対応するファイル名が出力されま す.)

デフォルトで,GNU sumは,BSD sumと互換性のあるアルゴリズム を用いて計算し,ファイルサイズを1024バイトブロックの単位で出力します.

プログラムは以下のオプションも受け入れます.section 共通のオプション,も参照 してください.

`-r'
デフォルト(BSD互換)のアルゴリズムを使用します.このオプションは,System V sumとの互換性も含みます.`-s'を与えない限り,効果はありま せん.
`-s'
`--sysv'
System V sumのデフォルトと互換のアルゴリズムを使用して,チェック サムを計算し,512バイトブロックの単位でファイルサイズを出力します.

sumは,互換性のために提供されています.cksumプログラム(次 のセクションを参照)は,新しいアプリケーションでは望ましいです.

cksum: CRCチェックサムとバイトカウントを出力

cksumは,与えられたそれぞれのfile,または,与えられない場合 や`-'のファイルが与えられた場合は標準入力の周期的な冗長性の調査 (CRC)のチェックサムを計算します.概要です.

cksum [option]... [file]...

cksumは,ファイルのバイト数と一緒に,それぞれのファイルに対し, CRCチェックサムと,引数が与えられていない場合以外はファイル名を出力しま す.

cksumは,通常,信用できない手段(例えば,ネットニュース)で転送され たファイルが切り詰められていないか,受信したファイルのcksum出力と 元ファイルのcksum出力(通常は配布物で与えられます)を比較することで 確認するために使用します.

CRCアルゴリズムは,POSIX.2標準で指定されました. BSDやSystem V sumアルゴリズムとは互換性がありません(前のセクションを参照してく ださい).それはより強固です.

オプションは`--help'`--version'だけです.See section 共通のオプション.

md5sum: メッセージダイジェストの出力と調査

md5sumは,それぞれ指定されたfileに対し,128-bitチェックサム (またはfingerprint,またはmessage-digest)を計算します. file`-'で指定されたり,ファイルが与えられていない場合は, md5sumは標準入力のチェックサムを計算します.md5sumは,ファ イルとチェックサムが一貫しているかどうか決定することも可能です.概要です.

md5sum [option]... [file]...
md5sum [option]... --check [file]

それぞれのfileに対し,`md5sum'は,MD5チェックサム,入力ファイ ルがバイナリかテキストかを示すフラグ,そしてファイル名を出力します. fileが無い,または`-'として指定されている場合,標準入力を読み 込みます.

プログラムは以下のオプションも受け入れます.section 共通のオプション,も参照 してください.

`-b'
`--binary'
全ての入力ファイルをバイナリとして扱います.このオプションは,Unixシステ ムではバイナリとテキストでファイルに差が無いので効果がありません.このオ プションは,内部と外部での文字表示が異なるシステムでは便利です.MS-DOSと MS-Windowsでは,これはデフォルトです.
`-c'
`--check'
ファイル名とチェックサム情報を,単一のfile(または,fileが指 定されない場合は標準入力)から読み込み,それぞれの名前のファイルと対応す るチェックサムデータが一貫しているかどうか報告します.md5sumのこ のモードでの入力は,通常前回の出力で,`md5sum'の実行でチェックサム が生成したものです.それぞれの入力の有効な行は,MD5チェックサムから成り 立ち,バイナリ/テキストフラグと,ファイル名です.バイナリファイルは, `*'で,テキストは` '印が付きます.それぞれのそのような行に対し, md5sumは,指名されたファイルを読み込み,そのMD5チェックサムを計算 します.そして,計算されたメッセージダイジェストが,ファイル名を持つ行の 1つと一致しない場合,ファイルはテストに失敗したことをメモされます.それ 以外の場合,ファイルは調査を通過します.デフォルトで,それぞれの有効な行 に対し,指名されたファイルが調査を通過したかどうかを示す1行を,標準出力 に書かれます.全ての調査の実行後,失敗があった場合,警告を標準エラーに発 行します.出力を抑制するために,`--status'オプションを使用してくだ さい.リストアップされたファイルに,開いたり読み込んだりでできないものが ある場合,有効な行が関連するファイルとMD5チェックサムに一貫性が無い場合, または,有効な行が見つからない場合,md5sumはゼロ以外のステータス で終了します.それ以外の場合は,正しく終了します.
`--status'
このオプションは,チェックサムの照合時のみ便利です.チェックサムを照合す るとき,デフォルトのファイルに対し1行の診断を生成せず,あらゆる失敗を要 約する警告を出力しません.ファイルを開くあるいは読み込む際の失敗は,標準 エラーに個別の診断を喚起します.リストされたファイルがすべて読み込み可能 で,対応するMD5チェックサムと一貫している場合,正しく終了します.それ以 外の場合,失敗があることを示すステータスコードで終了します.
`-t'
`--text'
全ての入力ファイルを,テキストファイルとして扱います.このオプションは `--binary'の反対です.
`-w'
`--warn'
チェックサムを照合するとき,不適切に書式化されたMD5チェックサム行につい て警告します.このオプションは,入力の調査で,全てではなくいくつかの行が 有効な場合のみ便利です.


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