+================== FreeBSD のアップグレード =======================+ | | | 0.0 はじめに | | 0.1 免責 | | 0.2 重要の注意 | | | | 1.0 導入 | | 1.1 アップグレードの概要 | | | | 2.0 手順 | | 2.1 バックアップ | | 2.2 ファイルシステムのマウント | | 2.3 配布ファイルの選択 | | 2.4 インストールの後に | | | | 3.0 他のアップグレードのテクニック | | | +=====================================================================+ 0.1 免責 --- ---- FreeBSD アップグレード処理では事故的なデータ損失に対して最善の安全措置 を取っていますが、このインストールで「ディスク全体をまっさらにしてしま う」可能性がまだあります。大事なデータファイルのバックアップをちゃんと 取っていない場合は、最終確認の要求を受け入れないでください。 0.2 重要な注意 --- ---------- FreeBSD 2.2.5 以前のバージョンからアップグレードしようとしている場合、 アップグレード処理で必要となる /etc/fstab の変更に関する重要な詳細情報 については、2.4 節を参照してください。 1.0 導入 --- ---- アップグレード処理では、ユーザが選択した配布ファイルを対応する FreeBSD の新しいリリースのものと置き換えます。標準のシステム設定のデータだけで なくユーザデータ、インストール済みの package、その他のソフトウェアを残 しておきます。 アップグレードを考えている管理者は、アップグレードを開始する前に、この ドキュメント全体を熟読することをおすすめします。 1.1 アップグレードの概要 --- -------------------- 配布ファイルのアップグレードは、新しいバージョンの内容を取り出して前の バージョンのものを上書きして実行します。古い配布ファイルにあったファイ ルは削除されません。 システム設定を維持・回復できるように、以下で示した前のバージョンのファ イルを保存しておきます。 Xaccel.ini, adduser.conf, aliases, aliases.db, amd.map, crontab, csh.cshrc, csh.login, csh.logout, daily, disktab, dm.conf, exports, fbtab, fstab, ftpusers, gettytab, gnats, group, host.conf, hosts, hosts.equiv, hosts.lpd, inetd.conf, kerberosIV, localtime, login.access, mail.rc, make.conf, manpath.config, master.passwd, mib.txt, modems, monthly, motd, namedb, networks, passwd, phones, ppp, printcap, profile, protocols, pwd.db, rc, rc.firewall, rc.i386, rc.local, rc.network, rc.conf, remote, resolv.conf, rmt, security, sendmail.cf, services, shells, skeykeys, spwd.db, supfile, syslog.conf, termcap, ttys, uucp, weekly これらのファイルで新しいバージョンに対応するものは、/etc/upgrade/ へ移 動します。システム管理者は自由に新しいバージョンのものを良く読んで内容 をマージできます。これらの多くのファイルは互いに依存しているため、もっ とも良いマージの方法は現在のファイルからすべてのサイト固有のデータを新 しいものへコピーすることです。 アップグレード中に管理者は /etc/ のファイルの格納場所を質問されます。 他のファイルへの局所的な変更がおこなわれる段階で、この場所から後で回復 するかもしれません。 2.0 手順 --- ---- この節ではアップグレード処理を詳細に説明します。通常のインストールと 本質的に異なる項目には、特別注意しましょう。 2.1 バックアップ --- ------------ ユーザデータとシステム設定はアップグレード前にバックアップをとっておく べきです。アップグレード処理は事故的なミスを防止するよう最善を尽くしま すが、部分的あるいは完全にデータおよび設定情報を破壊することがあります。 2.2 ファイルシステムのマウント --- -------------------------- ディスクラベルエディタがディスクのファイルシステムのデバイスを一覧表示 して起動します。アップグレード開始に先立ち、システム管理者はデバイス名 と対応するマウントポイントを書き留めておくべきです。これらのマウントポ イントはここで入力する必要があります。データ損失を招くため、どのファイ ルシステムに対しても 'newfs flag' を「設定しないで」ください。 2.3 配布ファイルの選択 --- ------------------ 配布ファイルを選択する際には、どれを選択すべきかの制限はありません。一 般的な規則として、アップグレードでは 'bin' 配布ファイルは選択すべきで す。マニュアルページが既にインストールされている場合は、'man' 配布ファ イルも選択します。システム管理者がもともとインストールされているものに 加えて追加機能を入れたい場合は、他の配布ファイルを選択するといいでしょ う。 2.4 インストールの後に --- ------------------ インストール処理が完了すれば、システム管理者は新しい設定ファイルを検査 するよう促されます。この時点で、システム設定が正しいことを確実にチェッ クすべきです。特に /etc/rc.conf および /etc/fstab を確認します。 以下の注意を読んでください。しかし新しいシステムが正しくブートするまで は、以下に説明されているように /etc/fstab を「更新しないで」ください。 アップグレード処理は前の FreeBSD カーネルを GENERIC カーネルに置き換え ますので、システム設定に合うようにカスタムカーネルを作ることが必要かも しれません。 重要な注意: =========== FreeBSD 2.2.6 ではルートファイルシステムとしてマウントするデバイス名の 変更がありました。この変更はすべてのシステムに影響しますが、FreeBSD 2.2.6 より前のバージョンからアップグレードインストールをおこなう システムでユーザの介在が必要となるだけです。 以前は同じディスクの他のパーティションが本当のスライスからマウントされ ていても、ルートファイルシステムは常に互換スライスからマウントされてい ました。例えば、これは /etc/fstab では以下のようになっていたでしょう: # Device Mountpoint FStype Options Dump Pass# /dev/wd0s2b none swap sw 0 0 /dev/wd0a / ufs rw 1 1 /dev/wd0s2f /local0 ufs rw 1 1 /dev/wd0s2e /usr ufs rw 1 1 FreeBSD 2.2.6 以降では、この形式は '/' に対するデバイスが他のデバイス と整合性が取れるように次のように変わります。 # Device Mountpoint FStype Options Dump Pass# /dev/wd0s2b none swap sw 0 0 /dev/wd0s2a / ufs rw 1 1 /dev/wd0s2f /local0 ufs rw 1 1 /dev/wd0s2e /usr ufs rw 1 1 ここで /etc/fstab が手動で更新されない場合は、システムは / をマウント するたびに (通常は起動時)、警告メッセージを出して変更するように指示す るでしょう。加えて、ルートファイルシステムが正しくマウント解除されなかっ た場合、トラブルを経験するかもしれません。これによって次のリブート時に ルートファイルシステムが clean な状態としてマークされないでしょう。 アップグレードしたシステムがうまく再起動したら、すぐにこの変更をおこな うべきです。 3.0 他のアップグレードのテクニック --- ------------------------------ もっと融通がきくアップグレードの方法と知識に興味があれば、 http://www.freebsd.org/docs.html にある tutorial の "Upgrading FreeBSD from source" に目を通すべきでしょう。この方法は信頼性の高いネットワー ク接続、余分なディスクスペースと時間がが必要となりますが、ネットワーク と他のより複雑なインストールのについて有利です。 # Original revision: 1.1.4.2 $Id: UPGRADE.TXT,v 1.2 1999/10/08 13:42:55 toshi Exp $